三井住友トラスト基礎研究所 伊藤 洋一氏らが説く、モバイル変革がもたらす未来とは
モバイルの価値を見出すために
「コンタクトレンズにデジカメの機能を詰め込み、通信機能を備えて、まばたきでシャッターを操作できるデバイスだ。こうしたデバイスが世の中に出てくることで、企業にとっては大きなチャンスでもあり、革命的な出来事になるかもしれない」(伊藤氏)
通信機能を備えたモバイルが普及し、いつでも、どこにいてもモバイルを使って仕事ができるようになった。伊藤氏は「モバイル時代に大事なことは、利用する無線ネットワークの安全性だ」と語る。伊藤氏は、無線ネットワークに求める要素として「セキュアで、安定して、高速である」点を挙げた。
次に、話題は同氏が昨年購入したトヨタの水素自動車「MIRAI」に移った。MIRAIに搭載されているカーナビでは、目的地検索、設定を補助するネットワーク機能はもちろん、水素ステーションの検索機能が備わっている。また、電話回線を使い、カーナビからコンタクトセンターに電話をかけることができる。さらに、オペレーターに目的地検索をお願いし、ネットワーク経由でヒットした目的地情報を設定することも可能だ。
「すべての車が電話回線と通信回線を持ち、スマホアプリから目的地を探し、ルートを車載ナビに送ることも当たり前になるかもしれない。ITによって社会や経済を大きく変わっていくのは、これからだ」(伊藤氏)
伊藤氏が語る、仕組みや枠組みを作るヒント
ここで伊藤氏は、これらの製品を開発する側に「ネットワーク」に関する提言をした。ここでのネットワークとは「仕組み・枠組み」のこと。売れる仕組みを考えることは、個々の製品を開発することと同じくらい重要であるということだ。「日本企業は、製品を作るのは上手だが、枠組みを作ることを苦手としてきた。コンタクトレンズに通信機能が入っていく時代に、情報ネットワークを使って、どんな価値を提供していくかを考えるのはさらに難しい」(伊藤氏)
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