サイバーエージェント事例、コロナ禍でも伸び続けるためのストレージ刷新
急速に拡大する事業、その裏側で起きていたストレージ問題
CyberHuman Productionsは、2017年に設立されたサイバーエージェントの100%子会社である。もともとは広告用の3DCG制作がメインの事業だったが、コロナ禍の影響を受けて、直近の1~2年で新しい事業が急速に立ち上がってきたと、同社 開発エンジニア 山塚 博翔氏は次のように説明する。「現在、弊社の事業は4つあります。1つは設立時からの3DCG制作、2つ目が各種イベントを仮想空間で実施するバーチャルライブ、3つ目がスポーツDXです。これは、スタジアムでの観戦が難しくなったサッカーなどのスポーツの観戦体験をデジタルで変革する事業です。そして4つ目がデジタル技術で仮想的な人間『デジタルヒューマン』を作って広告等で活用するデジタルツイン事業です」(山塚氏)
「以前のストレージは、グループの別部門で使用していたWebサービス向けのサーバ筐体を、3DCG用のストレージサーバとして転用したものでした。さらに、3DCG制作のクリエイターが増えるにしたがって、容量不足とパフォーマンスの低下が顕著になっていたのです」(山塚氏)
当時、使っていたのは汎用的なx86サーバ4台と、それに搭載した合計約100TBのストレージだった。3DCG制作ではサイズの大きいファイルを大量に利用する。このため、クリエイターの増加とともにストレージ容量が急速に減っていき、かつ同時にアクセスするユーザーが増えたことで、パフォーマンスが大きく低下する事態が多発。社内クリエイターからの苦情や問い合わせが相次いだ。
2020年夏、山塚氏はサイバーエージェント本社のITインフラを担当するインフラエンジニア 高橋 大輔氏とともに新ストレージの検討を始めた。
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