• 会員限定
  • 2019/05/15 掲載

大人になると下がる「自己肯定感」、2つのわなと克服法

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
あなたは、大切なプレゼンをする会議に5分遅刻してしまったと仮定しよう。「ヤバい、上司が怒っている?」と不安になり、緊張し、プレゼンも失敗してしまうかもしれない。しかし、「私はこの企画案に自信がある」「私は期待されているのだ。5分の遅刻くらい、挽回できる」と前向きに考えれば、いいプレゼンができるだろう。前者のように、ささいなことですぐネガティブになり、仕事にまで悪影響を及ぼしてしまうのは「自己肯定感が低いからだ」と、カリスマ心理カウンセラーの中島 輝 氏は語る。著書『自己肯定感の教科書』を上梓した中島氏に、自己肯定感の高め方を聞いた。

心理カウンセラー 中島 輝

心理カウンセラー 中島 輝

5歳で里親の夜逃げという喪失体験をし、9歳ごろから、HSP、双極性障害、パニック障害、統合失調症、強迫性障害、不安神経症、潰瘍性大腸炎、斜視、過呼吸、認知症、円形脱毛症に苦しむ。10年間実家に引きこもりつつ、代表取締役としてグループ会社を運営。独学で学んだセラピー・カウンセリング・コーチングを実践し続ける。「恩師の死」がきっかけとなり35歳で克服。自殺未遂の現場にも立ち会うような重度の方、Jリーガー、上場企業の経営者など15,000名を超えるクライアントにカウンセリングを行い、回復率95%、6ヵ月800人以上の予約待ちに。「奇跡の心理カウンセラー」と呼ばれ上場企業の研修オファーも殺到。現在は、ニューライフスタイルを提案する資格認定団体「トリエ」(旧国際コミュニティセラピスト協会、他5団体)を主催し120以上のオリジナル講座を開発。新しい生き方を探求する「輝塾」、好きを仕事にする起業塾「The・DIAMOND」を主催し、週末の講座は毎回即満席となっている。

画像
仕事にも悪影響を及ぼす自己肯定感の低下、その解決法は?
(Photo/Getty Images)


自己肯定感のわな(1)「過去」

 自己肯定感を低下させるのは「2つのわな」です。その1つめが、「過去の失敗へのこだわりやトラウマ」です。

 大人になると自己肯定感は下がりやすくなります。大きく分けて理由は2つあります。1つは、経験が増えるからです。とくに失敗した経験というのは、強く印象に残ります。そして、同じ失敗を繰り返したくないという意識も高まります。これが自己肯定感を低くするトリガーとなっていくのです。たとえば、あなたもこんな経験をしたことがあるかもしれません。

  1. プレゼン中に頭が真っ白になり、何も話せない空白の数分を経験してしまった。
  2. 徹夜して仕上げた渾身の企画書が、「いまいちだな」と一蹴されてしまった。
  3. よかれと思ってやったのに、「余計なことはしなくていい」と言われた。
  4. 一生懸命、料理をつくったのに、「お腹いっぱいだから」と食べてもらえなかった。

 私たちは過去に失敗体験をしたことに対して、苦手意識を持つようになります。会議で発言するのを避けたくなり、プレゼンが恐怖になり、新たな提案をするのが億劫になったり、何をやっても邪魔してしまうかもと思ったり、彼のご機嫌を過度に伺うようになったりします。

自己肯定感のわな(2)「他人との比較や劣等感」

 そして、プレゼンが恐怖になった人は、上司から「来月の取引先でのプレゼン、よろしく」と言われたら、その日から確実に憂鬱な気分になって自己肯定感も低空飛行を始めます。

  1. 自分は同僚の誰々よりも仕事ができない。
  2. いつも笑顔で可愛がられる後輩のように振る舞いたいのに、うまくいかない。
  3. 他のお母さんのように子育てがよくできない(だから子どもがいじめられる)。
  4. 私にはみんなのような女性としての魅力がない(だから恋愛が長続きしない)。

 どうしても他の人と比較してしまう。人生が長くなるにつれて、比較の対象は増えていくように思えます。これが、自己肯定感のわなの2つめ、「他人との比較や劣等感」です。

画像
(©metamorworks - Fotolia)

 たとえば、偏差値55だった私が勉強をし、56、57、58と少しでも上昇したとき、自分のがんばりと努力によって結果を出したんだと、自分を認めていくことで自然と自己肯定感が高まります。ところが、友達のAくんは偏差値65だと知ったとしましょう。そこで、Aくんと自分を比較し始めると「自分がこれだけがんばったのにAくんに負けているなんて、自分は勉強ができないんだ」と考え、自己肯定感が下ってしまうのです。

 身近にいる人をライバルとして定め、競い合うことで力を伸ばすというのは、勉強や仕事で成果を出すために有効な方法ではあります。しかし、それが正しく機能するのは自己肯定感が高まっているときのこと。「偏差値55だった私が勉強して、58になった。よくやった。これからまたがんばろう」と自分自身を認めることが重要です。そのステップを踏まず、「でも、Aくんは65だから」と比較してしまうと自己否定が始まってしまいます。

【次ページ】「認めてもらいたい!」気持ちに要注意

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます