データで変わるものづくり~滋賀大学と製造業が共に挑む未来~
講演内容
デジタル技術の進展により、製造業はこれまでにない変革の局面を迎えています。生産現場から生み出される多様なデータは、品質向上、生産性改善、設備保全、新たなビジネス価値の創出など、多くの可能性を秘めています。これらのデータの価値を引き出すためには、AI・機械学習による解析だけでなく、数理統計をはじめとするデータサイエンスのアプローチを組み合わせることが重要です。両者を適材適所で活用することで、現場課題に対してより実践的で信頼性の高い解決策が生まれます。
本講演では、データサイエンスとAIイノベーション研究の先進拠点である滋賀大学が、製造業と連携して進めている産学連携の取り組みを紹介します。統計的手法による品質改善や要因分析、機械学習を活用した予測モデルの構築など、データ分析技術を製造現場に適用した事例を交えて解説します。また、大学と企業の共創プロジェクトから見えてきた、データ活用を成功させるためのポイントについても触れます。
さらに、スマートものづくりやデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展する中で、データの力を活かしていかに価値創造を実現していくのか、大学と企業が協働することで生まれる新たな展望についても紹介します。
本講演は、データ活用をこれから強化したい企業の方から、すでにAI導入や統計分析に取り組む方まで、幅広い関係者の皆さまに、データサイエンス全体を俯瞰した実践的なヒントと今後の方向性を提供します。
登壇者
滋賀大学
データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター
センター長/教授
深谷 良治 氏
Profile
1989年、日本電信電話公社(現NTT)に入社。社費派遣により米国スタンフォード大学工学部で修士号を取得。その後、NTTインターナショナル株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTデータにて、システムエンジニアリング、新規サービス開発、プロジェクトマネジメント、クロスボーダーM&A、海外拠点責任者など幅広い業務を歴任。特に、NTT Data Asia PacificではPresident & CEOとしてグローバル規模のデジタル変革プロジェクトを主導し、国際的なマネジメント経験を培う。
2022年より滋賀大学にて、産官学連携による社会課題解決型データサイエンス研究を推進。2024年より現職。国際的な経験を基盤に、次世代のデータ駆動型社会の実現に尽力している。東京大学経済学部(竹内ゼミ)卒業。