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  • 2014/10/16 掲載
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ユーザー企業がシステムを導入・移行する際、クラウドの利用を第一に検討する“クラウドファースト”が定着しつつある。2015年7月に迎えるWindows Server 2003の移行先としても、クラウドは有力な選択肢だ。こうしたビジネス環境の中でISVは、いかにしてパッケージのクラウド対応、SaaS化を実現し、ユーザーのニーズに応えていけばよいのだろうか。

クラウドファースト時代にISVが進むべき道

 今、企業システムを導入・移行する際にクラウドの利用を第一に検討する“クラウドファースト”を実践する企業が急増している。各種調査結果でも、企業のIT投資がクラウドに集中する傾向が明らかになっており、企業システムがクラウドで稼働することはもはや当たり前になった。

 クラウドファーストが定着した背景の1つには、さまざまな業種業態の企業システムにおいてクラウドの導入事例が増えたことがある。基幹業務システムやグローバルに展開するシステムでもクラウドが積極的に採用され、企業の間でクラウドに対する信頼感が一気に高まった。こうした企業の期待に応えるべく、クラウドベンダーもサービスの高機能化、高品質化、低価格化を進め、クラウドはより安く安定して稼働するという相乗効果をもたらしている。

 一方でオンプレミスは、徐々に減少傾向にある。将来的にオンプレミスは、ミッションクリティカル性が特に高いシステム、外部への持ち出しが禁止された機密情報を取り扱うシステム、産業用機器といった特殊なデバイスを利用するシステムなど、限定的な利用になることが予想される。

 こうしたクラウドファーストの時代、2015年7月に迫ったWindows Server 2003のサポート終了に伴う移行先としても、クラウドが注目されている。サーバー ハードウェアからアプリケーションまで一式を買い替えるのなら、初期投資が安価で運用コストも低いクラウドに移行してしまおうというのだ。

クラウドファースト時代には、クラウドを通じて差別化や
価格優位性を生み出すことがビジネス成功の鍵となる


 しかし、そこには企業を悩ます課題もある。利用中のアプリケーション パッケージがクラウドに対応しているか否かという課題だ。パッケージがクラウド対応ならば、企業はそのまま安心して使い続けることができる。だがもし、パッケージがクラウド対応でない場合、企業はどうするか。中にはクラウドを諦める企業もあるかもしれないが、大半の企業はクラウドに対応した類似のパッケージ、あるいはSaaSへのリプレースを検討するだろう。

 こうした企業の選択は、パッケージを提供するISVにとって危機的状況だ。顧客を逃さないためにも、何としても早急にパッケージのクラウド対応に取り組まなければならない。

クラウド対応のゴールはSaaSだけにあらず

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