【2008年10月30日 00時00分 更新】

【連載】ザ・コンサルティングノウハウ(1):コンサルティングノウハウの存在に気付く

社内コンサルタントの育成を目指す企業が増えている。その狙いは、経営に資するIT戦略の策定や、コンサルティング営業による勝率・利益率の向上、グローバルグループ会社に対する本社支援力の強化などさまざまである。しかし多くの企業では、コンサルタントの育成はうまく進んでいない。この理由は、コンサルタントが、分析技法や方法論などの技術修得によって育成されるという誤解にある。コンサルタント育成に重要なのは、技術ではなくノウハウである。この連載では、コンサルティング会社の実態をもとにしたストーリー形式で、コンサルティングノウハウの存在とパワーを示す。

執筆:アクト・コンサルティング 取締役 経営コンサルタント 野間 彰

重要なのは、会議参加者の価値ある視点をえぐり出して
革新策を作り上げること

 山口は、岩崎がクライアントの前でしゃべりはじめると、クライアントが前向きに議論を始める理由がわかった気がした。山口が感心している間に、岩崎は山口に向き合ってまっすぐに目を見た。岩崎に限らず、ABCコンサルティングのシニア・コンサルタントは、部下の理解度を確認するために、まずまっすぐに目を見る。思わず目をそらした山口に、岩崎は質問をした。

「このノウハウを、どう使う?」
「ええと、議論を発散させず、効率よくディスカッションするため。また、コンサルタントが、顧客の話を聞かないで唯我独尊になることを防ぐため。顧客の言っていることが単なる思い付きかどうかを吟味し、思い付きなら受け流し、思いつきでない場合は指摘された問題を解決するようにします…。」


 山口は、しどろもどろで答えた。

「0点。」

 岩崎は、あっさりと切って捨てた。

「いいかい。重要なのは、会議参加者の価値ある視点をえぐり出して、革新策を作り上げることだ。革新には問題解決という連続的な思考ではなく『思考のジャンプ』、つまり創造が必要なんだ。そして創造には、触発材料である『視点』がいる。だから、会議やインタビューで、すべての発言に注意を払い、革新の視点を見つけたらすぐに革新策を作り確認するんだ。」

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