【2008年06月13日 00時00分 更新】

NECソフト ソリューションフォーラム 2008直前インタビュー

製造業・流通業の現場にみるアフターJ-SOXのIT活用動向

個人情報保護法やe-文書保護法、日本版SOX法など、企業の情報システムに大きなインパクトを与えた法律への対応が徐々に落ち着きつつある。各企業では、本来のコア業務を改善するためのIT活用に目を向け始めているという。現場の最前線でユーザー企業を見ているNECソフトの営業本部長 坂井氏に話を伺った。


法制度への対応が一段落し、IT投資は新たなフェーズへ

NECソフト 営業本部長 坂井俊之氏

NECソフト
営業本部長
坂井俊之氏

――ここ数年、企業を取り巻く法制度が大きく変わりました。最前線の現場で感じ取られている最新のIT動向についてお教えください。

 ここ数年は、やはり法制度への対応に関するご相談が多かったですね。個人情報保護法にともなうセキュリティ対策や、日本版SOX法・新会社法に伴う内部統制への対応など、多くの企業が法制度への対応・投資に迫られてきました。

 最近でも上場企業では、リース資産のオンバランス化、決算の45日以内の開示義務付けなどへの対応や、終わりのないセキュリティ対策など、企業の本業と離れた部分への対応がまだまだ続いてはいます。

 また近年、「環境」が大きなファクターとして捉えられています。たとえば2006年7月から、ヨーロッパでは「RoHS(ローズ)指令」が施行されています。RoHS指令とは、電気・電子機器などにおける特定有害物質(6物質)の使用を制限するために欧州連合で定められているものです。これに関連して2007年6月からは、2万種以上の化学物質の安全性の評価を義務付ける新化学品規制、通称「REACH(リーチ)」も施行されています。洞爺湖サミットが近づき、地球環境への関心はますます高まってきています。

 しかし、ここ数年続いていた法制度への対応はようやく落ち着きつつあります。環境への注目度は依然として高いものの、お客さまも、やっと本来やりたかったコア事業に目を向け、その改善に着手できるようになってきたのではないかと思います。今はまさにお客さまからいただく相談を通して、この変化を肌で実感しているところです。

――法制度への対応が落ち着き、いよいよビジネス上の課題を解決するためにITを活用していくフェーズに入ってきたということですね。具体的にはどういう動きがあるのでしょうか?

 製造業は、原材料価格の高騰という非常に大きな問題に直面しており、その厳しい状況の中で各企業では価格への転嫁や多元的な調達環境の整備などを進める必要に迫られています。また、食の安全に代表されるように品質管理レベルの向上やトレーサビリティへの対応、先ほど述べた環境問題への対応など、多くの課題を抱えているのが現状です。こうした中では、製品に関する情報の統合ならびに一元管理が必須になってきています。

 最近では製造業のお客さまから、PLM(製品ライフサイクル管理)についてお問い合わせいただくことが増えています。PLMとは、製品の企画から、設計、部品調達、生産、販売、さらにはサポートやメンテナンスまでのすべてを統合的に管理し、昨今短命化・多様化する製品開発をより効率化することです。このように、製造業ではまさに「本業」に対するITへの期待値が膨らんでいることを実感しています。

――流通・サービス業界についてはいかがでしょうか。個人消費が落ち込む中、多くの企業が苦労しているように思いますが…。

 確かに、流通・サービス業界も多くの企業が非常に苦労されていらっしゃいますね。しかし、だからこそ今がビジネスチャンスと捉える企業も多く、実際に業務効率化、顧客確保、顧客ニーズ把握などに対する設備投資を増やしているところもあります。

 特に、消費者の嗜好が多様化しているため、顧客ニーズを的確に把握する、あるいは新たなニーズを掘り起こすためのシステムに注目が集まっています。たとえば、会員管理システムを導入して履歴を一元管理することにより、顧客1人1人に対するサービスを充実させ、リピーターを獲得するための情報活用を積極的に進めている企業も見受けられます。

 また、大手小売業や食品スーパーマーケットで構成された「次世代EDI標準化ワーキンググループ」が策定した「流通BMS」という取り組みがあります。これはもともと、通商産業省(現経済産業省)の「流通サプライチェーン全体最適化事業」に端を発し、日本チェーンストア協会などの業界団体が検討・実験を重ねて作成された流通業界の新しいEDIのガイドラインです。インターネットを活用し、メッセージを標準化することで、検品レス・伝票レスを実現できるなど、大幅な業務の効率化が実現できるものと期待されています。

コミュニケーションセキュリティは
セキュリティと効率化を両立する考え方

NECソフト 営業本部長 坂井俊之氏

「お客さまもやっと本来やりたかった
コア事業に目を向け、その改善のために
IT投資ができるようになってきました」


――法制度への対応は一段落しつつあるというお話でしたが、そうはいっても、個人情報の漏えい事件が後を絶たないなど、お客さまのセキュリティへの要求はまだまだ高いのではありませんか。

 セキュリティについては「終わり」のあるものではありません。そのため、お客さまが課題に感じていることはまだまだ多いと思います。しかし、メール暗号化の義務付けや、USBメモリの使用禁止、社外からの業務システムへの接続禁止など、セキュリティをガチガチに固めすぎて業務を妨げてしまい、非効率になって困っているお客さまの声をよく耳にします。

 セキュリティは確かに重要ですが、今は業務効率を落とすことなく、安全な環境で仕事を行える発想やアイデア、仕組みが求められていると考えています。NECソフトの「コミュニケーションセキュリティ」は、まさにそうした取り組みです。

――「コミュニケーションセキュリティ」とはどういうものでしょうか?コミュニケーションの円滑化とセキュリティの向上は相反するのではないかと思いますが。

 はい。確かにコミュニケーションとセキュリティはトレードオフの関係にあります。しかし、コミュニケーションセキュリティでは、このトレードオフの関係にありながら両立しなければならない課題である「快適なIT環境」「自由な情報共有」と「高い安全性」をどのように両立し、社員が「イキイキと働ける」環境をどうやって実現するかを、個別ではなく全体最適の視点で考える取り組みです。むしろ、安全なセキュリティ環境を構築することが、コミュニケーションを活発にし、情報共有を促進すると我々は考えています。

60以上のソリューションを出展する、
NECソフト ソリューションフォーラム 2008

──いままでお話いただいた内容などから考えると、ITに求められる要件が増え、さらに選択肢も非常に多くなってきていると思います。具体的にどのように対処したらよいのか、どこから手を付ければよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

 NECソフトでは、そうしたご要望にお応えするため、「NECソフト ソリューションフォーラム 2008」を開催します。製造業事例としてTKR様、小売業事例として九九プラス様、ナレッジマネジメント事例として出光興産様にご登壇いただいて講演をいただくほか、60以上の業種、業務、コミュニケーションセキュリティ、最新テクノロジーに関するソリューションを一同に展示しています。会場に足を運んでいただければ、必ず何かしらお客さまのやりたいことを実現するアイデアやヒントを発見できるのではないでしょうか。

 「NECソフト ソリューションフォーラム 2008」は、いわばアイデア・ヒントの見本市です。ぜひ、お客さまの課題を解決するためのアイデアやヒントを発見していただければと思います。皆様の課題をお聞かせいただくことで、そのアイデアやヒントを具現化し、課題解決のお手伝いをさせていただければと思います。


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