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2009年08月07日

国内企業の中小企業を一体誰が救うのか?:中堅・中小企業市場の解体新書(1)

十把一絡げにされがちな「中堅・中小企業(SMB=Small Medium Business)」だが、実際はそんな雑駁な括りで語れるほど単純な市場構造にはなっていない。安易に扱われることも多い日本の「中堅・中小企業の経営者とそのIT担当者」の現状を体系立てて分析するとともに、どのような課題に直面し、それをどのように解決すればよいのか、その展開のヒントになる言葉をお送りしたい。

執筆:ノークリサーチ 伊嶋謙二

9割を占める中小・零細企業の底上げなくして、日本経済の本質的な上昇はない

 ノークリサーチでは、中堅・中小企業を図1にあるようなピラミッド構造で分類している。図をご覧いただければわかるとおり、売上金額と企業数は反比例関係にあり、SMBマーケットと呼ばれる市場の企業は、約20万5,000社にのぼる。このうち、中堅Hクラスと言われる中堅・中小企業の最大手の企業属性は、年商規模で300億円-500億円の企業群だ。しかし全国にわずか2100社しか存在しない。100億円-300億円の中堅Mクラスでも9,800社しかおらず、逆に5億円-50億円の企業は18万社にのぼり、中堅・中小企業の9割はこの年商区分に存在している。さらに5億円以下の中小・零細企業は400万社あると言われており、この層の企業はほとんど語られることのない企業層である。

 当連載では、中堅企業はもとより、中小企業よりさらに下のクラスである「中小・零細企業」における「ITと経営の課題」についても深く掘り下げていくつもりである。現況の経済市場で日本の企業の9割以上を占めている「小規模・零細企業」の底上げすることなくして、日本経済の本質的な上昇はないと考えるからである。

中堅・中小企業の定義

※クリックで拡大

ノークリサーチでは中堅・中小企業向け市場(SMB=Small&Medium Business)を『年商5億円以上500億円未満の民間企業』と定義している。さらに年商クラスによってセグメント化を行い「中堅Hクラス(年商300億円以上〜500億円未満)」、「中堅Mクラス(年商100億円以上〜300億円未満)」、「中堅Lクラス(年商50億円以上〜100億円未満)」、「中小企業クラス(年商5億円以上〜50億円未満)」の4つのカテゴリに分類している。

中堅・中小企業の定義と特徴

 連載の初回である今回は、中堅・中小企業の定義と特徴を述べておこう。次回以降はこの中堅・中小企業の定義をもとに書き進めていくことになる。図1でも記載したが、改めてその内訳を詳しく見ていくと次のようになる。

セグメント名年商実社数社員数IT部門有無IT部門規模
中堅Hクラス300億円以上〜500億円未満2125社2000人未満
(ボリュームゾーン:300人以上〜1000人未満)
8割が設置4〜19名
中堅Mクラス100億円以上〜300億円未満9816社1000人未満
(ボリュームゾーン:100人以上〜500人未満)
8割が設置2〜9名
中堅Lクラス50億円以上〜100億円未満13554社500人未満
(ボリュームゾーン:200人未満)
7割が設置1〜5名
中小企業クラス5億円以上〜50億円未満180790社100人未満
(ボリュームゾーン:50人未満)
4割が設置0〜3名

中堅Hクラス

 年商300億以上〜500億円未満の企業。2,135社にのぼる。いわゆる準エンタープライズ企業。10数名からなる専任IT部門を持つ。IT投資動向は大企業(従業員1,000人以上の企業)と比較的似た傾向を示すのが特徴だろう。一般的に情報リテラシが高く、メーカの直取引や大手SI企業、コンサルティングファームなどとの関係でシステム構築、導入する傾向が強い。ERPの導入や専用のサーバルーム設置などの特徴がある。購入の選定に当たっては企業自身がイニシアティブを持つ傾向が強い。

中堅Mクラス

 年商100億以上〜300億円未満の企業。9,816社にのぼる。10名未満のIT部門を設置しており、計画・戦略を伴ったIT投資を行い、先進企業では全社最適も視野に入れた体制を実現。中堅HクラスとLクラスの中間に位置しており、いわゆる中堅企業のグレイゾーンにいる。ERPなどのシステムも導入が進んできているものの、いまだにレガシーなシステムも利用している企業も多い。企業自身での完結性としても、ベンダに依存する割合が比較的高い。実はベンダにとっては最も攻略のターゲットとされるクラスでもある。

中堅Lクラス

 年商50億以上〜100億円未満の企業。1万3,554社にのぼる。IT部門は設置しているが規模は5名以下と比較的小さい。IT投資には計画・戦略がある程度伴うものの、部分最適に留まることが多い。いわゆるオフコンを利用していたホットゾーンで、チャネル販売での競合がもっとも激しいゾーンとなる。ただし、販売店との関係性が強いため(販売店への依存体質が強いため)、なかなかベンダチェンジが難しいゾーンとも言える。基幹システムのパッケージ化やERPへのリプレースも進んできている。

中小企業クラス

 年商5億以上〜50億円未満の企業。母数は18万790社と圧倒的に多い。IT部門は存在しないか、もしくは3名以下(兼任の場合も多い)のごく小規模。計画を伴わない部分的かつ短期のIT投資傾向が強い。ITリテラシやIT部門のスタッフ、予算規模も限定されているため、大きなシステム構築が進みにくい。レガシシステムを未だに利用している企業も多いが、ベンダからの提案も少ないため、ニーズはあるが新たなシステム導入が遅れている。

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