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  • 2011/06/29 掲載

なぜ日本ではプロセス・イノベーションが起こせないのか?--東京大学 教授 帯川利之氏

ITによる機能創出とものづくり基盤の連携

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2000年を境に、環境対応、エネルギー問題といった外的要因により、ものづくりのパラダイムシフトが起きている。これらの課題を克服する、ものづくりイノベーションには「プロダクト指向」と「プロセス指向」という2つの方向性があり、それぞれ課題は山積状態にある。こうした中、求められているのが「ものづくり基盤の要素技術の強化と連携」だ。東京大学生産技術研究所の帯川利之教授は、産業競争力と信用力を強化しながら、「技術革新」によって、来たるべき新しい持続性社会を構築していかなければならない、と力説する。

2000年を境に、ものづくりのパラダイムシフトが起きた

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東京大学生産技術研究所
帯川利之教授
 ものづくりの時代関係を、IT技術が一般化した2000年を基準に考えると、2020年には現代的なものづくりが世界的に拡大し、さらに2040年には「持続性社会の構築」に成功したか否かの判断ができる時期に入るという(学術横断型アカデミー・ロードマップより)。

 そのような中で、ものづくりに求められていることは、「豊かさ・充足感、安心、安全、感動、快適、タイムリーな製品、妥当な価格、省エネ・低炭素化、省資源・資源循環、貿易の均衡、先導的革新的技術などが挙げられる」と帯川教授は語る。しかし、このような多様かつ大きな要求に応えるイノベーションは、なかなか順調には進まない。今後どのような技術が導入されていくのだろうか。

 これまでのものづくりの付加価値の変遷を鑑みると、「付加価値加工」「サービス」「安心・安全」「環境対策」「エネルギー問題」という5つの項目が、ものづくりイノベーションにおいてパラダイムシフトを起こす要因となってきた。たとえば1980年代は「付加価値加工」さえあれば良い時代だった。それが1990年代に入ると円高が進んで「サービス・機能」が必要になり、ものづくり自体も複雑化してきた。そしてその後、IT化の波が押し寄せ、価値の多様化も進み、2000年を境に、環境対応、エネルギー問題といった外的要因も出てきた。

「このような状況から、持続性があり、産業競争力と信用力を強化しながら、学術的な貢献ができるような”技術革新”による新しい社会を構築していかなければならない」(帯川教授)

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設計・製造・加工(ものづくり)分野技術ロードマップ(2009年)
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ものづくり付加価値の変遷

ITによる機能創出と、ものづくり基盤の連携

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