記事 人材育成・人材獲得 三谷幸喜が描く「清須会議」に学ぶ ポジションと人物のギャップの乗り越え方(前編) 2015/09/24 この世は「ポジションと人物のギャップ」の悩みに満ちている。ポジションが人物に求めるものとは、原則的には「知識と技能」すなわち能力であるが、それだけでなく、人望や人間関係を含む「非能力要件」を満たすことを人にも要求する。それらを両立する人材が必要十分に揃う組織とは稀であり、「経営戦略を実現するために、それに適した組織を構築し、人材を配置する」ということは不可能に近い。むしろ、ほとんどの組織は「今いる人材を前提に組織戦略を立案する」という本末転倒的な対処を強いられている。
記事 見える化・意思決定 羽生名人の言葉に学ぶマネジメント 勝ちつづけるための「他力」の極意 2015/09/08 マネジメントの機能である「意思決定をすること」は困難だ。それゆえにビジネスの現場においては、どれだけ万端の準備を整えても、事前に立てた計画の通りには運ばないというケースがほとんどだ。プロ将棋史上、最も成功したプレイヤーである羽生 善治名人が語る「他力」という言葉には、物事を思い通りにするための極意が隠されている。
記事 人材育成・人材獲得 現実を直視できない限りは、旧日本軍の失敗を乗り越えることはできない(後編) 2015/08/31 太平洋戦争の敗因を形成したのは、皮肉にも日清、日露戦争という成功体験を通じて培われた「白兵銃剣主義」「艦隊決戦主義」のコンセプトだった。しかしそれは知的に劣っていたから間違った意思決定がなされたというよりは、経済的に劣っていたからそれ以外に選択肢を持てなかったという悲しい現実があった。ここから我々が獲得すべき第一の教訓とは、「現実に目を向けよ」という自戒の重要性である。
記事 人材育成・人材獲得 現実を直視できない限りは、旧日本軍の失敗を乗り越えることはできない(前編) 2015/08/26 日々、日本中のSNSでつぶやかれている「同調圧力」「場当たり的な経営判断」「常態化した残業文化」「中間管理職が無責任」といったキーワード。時につぶやかれる「こんなことでは旧日本軍と変わらないのではないか」という言葉には不思議なリアリティがある。70年の時が経った現在、我々は過去の失敗から正しい学びを得て、その課題を乗り越えることができているのだろうか?
記事 見える化・意思決定 デキる営業もデキる発注者も「完全な要件定義」を求めない 2015/08/24 この世には「完全な要件定義」は存在しない。ゆえに、「発注・納品サイクルの確実さ」を求めるのならば、毎回毎回、完璧な要件定義をすることを目指すのではなく、発注者、納入者の互いの実績と経験の積み上げによる「阿吽の呼吸」を形成することの方が、現実的には有効なことが多い。その意味で、コンペ形式の取引とは本質的に避けようのない困難さを孕むものであり、そこには「完全にはなり得ない、要件定義と戦う力」が求められる。
記事 人材育成・人材獲得 ワンピースとハンターハンターを組織論の観点で比較する(後編) 2015/07/24 トップダウン教化型の儒家的組織と、自律分散したボトムアップ型の墨家的組織。組織における秩序形成のあり方は、そこに属するすべての「個人」の生き方に影響を及ぼす。少年ジャンプの人気連載漫画、HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)という作品のなかで提示されるのは「組織の目的」が共有される前提で、「個人の判断」は「組織の方針」よりも優先されるべきである、というプロフェッショナルの在り方である。そこでキーワードとなるのが、「任せる」という言葉の重みである。
記事 人材育成・人材獲得 ワンピースとハンターハンターを組織論の観点で比較する(前編) 2015/07/22 トップダウン型か、ボトムアップ型か――。組織における秩序形成は、そこに属するすべての個人の生き方に影響を及ぼすものだ。少年ジャンプの二大ヒット作品ONE PIECE(ワンピース)、HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)に登場する組織も、現実社会と同様にいずれかの組織に該当する。今回は、前述の作品における組織形成を、諸子百家時代の思想をもとに解説してみたい。
記事 見える化・意思決定 将棋のプロ棋士が対局後に感想を言い合う意味は? 先を読み、判断する力の身につけ方 2015/07/08 ビジネスの現場においては「判断と意思決定」が常に求められるものであるが、判断とは常に一回性のものなので、これの精度が高いのか低いのかということはなかなか評価が難しい。どうやってこの力を伸ばすのかということになると、さらに皆目検討もつかない。そこで今回は「先を読み、判断する」という思考が極めて明瞭に先鋭化する将棋というゲームの練習法に、この力を養うためのヒントを探ってみたい。
記事 デジタルマーケティング・マーケティングオートメーション・O2O 日本製のマーケティング・オートメーションツールこそが「世界で勝てる」理由 2015/07/08 2015年は「マーケティング・オートメーション(MA)元年」と言われる。スマホやソーシャルが普及し、企業の売上アップにつながるデジタルマーケティング活用が本格化。そのキラーツールと目されるのがMAだからだ。しかし、MAツールのほとんどは欧米製が席巻しており、日本流の「おもてなし」は見る影もない。こうした状況に一石を投じるべく奮闘するのが、トライベック・ストラテジーの後藤 洋 社長であり、純国産の同社製MAツール「ヒラメキ・マネジメント」だ。
記事 デジタルマーケティング・マーケティングオートメーション・O2O 東京スター銀行、マーケティングオートメーションで目指す「リレー型営業体制」 2015/07/07 東京スター銀行は、顧客をお金の悩みから解放する“ファイナンシャル・フリーダム”というコンセプトのもと、商品作りや店舗設計に取り組んでおり、5月6日には新システムも稼働した。その同社が現在、顧客理解を深めるために検討しているのが「リレー型営業体制」だ。これにより、マルチチャネルから得た情報を連携して、潜在ニーズも満たすソリューション提供が可能になるからだ。
記事 人材育成・人材獲得 営業目標が達成されないときには「打たれなくても鳴る」経営幹部が必要だ(後編) 2015/06/23 墨家は、世に安定をもたらす「兼愛」を実現するために、「非攻」を掲げたことでよく知られている。大国がその武力でもって小国を侵略しようとしたときに、独自の戦術と技術で城を守り抜き、私利私欲に基づいた野望を、文字通り実際に打ち砕いて回ったのである。墨家の平和思想は、実は極めて「インターネット的」なのだ。
記事 人材育成・人材獲得 営業目標が達成されないときには「打たれなくても鳴る」経営幹部が必要だ(前編) 2015/06/16 企業のトップは、本当に現場の実情が分かって経営計画を立てているのか? まともな計画が降りてきたことなど一度もなく、そもそも計画を実行するマネジメントがなっていないのではないか? そんな思いを、多くの組織人が抱きながら日々業務に向き合っている。実が、「墨家」の唱えた「兼愛」の言葉に、この課題を乗り越えるヒントが隠されている。
記事 人材育成・人材獲得 ドラゴンボールから読み解く、孫悟空的エキスパート人材を育成するための課題(後編) 2015/05/29 超人気漫画「ドラゴンボール」に登場する「孫悟空―孫悟飯―ピッコロ」の関係とは、ビジネスの世界に置きかえると「エキスパート―素質を見出された後輩―それをとなりで見守る他部署のリーダー」のようなものである。才能を見出される新人は、人並み外れた素養とスキルがあるために、任された業務分野において、表面上は適応する。しかし、最も肝心な「動機」が存在しないまま、第一世代に巻き込まれるようにして現場に身をおくということもままある話であり、それが致命的なアダになる場合がある。
記事 人材育成・人材獲得 ドラゴンボールから読み解く、孫悟空的エキスパート人材を育成するための課題(前編) 2015/05/27 鳥山明原作の「ドラゴンボール」は、累計発行部数は国内1億5700万部、全世界では3億5000万部以上を誇る超大ヒット漫画である。2015年7月には新作TVアニメの放映も決まるなど、連載終了から20年以上経った今でも人気が衰えることない同作品には、実は組織論のエッセンスが詰まっている。主人公である孫悟空と孫悟飯の間にある「親子関係」から、人材育成の普遍的な課題を考えてみたい。
記事 人材育成・人材獲得 トップダウン型かボトムアップ型か? 組織形成の方法論を中国の歴史に学ぶ(後編) 2015/04/30 かつて中国大陸を統一するために、儒家が主張した「徳治主義」は、徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきだ、という考え方である。一方で法家は、そんな手ぬるいことでは中国大陸の統一など成し遂げられないと考え、より過激な「法治主義」を採用した。この「徳治主義」と「法治主義」の対立は、よくよく現代の「ボトムアップとトップダウン論争」を連想させる。
記事 人材育成・人材獲得 トップダウン型かボトムアップ型か? 組織形成の方法論を中国の歴史に学ぶ(前編) 2015/04/28 組織や経営において使われる「ボトムアップ型」「トップダウン型」という言葉。これらはどちらにも良い面、悪い面があり、トレードオフの関係にある。組織の秩序形成のあり方に関するこの問題は古くから議論がなされており、諸子百家の時代における「儒家」と「法家」の対立に、その議論の萌芽が見られるのだ。インターネットもマスメディアも電話なかった時代だからこそ、現代におけるそれよりもより根源的な、秩序形成の思想、方法論がそこにある。
記事 見える化・意思決定 ビジネスにおける「勝てる形」が見えるか? 将棋用語に学ぶ「形勢を見極める力」とは 2015/03/20 将棋用語を借りると、物事における素人とは「勝てる形を知らない人」だ。言いかえれば、素人とは「ゲームの構造的に、負ける必然性のある手をつい指してしまう人」である。「勝てる形」を知らない人は、勝ちを相手に引き渡す手を次々と繰り出してしまい、気付けば勝利を自ら差し出してしまうのである。これは、人生における選択や、ビジネスにおける選択にも深く通じている。今回は、将棋用語から、選択という行為において、「いかに素人を脱皮するか」ということを探ってみたい。
記事 人材育成・人材獲得 スティーブ・ジョブズとナポレオン トップダウンのカリスマの共通点と違い(後編) 2015/02/17 アップル・コンピューター創業者スティーブ・ジョブズ氏とフランス皇帝ナポレオン・ボナパルト。両者はともに、トップダウンの組織を率いたリーダーであるが、その生涯を終えるまで輝きを放ち続けたジョブズ氏と悲しき最期を迎えたナポレオンには、共通する点とそうでない点がある。近代戦争における名将達の戦いで下されたさまざまな決断とその結果が記された名著「名将たちの決断」を紐解き、「カリスマ起業家の晩年における身の処し方」について考えてみたい。
記事 人材育成・人材獲得 スティーブ・ジョブズとナポレオン トップダウンのカリスマの共通点と違い(前編) 2015/02/13 自らが興した帝国に拒絶され、追い出され、それでもなお期待を集めてカムバックする。このエピソードに対して、現代であれば誰もが思いつくビジネス界の偉人は、アップルコンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズ氏だ。同氏は見事に会社を立て直したわけだが、その昔、ジョブズ氏と極めて似た人生を歩んだフランス皇帝、ナポレオン・ボナパルトは、戦いに敗れてとうとう失脚した。トップダウンの組織を率いた2人のカリスマには深い共通点があるが、その違いを生んだのは、一体どのような要因なのだろうか。
記事 人材育成・人材獲得 ベンチャー起業家はNo.1になるために「ONE PIECE的ムード」を作る(後編) 2015/01/29 ONE PIECEという漫画は、成功するために唯一にして最大に大切なものは「意思」である、という価値観に貫かれている。しかし、現実社会において「ONE PIECE的ムード」だけでNo.1になる企業は存在しない。マイクロソフトやアップルといったNo.1を勝ち取ってきた企業のように、ビル・ゲイツ氏やスティーブ・ジョブズ氏といった偉人が必要なのだ。今回は、量子力学や相対性理論、進化論など、物理学や生物学の分野で起こったパラダイムシフトを受けて生まれた名著「歴史とは何か」から、偉人の条件を紐解いてみたい。
記事 新規事業 ベンチャー起業家はNo.1になるために「ONE PIECE的ムード」を作る(前編) 2015/01/27 仲間を募り、テクノロジーと情熱でその世界でのNo.1を目指す、という行動様式は、ベンチャー企業あるいはスタートアップと呼ばれる界隈の若手起業家たちにとって当たり前になりつつある。彼らのなかには、新規事業を成功させる過程を冒険行為になぞらえ、人気冒険漫画「ONE PIECE」を組織作りの参考にしている者もいる。起業家たちはなぜONE PIECEに共感し、どのような成功へのヒントを得ようとしているのだろうか。
記事 人材育成・人材獲得 「社会の総プロジェクト化」が進む現代においてルーチンワークは消滅したのか(後編) 2014/12/10 現代社会においては、だれでもできる「ルーチンワーク」は消滅し、あらゆる仕事において未知の局面が満ち溢れている――。人が何かを選択するとき、過去の事例を参考にするものだが、いざ自分自身の事業運営のことになると、驚くべきほどに目が曇ってしまい、頓珍漢な判断を下してしまうのが世の常である。いかに歴史から、事例から学ぶのかの「思考の方法」をE.H.カーに学ぶ。
記事 人材育成・人材獲得 「社会の総プロジェクト化」が進む現代においてルーチンワークは消滅したのか(前編) 2014/12/08 新たなものを作り上げる、前例のない仕事は「ルーチンワーク」と対比して「プロジェクト」と呼ばれる。しかし現代においては、社会そのものが激しい変化にさらされており、「社会がプロジェクト化しつつある」とも言えるような状況を呈している。いかに社会が変化しても、その変化の仕方には万古不易の法則がある、とは歴史家の主張であるが、確かにその名著は私たちに大切なことを示唆しているように思える。
記事 人材育成・人材獲得 「働きマン」の休載は、女性の活躍が簡単ではないということを示唆している(後編) 2014/11/18 漫画「働きマン」で問題提起されているのは、女性と社会進出でも男性社会との闘争でもなく、「働くとは一体なんなのか」という、男も女も関係ない当たり前の問いである。物語のなかばで「働きマン」が中途半端な形で休載を迎えたという事実は、現代社会で起こっている混乱の複雑さを物語っており、第2次安倍改造内閣発足時に安倍 晋三首相自身が言い放った「女子力開花内閣」という言葉の響きは、なんとも虚しく、現実味がないものに感じられる。
記事 人材育成・人材獲得 「働きマン」の休載は、女性の活躍が簡単ではないということを示唆している(前編) 2014/11/13 第2次安倍改造内閣発足時に安倍 晋三首相自身が言い放った「女子力開花内閣」というキャッチコピー。ときの内閣総理大臣が女性の活躍を掲げたことを歓迎する意見がある一方で、そう額面通りには受け取れないという見方もあり、賛否両論入り乱れるなかで、政治資金に関する追求がさらに事をややこしくしている。今日の混乱を考えるとき、働く女性のあり方をテーマとした漫画「働きマン」を思い出す。およそ10年前に一世風靡したこの作品は、我々の社会にいまなお鋭い問いを投げかけている。
記事 人材育成・人材獲得 理屈をこねる人間はたくさんいるが、実行できる人間はなかなかいない 2014/11/12 トヨタ式に関する本は山ほど出ている。それだけにトヨタ式についてよく知る人は多いが、ではトヨタ式をトヨタほどに実行できる企業がどれほどあるかというとその数は案外少ないのではないだろうか。知ることと実行することの間には大きな壁がある。トヨタ式を導入して効果を上げるためには、何よりも「まずやってみる」という姿勢を持ち続けることが大切なのだ。トヨタの元会長の奥田碩氏も「理屈をこねる人間はたくさんいますが、実行できる人間はなかなかいません」と語っている。
記事 人材育成・人材獲得 上司が部下を「詰める」という日本特有の文化は、本当に生産性を上げるのか?(後編) 2014/10/24 現場で起きる事象は多様性に満ちていて、「想定外のことに直面しないほうが珍しい」といってもいいぐらいである。すなわち、ビジネスの現場とはすなわち「混沌」であり、そのなかで戦略を実現するために、「上下関係」という「秩序」がある。昨今、欧米式の組織体系と日本式の組織文化の衝突、融合が進んでいる。俗に「詰める」と呼称される新たなマネジメント文化は、この構造変化において発せられるマネージャーの「悲鳴」のようにも思われる。
記事 リーダーシップ 上司が部下を「詰める」という日本特有の文化は、本当に生産性を上げるのか?(前編) 2014/10/21 現代風のパワー・マネジメントともいえる、上司が部下を「詰める」という企業文化。無用の緊張を強いて表面的な上下関係の所在だけを明らかにするようなこのコミュニケーションは、一体どのようにして生まれ、この社会に根付いたのだろうか。昨今、社会問題となりつつあるブラック企業と安易に同一視することのできない「詰める」企業文化は、果たして企業の生産性向上に寄与するのだろうか。
記事 見える化・意思決定 なぜトヨタは売上規模数十倍だったGMとの「差額」を集計したのか 2014/10/03 前回、さまざまな「見える化」について紹介したが、今回は目標達成に必要なトップとの“差額”を見えるようにすることの大切さについて触れてみたい。「目指せ日本一」「目指せ世界一」という目標を掲げる企業は少なくないはずだが、では自社とトップとの「差額」をどこまでみんなに見えるようにしているかというと案外少ないのではないだろうか。トヨタの原点、それは世界ナンバーワン企業GMとの差額を知ることから始まっている。
記事 見える化・意思決定 「見える化」が「見せる化」になっていないか?トヨタ式が理解できる5つの活用例 2014/09/17 トヨタ式を代表する仕組みの一つに「見える化」がある。トヨタの生産現場から生まれた言葉で、異常があればラインを止めるといった、問題の所在を「みんなに見える」ようにする取り組みのことを指している。そして今、見える化は生産現場を離れていろいろな企業で積極的に取り入れられているが、なかには見える化の目的とかけ離れた「見せる化」も少なくないようだ。