スマートフォンに潜むセキュリティリスク ~無線LANからの情報漏えいをいかに防ぐか
マンインザミドル、アクセスポイントのなりすまし…
スマートフォンはPCと同レベルの脅威にさらされている
ところがスマートフォンが普及し、PC並みの処理能力、表現能力を得たことで、より高度な攻撃が可能になっている。PC向けのメールやWebサイトをスマートフォンから利用するユーザーも多く、こうした攻撃がもたらすリスクは深刻だ。
PCであれば、高機能なブラウザがフィッシング詐欺サイトであることを警告したり、セキュリティソフトがURLの偽装を指摘するのは今では当たり前になっている。しかし同じサイトにスマートフォンからアクセスした場合、フィッシング詐欺サイトであることを警告してくれるような高度なセキュリティ対策を施した端末がどれだけ普及しているだろうか。真偽の判別は、ユーザー自身に依存しているのが実情だ。
拡大する無線LANの利活用にセキュリティの懸念も
処理能力だけではなく、通信経路の変化もセキュリティ環境に影響を与えている。かつてモバイル通信といえば、各キャリアが提供する3G通信網を利用するのが一般的だった。無線LANを使うのはごく一部のモバイルユーザーのみであり、無線LANスポットも限られた場所にしか存在しなかった。しかし昨今、その状況は大きく変化してきている。スマートフォンが普及し、各通信キャリアは3G通信網からのトラフィックオフロードを推進したり、ホテルや空港、レストランなどでも無線LANスポットを提供するなど無線LANを活用しやすい環境が整備され始めている。実際、2012年10月に公開されたICT総研の調査では、公衆無線LANのユーザーは年間400万人を超えるペースで拡大しているという。こうしたことを背景に、懸念を増しているのが「無線LANのセキュリティ」だ。物理的な制限がないため、有線LANに比べて通信経路上に第三者が介在しやすいというのが1つのリスクになっている。認証や暗号化が施されず開放された無線LANスポットでは、特に注意が必要といえる。
見落としがちな無線LANのセキュリティリスク
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