6G(第6世代移動通信システム:6th Generation Mobile Communication System)は、現在普及が進んでいる5Gの性能をさらに進化させた次世代の移動通信システムであり、6Gの実用化に向けて次世代の光技術の更なる発展が期待されます。6Gや新たな光技術は医療、金融、教育、交通、エネルギーなど2030年代の社会生活のあらゆる分野に恩恵をもたらします。豊かな社会の実現に向けて、技術研究と社会実装の橋渡しが今問われています。
先端技術の第一線で活躍する研究者やビジネスの新しいトレンドを切り開いてきた有識者を迎え、NICT「革新的情報通信技術Beyond5G(6G)基金事業」の成果を含め、6G時代における光技術の可能性と、先端技術が創り出す社会をどのようにデザインするか、起業視点も含めて、熱く議論します。

プログラム

14:00 - 15:00

パネルディスカッション

最先端光技術が拓く6G時代の新市場
~社会実装・起業について考える~

講演内容:

6G時代、提供価値として、情報の記録・処理・伝送の「高速化・大容量化」「低遅延・高信頼化」「多端末化」などの課題が解決すると言われていますが、それが社会のどんな”顧客価値につながるのか”が最も重要となります。また、その実現のためには、同時に直接無線通信ではない部分の潜在課題解決も必要不可欠です。そこに最先端光技術の貢献が期待されています。
クラウドやエッジのデータセンターの中の伝送と遅延と消費電力を減らす技術(慶應大 小池先生)、ミリ・テラの基地局内信号処理を安価にする技術(大阪大 小西先生)はその典型例と考えられます。しかし、それぞれの価値、すなわち「技術の価値」「事業にとっての価値」「顧客にとっての価値」それが使われた時代の「社会にとっての価値」は、まだ簡単に理解を得られるような段階ではありません。今、何に取り組むことが、どんな風に取り組むことが、そのために役立つのか、一緒に考えてみませんか?

氏名

[モデレータ]

東京大学

大学院工学系研究科 教授

森川 博之

プロフィール:

1987年東京大学工学部卒業。2006年東京大学大学院教授。モノのインターネット、DX、無線通信システム、クラウドロボティクス、情報社会デザインなどの研究に従事。電子情報通信学会論文賞(3回)、情報処理学会論文賞、ドコモモバイルサイエンス賞、総務大臣表彰、大川出版賞など受賞。総務省情報通信審議会情報通信政策部会部会長/電気通信事業政策部会部会長、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)会長、Beyond 5G新経営戦略センター長、ブロードバンドワイヤレスフォーラム会長、シブヤ・スマートシティ推進機構会長、電力データ管理協会代表理事、情報社会デザイン協会代表理事、電子情報通信学会会長など。経済協力開発機構(OECD)デジタル経済政策委員会(CDEP)副議長などを歴任。著書に「データ・ドリブン・エコノミー(ダイヤモンド社)」「5G(岩波新書)」など。

氏名

[パネリスト]

慶應義塾大学教授

Distinguished Professor 慶應フォトニクス・
リサーチ・インスティテュート(KPRI) 所長

小池 康博

プロフィール:

屈折率分布型プラスチック光ファイバー(GI POF) の発明者として国際的に知られている。また、光散乱導光ポリマー (HSOT)、ゼロ複屈折ポリマー、超複屈折ポリマー等の発明技術は、既存の液晶テレビやノートパソコンに広く採用されている。主な研究プロジェクトとして、 科学技術振興機構 ERATO 小池フォトニクスポリマープロジェクト、内閣府 最先端研究開 発支援(FIRST)プログラム等で数々の成果をあげ、その成果を基に更なる社会実装への展 開へ向け活動している。現在、 総務省 NICT Beyond 5G 研究開発促進事業「エラーフリー POF による革新的通信システムの開発」課題を代表研究責任者として推進中。

氏名

[パネリスト]

大阪大学

工学研究科 物理学専攻 准教授

小西 毅

プロフィール:

1996年、大阪大学大学院工学研究科に採用。光の物理現象を活かした様々なサブシステムの提案を通して、ICT技術における課題のソリューションの追求を目指した研究に携わる。特に、サイバー・フィジカル空間のインターフェースそのものであるアナログとデジタルの信号変換をその研究の中心に据えている。2002年より現職、2008年フランス・Institut d'Optique 招聘兼職、現在に至る。

氏名

[パネリスト]

SOMPO Light Vortex株式会社

デジタル・データ戦略部 シニアビジネスクリエイター(兼 株式会社incri 執行役員)

佐久間 萌里佳

プロフィール:

生命科学修士を取得後、新卒で千葉銀行へ入行。主に海外金融規制への対応やデジタル戦略の策定業務に従事。現職に転じ、デジタルヘルスケアサービスの新規事業開発に注力しつつ、コレクティブインパクト・リーダーとして研究の社会実装にも奮闘中。

氏名

[パネリスト]

元ソニー株式会社

執行役員

島田 啓一郎

プロフィール:

ソニーでビデオカメラやノートパソコンの開発と事業を担当したのち、技術開発本部長、研究開発担当業務執行役員などを経て、現在は内閣府などの各省庁や業界団体の会合構成員として産官学協業の研究開発プロジェクトや人材開発の支援や評価を担当。

氏名

[パネリスト]

元エリクソン・ジャパン株式会社

CTO

藤岡 雅宣

プロフィール:

KDD(現KDDI)でネットワーク関連の研究開発に携わった後、エリクソン・ジャパンCTOとしてモバイル通信技術統括、社外向け活動を推進。その後モバイル通信関連コンサル、Beyond 5G関連研究の社会実装支援、新規ビジネス展開などを推進。著書:「続・5G教科書」「いちばんやさしい5Gの教本」など

  • ※講演内容・プログラムは都合により一部変更させていただくことがございます。予めご了承ください。

セミナー概要

名称

Webセミナー

最先端光技術が拓く6G時代の新市場
~社会実装・起業について考える~

最先端光技術の研究者と、情報通信技術・ビジネス界の有識者(Beyond5G社会実装支援プロジェクトメンバー)によるパネルディスカッション

日時

2024年3月13日(水)14:00 - 15:00

会場

オンライン

受講料

無料(事前登録制)

主催

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)

共催

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

メディア協力