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  • 2019/05/14 掲載

【独占】バークレイズのイノベーション責任者「銀行とFinTech企業はいがみ合うな」

「Money20/20 Asia」レポート バークレイズインタビュー(前編)

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シンガポールで開催されたMoney20/20 アジア。歴史ある銀行から勢いにのるFinTechスタートアップまで、幅広い企業担当者が世界中から集結した。英国ロンドンに本拠地を置くバークレイズ チーフ・テクノロジー・アンド・イノベーション・オフィサー ジョン・ステッカー氏も同イベントに参加し、ビジネス+ITだけにFinTech企業と銀行の協力の重要性を語った。

編集部 佐藤 友理

編集部 佐藤 友理

画像
バークレイズ
チーフ・テクノロジー・アンド・イノベーション・オフィサー
ジョン・ステッカー氏


金融業界に必要な「コーオペティション」

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 今回のイベントで伝えたかったことがあります。金融業界で大事なのは敵対関係ではなく、協力関係だということです。

 昨今の金融業界は「FinTech企業VS銀行」と見られがちですが、そうではありません。銀行はFinTechの一部としてその他のプレイヤーと協力する必要があるのです。もちろん競争はあります。しかしながら、われわれプレイヤーすべての究極のゴールは、顧客が自分の資産を最大限に活用できるようにすることで、顧客の人生をよりよくすることです。

 銀行と最新テクノロジーを持つ企業の理想的な関係は「コーオペティション(コーオペレーション+コンペティション)」です。

 コンペティションは誰が勝つかという話です。良い製品やサービスを提供できる企業が勝ちます。テレビ業界であれ車業界であれ、より良い製品が勝つわけです。競争が消費者にとってより良い結果をもたらします。

 しかしそれと同時にオープンな場で協力すること(コーオペレーション)も重要です。銀行がFinTech企業と協力できるなら、より良いソリューションにたどり着くことができるでしょう。これは境界を越えたスタンダードの策定ともいえます。これができれば不必要なコストを削減することができます。そしてコストが削減できたら新しい建物やプロダクトに投資することができるのです。

 銀行があらゆるテクノロジーを持つスタートアップと手を組み、自分たちに必要なテクノロジーを組み合わせて活用し、コストを下げながらユーザのために利便性をあげたり、提供できるサービスを改善することが重要なのです。

勝つ銀行は○○が優れている

 銀行はソフトウェアとアルゴリズムがまとまったようなものです。銀行はソフトウェアのようなものだ、ということもできるでしょう。

 ソフトウェアの開発にはエンジニアが必要です。そしてエンジニアの働き方を最適化して最も短い時間で最良のコードを書き、最も質の高い価値を提供する必要があります。そしてこのプロセスにおいて最も優れている銀行が勝利を収めます。

 銀行にとってはコードとプロダクトが最も重要なものになります。なぜならこの2つが銀行に最も大きな影響をもたらすからです。しかしながら、コードは銀行の外にも存在します。これがオープンソースです。コードはシェアすることがでます。銀行がオープンソースに貢献することもあるでしょう。なぜなら貢献するとオープンソースコミュニティーがより良いものになるからです。オープンソースのコミュニティに出入りをする銀行関係者は増えるかもしれません。

 たとえば顧客が使いたいと思っているサービスがあったとします。その機能を銀行が持っていないとします。では銀行はこのサービスを提供するための機能を1から作らなければならないのでしょうか。そうするくらいなら、すでに機能やテクノロジーを持っている企業の力を借りたほうが話は早いですよね。

 さまざまな金融企業のエンジニアがそれぞれの機関の垣根を越え協力してプラットフォームを作る可能性もあります。こうした取り組みは今までにもありました。今お話ししたようなものに類似したイニシアチブはすでに存在します。

【次ページ】銀行の強みと弱み

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