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  • 2022/10/26 掲載

即戦力のはずなのに…「残念な中途社員」を生まない方法、上司がすべきことは?

連載:リーダー必携マネジメント術

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即戦力になってくれることを期待して獲得した社員が思うような活躍を見せなかったり、せっかく採用したのに長続きしなかったり、中途採用に関する悩みを抱えるリーダーは大勢いるでしょう。本記事では、全国3000社の組織コンサルティングを手掛ける識学で上席講師を務める山下智史氏が、中途採用社員の戦力化を一段と加速させるマネジメント法について紹介します。

執筆:識学 上席コンサルタント 山下 智史

執筆:識学 上席コンサルタント 山下 智史

早稲田大学法学部を卒業後、新卒で読売新聞東京本社に入社。入社後は販売局に在籍し、販売店の経営者に対してマネジメント業務を行う。同社で12年ほど経験を積んだ後、識学に入社し、講師としてのキャリアをスタート。入社したその月のうちに営業受注最短記録を樹立し、目標達成率1000パーセントをたたき出した凄腕である。現在はマーケティング部とカスタマーリレーション部、営業企画部の部長としても従事する。

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実績はあるはずの中途社員、即戦力になる/ならないの分かれ道はどこか
(Photo/Getty Images)

当たり前すぎて忘れがち? 採用過程で必ず確認すべきこと

 企業側にとって中途採用のメリットは即戦力を獲得しやすいことです。ただ、中途社員に本当の即戦力として活躍してもらうためには、企業側としてもできることがあります。まずは、採用過程でできることを見ていきましょう。

 中途採用の目的は、「欠員補充」や「増員のための募集」、あるいは「今後必要になるポジションを前もって確保しておくため」など、企業によってさまざまでしょう。

 いずれにしても、企業側は求める人物像をはっきりさせておくことが大切です。「こういう人に入社してほしい」という共通の認識を社員が持つことで、採用活動をスムーズに進められますし、応募者側も自分が入社後に活躍できるイメージを持ちやすくなります。

 中途採用だからこそ注意しなければいけない点は、新しい社員が会社の文化やルールになじめるかどうかです。

 新卒社員は、アルバイト以外に社会人経験がほとんどないので、これらを受け入れやすいでしょうが、中途社員はいくつかの会社を経験していますから、比較対象が存在します。「前の会社に比べるとルールが多くて嫌だな」とか「和気あいあいとした昔の職場が懐かしいな」などと不満を抱き、新しい職場に慣れるまでに時間を要することはよくあることです。新しい職場の文化やルールがどうしても肌に合わなければ、退職してしまうことも考えられます。

 たとえば、当社では上司と部下は友達のような間柄にはなりませんし、気軽に飲みに行くような関係でもありません。「飲みニケーション」が好きな人には居づらい職場です。面接の際にこうした自社の文化と社内のルールを候補者に説明し、その上で、ルールに関してはきちんと守れるかを尋ねましょう。もちろん、そこで勇ましく「守れます」と言って入社した社員が全員ルールを守るわけではありませんが、ルールを守ると宣言して入社してもらうことが大事なのです。


研修制度が「すぐ活躍できる人」「できない人」を左右する

 中途社員を戦力化していくにあたって重要になるのが研修制度や教育カリキュラムです。これらが整っていなければ再現性を持って社員を育成することができませんので、必ず用意しましょう。

 「先輩社員のやり方を見ながら覚えてください」とだけしか言わなかったために、せっかくコストを投じて確保した社員がなかなか仕事を覚えられなかったら、業務の停滞が起きる上に社員のやる気もなくなってしまいます。

 入社後の研修は、中途社員と新卒社員で分けることも考えられますし、中途社員が複数いる中で個人の能力によって内容を変えても問題ありません。研修に段階を用意しておくと、柔軟な対応がしやすいでしょう。もちろん、「どんな人が入社してきても同じように仕事を教える」という方針でもよいです。

 いずれにせよ、重要となるのが「戦力化」の定義をしておくことです。たとえば「1カ月で50万円を売り上げること」や、欠員募集による中途採用なら「前任者の業務を1人ですべてこなせるようになること」などです。そして、それを基に必要な研修をしていきます。

【次ページ】活躍できる中途社員を生む研修のカギは、内容というより「終わり方」

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