ブランド維持に必要な価値観の共有と、それを醸成する日常のコミュニケーション
ユニオンゲートグループのビジネスの根底にあるのは、強力なブランド力であり、そのブランド力の源泉となっているのが、同社の“ものづくり”だ。明確に設定した、ペルソナのライフスタイルを徹底的にイメージして開発に取り組んでいる。それでは、ペルソナに向けた製品開発の際に注力するべきことは何か。
「既存のお客さまとどういう関係を作っていくのか、我々のブランドをご存じない方々に、どうやってストーリーテリングしていくかは、常に考えています。その点、海外のECサイトはそれが上手いと感じます。たとえば100億円以上の投資を集めたことで知られるスーツケース・キャリーケースブランドのAWAYや海外のラグジュアリーブランドを参考にしていますね」(河合氏)
家電メーカーのバルミューダも参考にしている企業の1つだという。「機能ではなく、お客さんの感動とか満足を作るためにやっている」という点が、同社の考えや理想に近いためだ。「結果的に機能は絶対必要ではありますが、結局我々が作りたいのは『機能の実現』ではなくて、その先の顧客満足や、感動、驚きだと思っているので」(河合氏)
ただし、経営層だけがこうした考え方を持っていても、ブランドを維持することはできない。従業員と価値観を共有し、付加価値の高いブランドを維持し続けるために必要なことは何だろうか。
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・ブランドに対するアディダスとユニオンゲートグループの共通点
・「怒られること」や「クレーム」を怖がったらブランドは作れない
・デジタルテクノロジーの進化で「個別化」が進むアパレル業界