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  • 2021/06/10 掲載

ソフトバンク青野史寛CHROに聞く、デジタルを生き抜く人材になる2つの超重要ポイント

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時代に合わせて変化し続けることを宣言しているソフトバンク。新型コロナ禍により、多くの企業がリモートワークに戸惑う中、同社は働き方の変化をテコに生産性を向上させているという。ソフトバンク 専務執行役員 兼 CHRO(最高人事責任者)の青野史寛氏は「今後のデジタルシフトを背景に、社員には新たな能力が求められる」と言い切る。青野氏に、変化を乗り越える人材像について話を聞いた。

聞き手:ビジネス+IT、松尾 慎司

聞き手:ビジネス+IT、松尾 慎司

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ソフトバンク 専務執行役員 兼 CHRO(最高人事責任者) 青野史寛氏

リモートワーク下ながら営業件数は逆に増加

 新型コロナ対応に向けた政府からの在宅勤務要請を受け、日本企業の働き方は大きく変わりました。ソフトバンクの出社率も全国平均で約25%、今年1月に移転したばかりの東京の新本社ではわずか15%ほどです。

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ソフトバンクの竹芝 新本社ビル
(写真:ソフトバンク提供)

 結論から言えば、それでも仕事は十分に回り、生産性は逆に高まっています。それだけの準備を我々は進めてきました。

 かつてiPhoneやiPadをいち早く全社員に配布し、当時社長だった孫正義(現ソフトバンクグループ会長 兼 社長)の主導の下、なかば強引にデジタル・コミュニケーションを現場に根付かせてきました。

 また、数年前から、働き方改革の推進やBCPの観点から、リモートワークの全社的な訓練も継続的に行ってきました。

 それでも2020年4月の初の緊急事態宣言直後は、リモートワークのやりづらさを指摘する声も一部では聞かれました。しかし、日を追うごとに社員も慣れ、法人営業のお客さまとのコンタクト数は、むしろコロナ以前より増えています。

 アフターコロナの働き方についても検討を進めていますが、現場では出社は週に1~2回で十分との声が大半で、新たな働き方に皆、自信を深めています。

これからの社員に求められる「自立心」と「デジタル」

 こうした中、人事の立場として、次の2つがこれからのビジネスパーソンにより強く求められると感じています。まずは、資質としての「自立心」です。

 リモートワークによって上司の部下への目が届きにくくなりました。ただし、場所を問わない新しいコミュニケーションスタイルは既存の仕組みを迅速化/効率化するデジタルならではの強みであり、社会のデジタルシフトにより今後、人と人がビジネスで直接会う機会は減っていくはずです。

 そうした状況で業務を円滑に遂行するには、従来の指示待ち人間では困難でしょう。逆に自らモチベーションを高めて、周りに働きかけねばなりません。そのためには自立して考え、判断する能力が欠かせないのです。

 とはいえ、自発的な行動は社員同士が気兼ねなく話せる関係性があることで起こしやすくなるという前提となります。その点に配慮し、ソフトバンクではまだ既存の社員との関係性を築く前の新卒や転職直後の社員を対象に、先輩社員とのコミュニケーションの場をオンラインとリアルの双方で積極的に設けています。

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 また、詳細は後述しますが、ソフトバンクの人事制度も、策定当時からすでに社員の自立心を醸成させるものとなっています。

 次いで2つ目は、「デジタルを扱うための知識とスキル」です。社長の宮川潤一が、「総合デジタルプラットフォーマー」になると宣言していますが、それは当然のことです。要はデジタル人材になってほしいのです。

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ソフトバンクは総合デジタルプラットフォーマーを目指す

 とはいえ、プログラムを一から書けるようにならなければいけないと言っているわけではありません。

 突き抜けた最新テクノロジーのスキルを持つ人材も確かに必要です。ただ、たとえば、かつては手作業で面倒だった円グラフの作成も、今では表計算ソフトで簡単に行えます。同様に、新たなデジタル技術をまずは受け入れ、体感し、その良さを自身の仕事、さらに社会にどう応用できるかを考えられる能力を養ってほしいのです。

 その点で、ソフトバンクの実地教育は強烈です、それが成長の一翼を担っていると言っていいでしょう。ある時は孫から「社内のすべてのコピー機の利用を今日中に停止するように」と急な指示が入りました。要はペーパレス化を推し進めるとの指示です。

【次ページ】デジタル人材の育成ではデータの感度が鍵に

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