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- 2018/10/16 掲載
Windows 10の機能更新サイクル、やはり早すぎた? 「2年ごと」へ緩和可能に
連載:山市良のマイクロソフトEYE
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

Windows 10の半期チャネル(SAC)について再確認
Windows 10は当初、一般向けに「Current Branch(CB)」としてリリースされ、4カ月後に企業向けに「Current Branch for Business(CBB)」としてリリースされる、というサービスモデルで提供が始まりました。その後、これらは「半期チャネル(Semi-Annual Channel:SAC)」に統一され、Windows 10にこの名称が反映されたのはWindows 10バージョン1709からです。WindowsのUIやポリシーとしては、Windows Update for Business(WUfB)のポリシーのCBとCBBがそれぞれ、「Semi-Annual Channel(Targeted)/半期チャネル(ターゲット指定)」(バージョン1803の日本語表現は「半期チャネル(対象指定)」、SAC-Tと表現されることがあります)と「Semi-Annual Channel/半期チャネル」の更新チャネルの選択肢に置き換えられ、実際、Windows UpdateやWSUSによる配布のタイミングも従来から変更されなかったことから、半期チャネルに一本化されたのではなく、単なる名称変更ととらえた人が多数だったようです。
SACーTとSACの区別は、WUfBポリシーを使用して遅延制御するための対象化のオプション(パイロット展開用と全社展開用)という位置付けです。Windows 10バージョン1803からは、完全に新たなサービスモデルに移行しようとしていました。
たとえば、Windows 10バージョン1709までは、WSUSへの機能更新プログラムの同期はWUfBポリシーでの「半期チャネル」向けのリリースと同時でしたが、Windows 10バージョン1803からは一般向けのリリースと同時でした。
しかし、これが少なからず混乱を招いてしまい、次のようなアナウンスを発表するに至りました。
参考リンク:
Windows 10のサービスオプションとSAC-Tの終了について
2018年10月2日(米国時間)には、最新のWindows 10 October 2018 Update(バージョン1809)がリリースされましたが、WSUS向けにも一般向けリリースと同時にWindows 10バージョン1809の機能更新プログラムが提供されました(注1)。WSUSやSystem Center Configuration Manager(配布ポイントはWSUS)を利用している企業は、SACやSAC-Tに縛られることなく(関係なく)、これらの機能で対象を限定してすぐにパイロット展開を開始でき、検証を終えたら全社展開に進むことができます(図1)。
EnterpriseおよびEducationエディション向けの特例措置の延長と固定化
Windows 10の半期チャネルの各機能更新バージョンには、原則として18カ月(1年半)の期間、品質更新プログラムの提供がサービスされます。Windows 10の導入をこれから始める、あるいはようやく進める企業にとって、Windows 7やWindows 8.1の最短でも10年サポート(メインストリーム5年+延長サポート5年)という長期にわたる品質更新サポートと比べると、あまりにも更新サイクルが短すぎます。そこで、Windows 10バージョン1511、1607、1703、1709では、Windows 10 EnterpriseおよびEducationエディションを限定として、品質更新プログラムの提供を6カ月間延長するという特例措置が行われました(Windows 10バージョン1511は既に延長期限が過ぎました)。
【次ページ】 半年の検証期間+2年ごとの更新サイクルでの運用が可能
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