決済権者が回答、パブリッククラウド・IaaSの利用用途とベンダー選定の基準

　2014年12月22日に発表された調査では、2014年度における国内クラウド市場の企業ユーザー動向調査として「企業のパブリック・クラウドに関するブランド別利用実態・意識調査」を実施。決済権を持っている企業の社員1000人にアンケートを行い、企業のパブリッククラウド・IaaSの利用実態や意識を調査している。

　本記事では前編に引き続き、パブリッククラウド・IaaSの具体的な利用用途（ストレージ、WEBサービス、デスクトップ仮想化）について解説。さらに、クラウドインテグレーターを選ぶ際のポイントにも触れる。

【調査概要】
・パブリッククラウド・IaaSの利用用途
・クラウドインテグレーターを選ぶポイント

　
　アンケート対象となったパブリッククラウド・IaaSは、アマゾンのAmazon Web Services、マイクロソフトのMicrosoft Azure、グーグルのGoogle App Engine/Google Compute Engine、ニフティのニフティクラウド、IIJ グローバルソリューションズのIIJグローバルソリューション、GMOクラウドのGMOクラウド、さくらインターネットのさくらのクラウド、IDCフロンティアのIDCフロンティアクラウド、その他のサービスの計9項目。

利用用途はストレージとWEBシステムが多い傾向がある

　企業は、どのような利用目的でパブリッククラウド・IaaSを運用しているのだろうか。クラウドサービスの利用用途は、主に以下のように分類される。

【利用用途】
・ストレージ（クラウドストレージ）
・デスクトップ仮想化
・WEBシステム
・基幹システム
・情報系システム
・その他の用途

　その他サービスを除き、いずれのパブリッククラウド・IaaSについても「WEBシステム」として使っているという回答が50%を超えた。「ストレージ」として使っているという回答も30～60%と、一定の割合で存在していることがわかる。

クラウドインテグレーターを選ぶポイントは知識と技術と料金体系

　顧客に対してパブリッククラウド・IaaS導入、管理を行うクラウドインテグレーターは、サービス導入するにあたって重要なポイントとなる。クラウドインテグレーターを選ぶときのポイントについては次のような回答結果が得られた。


　もっとも高い項目を見せたのが「サポートする技術や知識の幅広さ」が41.3％、「知識・ノウハウの豊富さ」36.9％だ。特にこれは業種別に見て、情報通信業に関してはこの項目に関しては顕著だった。関連する項目として「実績」「提案力」なども高い数値を見せた。また「わかりやすい料金体系」という回答も35.9％とコストに対する意識も高いことがわかる。

　ただ年商規模別に分析すると、500億円～1000億円未満、1兆円以上の企業と5000万円未満、5000万円～1億円未満の企業とではやや傾向が異なり、年商が低い企業にとって当該項目が重要度が高いことがうかがえる。