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2011年11月14日

後継者不足と先行き不安で中堅中小企業のM&A急増

日本M&Aセンター 分林保弘会長に聞く、中堅中小企業のM&A動向と成功法則

M&Aというと、新聞やテレビをにぎわせる大企業同士の合併・買収というイメージが強い。実際、震災直後の自粛ムードが徐々に和らぎ始めた5月以降、武田薬品工業、東芝、キリンビールなど、日本を代表する企業による海外企業の大型買収が相次いで発表された。その一方で、これら大企業とはまったく別の理由から、中堅中小企業のM&Aも活発化している。1991年創業で、2007年にはM&A支援を専門に手がける企業ではじめて東証一部に上場した日本M&Aセンターの創業者で、代表取締役会長の分林保弘氏に、中堅中小企業のM&Aの動向と成功の法則を聞いた。

さらに深刻さを増す中堅中小企業の後継者問題

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日本M&Aセンター
代表取締役会長
分林保弘氏

──中堅中小企業にとって後継者問題はかなり深刻な状況なのでしょうか。

 非常に深刻です。この会社を立ち上げた20年前、出生率は1.4人くらいでした。当時の日経新聞の一面に「あなたの会社の後継“社”を探します」というコピーで広告を打ったところ、1週間で400件もの電話が全国からかかってきました。当時から後継者問題に悩む経営者は多く、M&Aにも関心はあったものの、どこに相談していいかわからない経営者が多かったのです。現在出生率はさらに低下し、2社に1社は後継者がいないといわれています。

 また、30年前は中堅中小企業の社長の平均年齢は約52歳でしたが、現在は約59歳です。後継者がいないため、いつまでもずるずる続けざるをえない状況なのです。今から10年後には、3社に2社は後継者がいない状態になるともいわれています。

──後継者問題以外で、中堅中小企業をM&Aに向かわせる要因はありますか。

 先行き不安です。今後、日本の人口は減り続け、2050年には現在よりも3割近く減ると言われています。それだけ内需が減るということです。日本を代表するような内需型企業でさえ、いまや海外の売上が40数%に上るといわれています。今後、その数値はさらに上昇するでしょう。

 最近は大企業のM&Aも活発化しています。キリンビールや東芝、武田薬品工業などは、海外企業の買収に積極的です。大企業は、将来の生き残りをかけてM&Aを実施し、集中化とグローバル化を進めているのです。

 中堅中小企業も、こうした動きと無関係ではありません。大企業が海外に出て行くのに合わせて、下請けの中堅中小企業も一緒に出て行く構図は、もはや当たり前になっています。

──日本で産業の空洞化が起きているということでしょうか?

 産業の空洞化という言い方には私は否定的です。高齢化に伴って、経営者だけでなく、日本の労働力も不足しており、それをそのまま空洞化と言い切るのは早計ではないでしょうか。中堅中小企業の後継者問題を見ていると、それが一層強く感じられます。

 もともと企業の合従連衡は多様な業界で起きていることで、医薬品卸業界では、約40年前に400社ぐらいがひしめいていたものが、今ではほぼ4社に集約されました。しかし、ほぼどこもほとんど潰れることなく、4社のどこかのグループに加わっています。

 日本の中堅中小企業に対するM&A意欲は今も旺盛で、今後も業界再編を行いながら、生き残っていく企業も多いのではないでしょうか。

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