特別パネル:今企業が考えるべき AIリスクとAIガバナンス
講演内容
生成AIの急速な普及により、企業活動における利活用が進む一方で、AIによるハルシネーション・誤情報生成、第三者の知的財産権を侵害するリスク、さらには情報漏洩のリスクなど、「AIリスク」への対応が喫緊の課題となっています。これらのリスクを適切に管理し、企業の持続的な競争力を確保するためには、「AIガバナンス」の整備と「AIアライメント(人間中心の価値との整合性)」の確保が不可欠です。企業におけるAI導入が加速する中、責任あるAI運用体制の構築や、著作権侵害・情報漏洩リスクへの対処方針が注目されています。本パネルでは、最新の法規制動向やリスクマネジメントの実践事例を交えながら、企業に求められるAIガバナンスのあり方を多角的に議論いたします。
登壇者
Profile
1962(昭和37)年、東京生れ。脳科学者/理学博士。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、同大大学院物理学専攻課程を修了。理化学研究所、英ケンブリッジ大学を経て現職。クオリア(意識のなかで立ち上がる、数量化できない微妙な質感)をキーワードとして、脳と心の関係を探求し続けている。主な著書に『脳と仮想』(小林秀雄賞受賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫賞受賞)、『ひらめき脳』、『「脳」整理法』、『生きがい』など。
京都大学大学院法学研究科
特任教授・弁護士スマートガバナンス株式会社 代表取締役 CEO
羽深 宏樹 氏
Profile
AI・データ社会における法律や企業ガバナンス、社会統治を専門とする。東京大学法学部・法科大学院、スタンフォード大学ロースクール卒(フルブライト奨学生)。森・濱田松本法律事務所、金融庁、経済産業省等を経て現職。経済産業省在籍中に、同省が公表したアジャイル・ガバナンスに関する報告書の執筆を主担当した。2020年、世界経済フォーラムによって「公共部門を変革する世界で最も影響力のある50人」に選出。主著に『AIガバナンス入門 リスクマネジメントから社会設計まで』(ハヤカワ新書)。一般社団法人AIガバナンス協会代表理事、東京大学客員准教授、CSIS(戦略国際問題研究所)ノンレジテントフェロー、世界経済フォーラムGlobal Future Council on GovTech and Digital Public Infrastructureメンバー、理化学研究所AIガバナンス委員、産業技術総合研究所AI標準化委員、及びこども家庭庁 こども・子育て分野における生成AI利用等に係る調査研究における有識者検討委員会座長等も務める。
一般社団法人 AIガバナンス協会 代表理事
東京海上ホールディングス株式会社
専務執行役員 グループデジタル戦略総括
生田目 雅史 氏
Profile
1988年日本長期信用銀行入行。その後KPMG Peat Marwick LLP、金融監督庁非常勤職員、ドイツ証券、モルガンスタンレー証券、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、ブラックロック・ジャパン取締役を経て2018年から東京海上ホールディングス。21年に常務執行役員グループCDO、24年専務執行役員。AIガバナンス協会代表理事。