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  • 2025/07/18 掲載

三菱UFJとみずほで起きた「貸金庫窃盗事件」、「現金不可」以外の大幅改正点とは?

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2024年に三菱UFJとみずほで相次いで発覚した貸金庫からの現金窃盗事件を受け、全国銀行協会(全銀協)が6月に規定を大幅改正、現金保管を明確に禁止する方向へと舵を切りました。しかし金融庁の改正監督指針を詳しく見ると、単なる「現金不可」だけでは不十分で、複数人チェックや予備鍵の一括管理、防犯カメラ設置まで求められる内容になっています。各行は全銀協のひな型をコピペするだけでなく、抜本的な管理体制見直しが迫られています。今後どのような対応が求められることになるのか、大手銀行の準備状況を含めまとめて解説します。
執筆:小達 紀治   編集:ジャーナリスト 川辺 和将

ジャーナリスト 川辺 和将

元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」

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貸金庫管理はどうなる?
(Photo/Shutterstock.com)

きっかけとなった大手行の事案を詳説

 今回の改正のきっかけになったのは、2024年に大手銀行で相次いで発覚した窃盗事案です。

 三菱UFJ銀行の事案では、同行の江古田支店、練馬支店、玉川支店でそれぞれ営業課長や支店長代理を務めていた40代の行員(当時)が、支店で保管している予備鍵を利用して顧客の貸金庫から現金を窃取しました。

 その後の調べで、予備鍵をしまっていた封筒に戻した後に再度のりづけしたり、予想していないタイミングで顧客が来店した際にはわざと貸金庫の電源を切って故障を装ったりといった方法で発覚を免れようとしていたことが判明しています。

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三菱UFJ銀行で起きた事案の概要

 盗んだ金が主にFX投資に回されていたことも明らかになり、2025年1月に逮捕されました。

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実際の事案で用いられた手法と被害規模

 また、みずほ銀行でも、2016年から19年にかけ、広尾支店の渉外課の30代行員(当時)が、同様に予備鍵で貸金庫の現金を窃取していたことが発覚。元行員は同年に懲戒解雇処分となっていました。 【次ページ】全国銀行協会が改正した規定とは?
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