【2007年11月01日 00時00分 更新】

ライブドアパブリッシングの再起動とこれから ―出版再開第一弾はケータイ小説!!

2007年7月1日、いわゆる「ライブドア事件」以降、新刊の刊行を停止していたライブドアパブリッシングが、平松庚三代表取締役名義で「出版開始宣言」を発表。そして、9月17日には100万アクセスを誇る人気ケータイ小説『命の輝き』の単行本版を出版した。復活までの間、同社の中ではなにがあったのか?復活第一弾はなぜケータイ小説なのか?今後の展開は?同社取締役窪田智子氏にお話を伺った。


ボツ企画をきっかけに出版社再生を決意

【コラム】ライブドアパブリッシングの再起動とこれから ―出版再開第一弾はケータイ小説!!
『命の輝き』
――なぜ、2006年1月の堀江社長(当時)逮捕以降、新刊の発行をやめていたんですか?

窪田氏■
「今、新刊を出しても、書店に並ぶことすらなく返本されてしまうんじゃないか」という懸念があった、というのが一番の理由ですね。予想はしていたことなのですが、事件以降、書店さんや読者のみなさんのライブドアパブリッシングに対するイメージが悪くなりすぎていました。実際、当時は返本も相当な数にのぼり、愕然としたこともありましたから。


――ただ、会社は存続していたわけですから、何らかの活動はなさっていたのですよね?

窪田氏■
社内の機関誌の編集と、既刊本の流通が主な業務でしたね。ただ、新刊の出版をまったく諦めたわけではなかったんです。


――どんな企画があったのですか?

窪田氏■
ライブドア社員120人インタビューですね。言い方は良くないのですが、当時のライブドアは、とにかくあることないことを書き立てられました。「事件後、社員が500人退社した」とか。そもそも六本木ヒルズのオフィスに500人くらいしか社員がいなかったから「今、ここにいる私たちはなんだ?」なんて思っていたんですけどね(笑)。しかも、私は機関誌の編集をしていて、社員に取材する機会が多かった。それなら、事件後のライブドアについて、社員の声を発信することで、せめて、みなさんの誤解を解くことくらいはできるんじゃないか、と考えたんです。そして、事件から1カ月後の2006年2月ごろから取材を始めました。


――しかし、そんな本は……。

窪田氏■
お蔵入りになっちゃったんですよ。原稿はできあがっていて、他の出版社からではあるものの出版の予定もあった。それにライブドア内でも「面白い」という評判ももらっていたのですが、結局「訴訟の材料に利用されたり、メディアにツッコまれたりするおそれもある」という上層部の判断から取りやめになってしまいました。「本を出さなくてもいい状態」に何度となく甘えてしまいそうになった自分を頑張って鼓舞して取材したんですけどねぇ(笑)。

 ただ、けんもほろろに一蹴されたわけではなかった。検討に検討を重ねた上での出版取りやめだったので「企画次第ではまた新刊を出せるんだ」という確信を得たのも事実です。それに、あらためて考えてみると、いち編集者が出版社の再生に立ち会えるなんて貴重な経験ですよね。むしろ、この一件があったおかげで、ライブドアパブリッシング内では、再生ムードが高まったのかもしれません。


――なぜ、復活第一弾にケータイ小説を?

窪田氏■
以前からケータイ小説が流行っていることは知っていましたが、2007年冬にケータイ小説配信大手の「魔法のiランド」さんと知り合う機会があり、あらためて「魔法〜」さんが配信している小説を読み込んでみたところ大人の私でも感動できるような作品もあった。そのひとつが、今回の『命の輝き』だったんです。中高生にウケる理由を私自身が“実感”できたから、出版しようと思えたんでしょうね。


――2006年冬に『命の輝き』に出合って、9月に単行本化と、短いスパンで出版にこぎつけています。

窪田氏■
自分でも驚くほどスムーズに進みましたね。内部的に企画が通ったあと、私自身は相当のプレッシャーに悩まされました。1年半のブランクを経ての刊行ですし、絶対に利益を出さなければいけない。ところが、その後ライブドアパブリッシングのCEOに就任した平松が全面バックアップ体制を構築したんです。著者の未来さんと交渉するのも「事件から1年以上経ったとはいえ『ライブドア』という看板がマイナスになるんじゃないか」とおっかなびっくりだったのですが、平松自ら、未来さん宛に依頼状を書いてくれたり。そういう社内全体の熱意もあったからこそ、半年で出せたんでしょうね。

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