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  • 2019/01/11 掲載

QRコード決済とは? 主要7サービス比較と基礎からわかるその仕組み

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キャッシュレス化が推進される中で、QRコード決済に注目が集まっている。しかし、クレジットカードや電子マネーに親しみを覚えていても、QRコード決済については、よく分からないという声が多い。今回は、QRコード決済の仕組みやメリット、代表的なサービスなどを紹介していく。

執筆:田中 仁

執筆:田中 仁

大手総合商社にて10年間勤務し、新規事業開発を中心に資金調達、財務・会計等を担当。東京のほか、アメリカのベンチャーキャピタルやイギリスの金融機関等にて勤務経験もある。

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QRコードの基礎を確認しよう
(© tiquitaca - Fotolia)

キャッシュレス決済推進で注目を集める「QRコード決済」

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 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本でキャッシュレス化が進められている。

 世界ではすでにキャッシュレス決済が普及しており、韓国では89.1%、中国では60.0%、アメリカでは45.0%(2015年時点)と、高い比率で導入されていることが分かる。

 しかし、日本のキャッシュレス決済比率は18.4%にとどまっており(2015年時点)、この課題を受けて経済産業省が2027年に比率を40%程度に高める方針を発表した。

 また、2019年10月の消費税率10%引き上げに合わせて、キャッシュレス決済を利用した際は2%のポイント還元を実施することが検討されている。

 キャッシュレス決済には、クレジットカードや電子マネー、デビットカードといった種類があるが、中でも注目を集めているのがQRコード決済だ。

なぜQRコード決済はこれまで注目されなかったのか

 日本では、全国各地にあるコンビニのATMで手軽に現金を引き落とすことができるため、現金を使いやすい社会となっている。

 金融機関や小売店、飲食店などもその状況を前提に設備投資をしているため、QRコードをはじめとするキャッシュレス決済の導入に後れをとってしまっていると言えるだろう。

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クレジットカード決済に必要な端末はQRコード決済に必要なものに比べて高い(写真はイメージ)
(© kaninstudio - Fotolia)

 新たにキャッシュレス決済用の設備投資をしようにも、たとえばクレジットカード決済に用いるCAT端末の場合は6~8万円程度かかってしまう。さらに月々の加盟店手数料も必要になるため、導入店舗からすると、金銭的なハードルが存在する。

 また、日本には偽札が少なく、現金に対する信用度が非常に高い。そのため、キャッシュレスにする必要性がないと感じられているのも普及が遅れている原因として挙げられる。

QRコード決済の仕組み

 QRコード決済の仕組みを解説しよう。

 まず、ユーザーはスマートフォンやタブレット端末に支払いを行うためのアプリをダウンロードし、クレジットカード情報を登録する。そして、店舗は決済用のアプリをダウンロードした上で、QRコードを表示してユーザーに読み込んでもらう。これで決済が可能になる。

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QRコードで決済(写真はイメージ)
(© Buffaloboy - Fotolia)

 店舗はアプリを入れたスマートフォンなどの端末を利用する以外にも、QRコード決済の専用端末を用いることができる。価格は4万円程度で、レシートを印刷できるプリンター一体型の端末も存在するため利便性が高い。

 サービスによっては、ユーザーが表示したQRコードを店舗側が読み込むものもある。いずれにせよ、QRコード決済とは、クレジットカード情報を紐づけたスマートフォンで簡単に決済できる仕組みなのだ。

QRコード決済のメリット

 QRコード決済のメリットは、ユーザーと、商品・サービスを売買する店舗、それぞれに対してある。

 ユーザーのメリットは、QRコード決済を使ってスマートフォン一台で買い物ができることだ。一方、店舗側のメリットは初期費用を安く抑えたまま、キャッシュレス決済を導入できることである。

 クレジットカード情報を読み取るCAT端末は、無料で導入できるものもあるが、基本的に6~8万円程度かかることになる。一方、QRコード決済の専用端末は4万円程度に抑えられるのだ。また、専用端末を購入せずとも、手持ちのスマートフォンやタブレットを用いることができるため、小規模店舗でも導入しやすいと言えるだろう。

 中国をはじめとする海外では、QRコード決済が広く普及しているため、決済に対応していることを日本の店頭に掲示することで訪日外国人観光客の集客増加に期待できる。

 QRコード決済サービスの中にはポイントが付与されるものもあるため、ポイントを活用したいという顧客の集客にもつながるだろう。また、後述のQRコード決済サービスであるLINE Payの場合は、顧客のLINEにプッシュ通知を配信できるため、直接アプローチして集客することもできる。

 QRコード決済の購入履歴や売上情報は、QRコード決済アプリに記録されていくため、店舗はリアルタイムで売上管理を行える。そして、QRコード決済アプリに登録されているクレジットカード情報は店舗の端末には残らず、暗号化されて QRコード決済会社に直接送信される。そのため、クレジットカードの取扱いの安全性が格段に増すのだ。

QRコード決済のデメリット

 QRコード決済にはデメリットもある。

 まず、加盟店手数料の負担だ。クレジットカードと同じように、QRコード決済の場合も、売上に対して数パーセントの手数料が店舗からQRコード決済サービス提供者にわたる。店舗の利益はこうして減少してしまう。しかし、一部のQRコード決済サービスは加盟店手数料が無料となっているため、これらを選択すれば手数料に関するデメリットは解消されるだろう。

 また、「QRコード決済のデメリット」というわけではないが、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったように、決済手段が増加することによってスタッフのオペレーションが複雑化してしまうというデメリットがある。

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支払の方法が増えるのはありがたいが、店舗で対応するスタッフの負担が増えるかもしれない(写真はイメージ)
(© Andrey Popov - Fotolia)

 キャッシュレス決済はスムーズな支払いがメリットであるものの、オペレーションの認識不足で決済に手間取ってしまった場合、顧客満足度が低下してしまう可能性がある。そのため、スタッフ教育を十分に行わなければならない。

【次ページ】QRコード決済の代表的なサービス

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