• 2012/03/29 掲載

コンシューマインテリジェンスがビッグデータ活用を拡大させる(2/2)

3つの先進ソリューションで新しい価値創出を促すテラデータ

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データ量の増加に伴い、データ分析の担い手も多様化していく

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米テラデータ
CTO
Stephen Brobst氏
 続くセッションでは、米テラデータのCTO(最高技術責任者)のStephen Brobst氏が登壇、ビッグデータとは何か、またビッグデータをいかに分析、活用するかについて解説した。

 まずBrobst氏は、トランザクションデータとインタラクションデータの違いについて触れた。前者は従来型のレコード志向のリレーショナル構造を持つもの、後者はリレーショナル構造には収まらないWebログやソーシャルメディアなどのデータを示すもの。

「ビッグデータは単にデータ量だけの話ではなく、その多様性も関係してくる。データ分析を考える上では、インタラクションデータも含めてキャプチャすることが重要だ。」(Brobst氏)

 ビジネスの差別化を図る上では、より優れた意思決定が必要で、その時にデータは新しい知見を得るための重要な原材料となる。

「多様なデータをどのように扱うか。それがビジネスを成功させる上での大きな鍵となる。」(Brobst氏)

 次にBrobst氏は、2011年の象徴的な事象として、世界中で生成されたデジタル情報の総量、いわゆる「デジタルユニバース」は約50%拡大し、1.8ゼタバイトに達したことを挙げた。これはゼロが21個も並ぶ膨大な数だ。

「しかし、データは格納するだけでは価値は得られない。分析して初めてその意味を理解でき、価値を生み出すことが可能となる。」(Brobst氏)

 またBrobst氏は「2013年までにビジネスインテリジェンス(BI)機能の3分の1が携帯端末によって使われることになるだろう」というガートナーのレポートを紹介しつつ、「私自身は3分の2だと見ている」と自身の見解を示した。

 その理由として挙げたのが、コンシューマインテリジェンス(CI)へのトレンドだ。CIとは、より洗練されたデータウェアハウスの活用方法を示すもので、社員だけでなく、パートナー企業や消費者にもデータウェアハウスへのアクセスを開放するというものだ。

 たとえば米ウォルマートはデータ活用で先進的な企業だが、そのデータウェアハウスはバリューチェーン全体で活用されており、コカコーラやユニリーバといった主要なサプライヤー、つまり非社員がアクセスする件数のほうが多いという。

「この傾向は今後も続き、やがて消費者にも至るだろう。すでにある金融機関ではデータウェアハウスをリテールバンキングの顧客に対して開放している。顧客はデータウェアハウスに直接アクセスし、自分で銀行の収益性やリスクの分析ができる。モバイルデバイスの進化が後押しすることになる。」(Brobst氏)

データボリュームやコストなどを総合的に判断する

 こうしたデータ分析の多様化の流れをBrobst氏は「アドバンスドアナリティクス」と呼ぶ。これを実現するにあたって、Brobst氏が強調するのは、1つのソリューションですべてをまかなうのは難しいということだ。分析対象のデータボリュームに加え、パフォーマンスやアベイラビリティの要件も変わる。さらには価格への要求もある。

「だからこそ我々はあらゆる分析ニーズに対応できるハードウェアとして、目的別のTeradataプラットフォーム・ファミリーを提供している。」(Brobst氏)

 たとえば、データを高速なメモリ上に展開して高速処理を実現する「インメモリ技術」を使うことで、パフォーマンスが担保できるという考え方がある。この背景にあるのは、メモリの価格は18か月で30%下がるので、ハードウェアコストは大きな問題にはならないという現状認識だ。しかしデータ量はその18か月で50%も増加する。データが増えるスピードのほうがコストが低下するスピードよりも速いのだ。つまり、インメモリを使う際には、コストバランスにも十分に留意する必要がある。

 またデータには“温度”があるという。アクセス頻度が高い“ホットな”データと、アクセス頻度が低い“コールド”なデータだ。一般的にホットなデータは全体の約20%だが、これで全I/Oの約80%を占める。そこでホットなデータはSSD(フラッシュメモリドライブ)に、コールドなデータは従来のHDD(ハードディスクドライブ)に格納し、その場所を随時変更するなどして、コストパフォーマンスを最適化した状態でデータを維持/管理していくことを考える必要があるだろうという。

「最上位モデルのTeradata Active Enterprise Data Warehouse 6690には、必要に応じてデータをSSD、あるいはHDDに格納できるような仕組みが搭載されている。」(Brobst氏)

 さらに興味深いのはTeradata Virtual Storageというソフトウェアで、ストレージの階層内でデータの移動を自動的に処理してくれるソリューションだ。人手を介入させる必要はまったくない。

「ビッグデータの世界では新しいタイプのデータソースが登場し、MapReduceといったSQLとは異なるデータ分析機能や新たなデータ分析手法が求められることになる。そこで我々は、基盤となるデータウェアハウスとしてTeradataプラットフォーム・ファミリー、Aster DataのSQL-MapReduce技術、Aprimoの統合マーケティング管理ツールという3つのソリューションを提供することで、ユーザー企業のビッグデータ活用を強力にサポートしていく。」(Brobst氏)

 本コンファレンスでは、ニッセンやeBayなどにおけるテラデータ導入先進事例も数多く紹介されたほか、テラデータのビジネスパートナーによる最新ソリューションも展示されていた。来場者が熱心に聞き入る様子も見られ、ビッグデータ活用に対するユーザー企業の関心の高さが改めて浮き彫りになるとともに、それに応えるテラデータの底力を感じさせる一日となった。

(執筆:西山毅)

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