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  • 2021/04/15 掲載

Windows Server 2022プレビューの評価は?次期サーバーOSの行方はわかるのか

山市良のマイクロソフトEYE

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マイクロソフトは2021年3月初めに開催されたオンラインイベント「Microsoft Ignite Spring 2021」において、Windows Serverの次期LTSC(長期サービスチャネル)バージョン「Windows Server 2022」のプレビューを発表しました。2022年下半期にリリース予定のこの新しいサーバーOSは、オンプレミスおよびクラウドのインフラストラクチャの次の10年(メインストリームとしては5年)を支えることになります。

執筆:フリーライター 山市 良

執筆:フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

画像
画面1:Azureで利用可能になったオファーは2月中頃のビルド「20295」。3月2日(米国時間)には既に、より新しいビルドが利用可能

バージョン2022がメインストリームの近未来、想像するもワクワクしない?

 マイクロソフトは2021年3月2日(米国時間)、Windows Serverの次期LTSCバージョンである「Windows Server 2022」を発表し、新機能の概要とともにプレビュー版(Windows Server Insider Preview)が利用可能であることを発表しました。同時に、Windows Server 2022のプレビュー版をMicrosoft Azureの仮想マシンで評価できるように「Microsoft Server Operating Systems Preview」オファーの提供を開始しました(画面1)。同一ビルドのWindows 10と一貫性のあるバージョンは「21H2」であり、2021年下半期の正式リリースが予定されています。


 Windows Server 2022は、Windows Server 2019をベースに、これまでのWindows Server史で最速で構築されたサーバーOSと表現され、以下の3つの新機能/強化点について解説されています。

  • 先進の多層セキュリティ ・・・ TPM 2.0、システムガード(旧称、デバイスガード)、資格情報ガード、ハイパーバイザーで保護されたコード整合性(HVCI)、TLS 1.3が既定で有効、SMB暗号化における256ビット暗号化のサポートなど
  • Azureとのハイブリッド機能 ・・・ Azure Arc、ストレージ移行サービス(Windows Server 2019からの機能)、Windows Admin Center(WAC)の強化など
  • フレキシブルなアプリケーションプラットフォーム ・・・ Windowsコンテナーのイメージサイズの削減、KubernetesでのWindowsコンテナーのエクスペリエンス向上、グループの管理されたサービスアカウントによるAzure Active Directory依存のアプリのサポート、IPv6のサポートなど

現時点で見えている新機能とは?

 どの機能も機能の差はあれ、Windows Server 2019、あるいはその前のWindows Server 2016から実装されているもので目新しいものではありません。

 まったく新しいものがあるとすれば、HTTPSの既定のセキュリティプロトコルが「TLS 1.3」になることと、SMB暗号化で256ビット暗号化(AES-256、現在は128ビット暗号化)をサポートすることくらいです。

 Windowsコンテナーのイメージサイズの削減は、Windows Server半期チャネル(Semi-Annual Channel、SAC)で継続して行われてきました。それがLTSCバージョンで実現されるということには大きな意味があるでしょう。

 現在、「Azure Kuberenetes Service(AKS)」では、Windows Server 2019のLTSCイメージが、プロセス分離モードでのみサポートされています。

 また、アナウンスの中で「Azure Arc」や最新の「Windows Admin Center(WAC)バージョン2103」に言及していますが、これも現行のWindows Server 2019やWindows Server 2016にも適用される現在でも利用可能な機能であり、Windows Server 2022ならではの新機能というわけではありません。Azure Arcについては本連載でも紹介しました。

 先ほどの3つの強化点のキーワードは「より一層(MORE)」ということなのだと思います。プレビュー段階の今は、バージョン情報こそ「Windows Server 2022」ですが、Windows Server 2019との違いを見つけるほうが難しいかもしれません。

【次ページ】評価するには速すぎる、新プレビュービルドは毎週リリース

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