グランドデザイン次第! 柔軟かつ負担を抑えた仮想環境
仮想化が一気に進んだ反面、新たに見えてきた企業システムの課題
サーバーの仮想化・クラウド化はもはや珍しい事例ではない。コスト削減や耐障害性の向上、ビジネスの柔軟性とスピードアップといったメリットを考え、既に導入している企業や導入検討している企業も多いだろう。しかし、仮想化が進んだ現在だからこそ、見えてきた課題もある。まずシステム面では、インフラを拡張する際に、ブレードサーバーのシャーシが増えるにつれて、シャーシごとに必要な専用管理モジュールを追加購入しなければならないということだ。またサーバー関連だけでなく、インターフェイス周りの上限から、本来は必要がないと思われるネットワーク(LAN)やSNAのスイッチなども併せて追加する必要があり、結果的にコストがかさむという課題も挙げられる。
来年で創立30年をむかえる老舗インテグレーターのエス・アンド・アイ 営業本部 第一事業部事業部長 長谷川 道明氏は、次のように指摘する。
「最近では、SANスイッチのポート単価を重視するお客様も多いです。シャーシが多くなるとファイバーケーブル類も煩雑になります。サーバーだけでなく、ネットワークの足回りも含めて、いかにシステムを集約化し、シンプルにしてコストを抑えるかという課題も抱えています」(長谷川氏)
もちろんシステム拡張時には、ファームウェアのアップデートも必要だ。ファームウェアが更新できない場合には、メーカーに例外サポートを承認してもらわなければならず、意外と手間もかかる。将来を見越した拡張性の高いハードウェアの選定と、サービス基盤として安定稼働が可能な仮想環境の構築が欠かせないものになっている。
また同社の営業本部 ソリューション第三事業部 アシスタントマネージャー 安斉 和裕氏は、運用時の新たな課題についても説明する。
「ここ数年で仮想化が一気に進んだ反面、運用時の課題がクローズアップされてきました。リソースを提供する物理サーバー側のスペックが向上し、1つのサーバーに搭載される仮想サーバーの数も多くなりましたが、逆にシステム単体が複雑になり、運用管理面の難易度がとても上がっているのです。そこで、私たちは運用管理負担を軽減するためのお客様支援に力をいれています」(安斉氏)
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