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2016年12月20日

ITR 浅利浩一氏が解説、売上アップに直接貢献できるERP構築術とは

企業は今、デジタルイノベーションによって、新事業領域への進出や、既存顧客価値の最大化を図っている。こうした新領域への投資を行うためには、従来からある定常費用を削減し、その余剰予算を確保することが急務となる。アイ・ティ・アール(以下、ITR)のリサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリスト 浅利浩一氏が、限られた予算のなかで、売上に直接貢献できる新たなモダンERP構築の方法について解説した。

新規ITの投資比率が全体の9分の1という現実をどうとらえるか

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アイ・ティ・アール
リサーチ統括ディレクター/プリンシパル・アナリスト 
浅利 浩一 氏

 企業ITを取り巻く現状と直近の予測はどうなっているのか。ITRの調査(有効回答:2400件)によれば、ITの投資動向は2015年度に1.51となり、前年度を上回った。ただし2016年度の予想は1.42で低下する見込みだ。リミニストリート春の特別セミナーに登壇した浅利氏は、今年がキーポイントになると指摘する。

「増額の企業数の割合だけをみると、リーマンショック以来の低さですが、一方で投資を減らす企業数も過去最低になっています。いまは企業も状況を見て待機している状態で、今年がビジネスの転換点となるでしょう」(浅利氏)

 新規投資と定常投資を見ても、その傾向がうかがわれる。2015年度は、新規IT投資比率は30.7%と過去最低水準。この3割の投資のなかで、イノベーティブな分野に予算を回している割合を調べると新規ビジネスの創出や既存ビジネスの拡張を目的とするビジネス成長分野で約3分の1。つまり全体の投資のうち9分の1のみが、ビジネスを発展させるために使われているという状況だ。

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ITRによる調査結果。新規IT投資比率は減り続けており、2015年度は30.7%と過去最低水準になった。ビジネスを発展させるイノベーティブな分野に予算を回している割合は、全体投資のうち9分の1に過ぎない


 このような状況で、まず何をIT戦略上の優先的なテーマに考えるべきだろうか。企業が重要視するテーマを上位から挙げると「売上増大への直接的な貢献」「業務コスト削減」「顧客サービスの質的な向上」だ。上位は2015年度から変わらないが、10位内では順位が変動しているものもある。たとえば「既存システムの統合性強化」「プライバシーや機密情報の保護」「サイバー攻撃への対策強化」などはランクアップした。

「いずれにせよ、IT戦略上のテーマは、企業の利益につながる方向に向かうでしょう。その際には、企業システムを単に構築するだけではいけません。もっと経営に同期する形で、ERPもグローバル戦略やベストプラクティスに則したものにすべきです。目に見える形でビジネスに直接貢献を果たすことができるITを活用したビジネス提案が期待されています」(浅利氏)

 テクノロジーを活用し、売上に貢献しながら、企業の基幹を支えるERPへの見直しが求められているわけだ。有効回答700社にのぼるITRのアンケート結果では、会計・人事給与・販売・生産管理というERPの主要4業務の製品をみると、すでに全体で74%が何らかの形で導入されている。10年以上前に導入したという企業も多いという。

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