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2016年10月28日
 対談:なぜ情報共有基盤の移行で「日本人の強み」がアダとなるのか

Google AppsやOffice 365などSaaS型グループウェアへの移行は、スマートデバイスの普及や国内データセンターの整備などによって急速に増えた。しかし、導入企業の多くはメールやスケジュール管理などの部分利用にとどまり、本当の意味での情報共有基盤はNotesなど従来のままという声も聞こえてくる。今後10年先を見据えた情報共有のあるべき姿とは何か。情報共有基盤の市場動向に詳しい富士キメラ総研の 河村裕紀 氏と、アシックスをはじめ数々の大手企業のNotes移行に携わってきたドリーム・アーツの栗木楽 氏に語ってもらった。

グループウェアをSaaSに移行しても情報共有が進まない理由とは

──まずは、情報共有基盤製品の市場動向、ユーザーの利用状況などをお聞かせください。

河村氏:2010年前後から、情報共有基盤としてGoogle AppsやOffice 365を導入する企業が増えてきました。ただ最近、導入した企業から「使われている機能がメールとスケジューラにとどまっており、本当に基盤として活用できているのか?」と疑問視する声も聞こえてきます。

 企業の多くは、社内にあるデータ利用の活発化を目指しています。しかし、こうしたデータはNotesをはじめとした旧来の業務アプリケーション内にとどまっており、しかもその移行は依然として困難な状況にあります。結局、業務アプリ内のデータは棚上げして、とりあえずメールやスケジューラだけをGoogle AppsやOffice 365に移行した企業が少なくないのです。

栗木氏:Notesには、主にグループウェアとしての機能と、業務アプリ開発基盤としての2つの側面があります。メールやスケジューラなど、つねに流れているフロー情報を扱うグループウェア機能は、比較的他のツールに移しやすいです。

 一方、Notesで開発された業務アプリのデータは移行が極めて困難です。これらのアプリは個別の業務に密接に溶け込み、それが5年、10年にわたって標準の業務プロセスとして使われ続けているからです。

 例えば弊社が移行を支援した大手総合スポーツ用品メーカーさまの場合、業務アプリとして使われてきたNotesのデータベースは約7000個もありました。現場のニーズを取り込んだ結果、業務ごとに過剰に「個別かつ瞬間最適」されたアプリが無数に作られました。その結果、IT部門がその存在や利用状況を把握しきれないほどの無数のデータベースが散在し、移行を困難にしていたのです。これは現在、Notesを使い続けている企業の多くに当てはまる課題です。

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Notes移行が難しい理由


グローバル企業にとって、Notes問題は標準化の足かせとなる

──大手総合スポーツ用品メーカーがNotesから移行した経緯について、もう少し教えていただけますか。

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