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2013年01月08日

オムニチャネルとは何か?コカ・コーラや資生堂も実践する顧客接点の再構築

“オムニチャネル”というキーワードが米国で注目され始めている。2011年に米国の老舗百貨店、Macy'sのCEOが「オムニチャネル企業を目指す」と宣言し、知られるようになった言葉だ。オムニチャネルは、文字通り「すべてのチャネル」という意味で、あらゆるチャネルを連携させて顧客にアプローチする手法だ。ではオムニチャネルは、従来のマルチチャネルとは違うのか?なぜ今注目を集めているのか?野村総合研究所のイノベーション開発部 上級研究員 中村博之氏は、オムニチャネルがビジネスに与える影響や、具体的な技術とサービス、さらにオムニチャネルを推進する体制などについて解説した。

執筆:井上 猛雄

あらゆる顧客接点を結ぶ“オムニチャネル”

 オムニチャネルという言葉は聞き慣れなくても、マルチチャネルという言葉ならご存知の方もいるだろう。まず、このマルチチャネルとオムニチャネルの言葉の違いから説明しよう。

 マルチチャネルとは、店舗、通販、ネットというように複数チャネル(販売経路)を顧客に合わせて使い分ける手法のことだ。たとえば、高齢者向けには店舗で、若年層に特化した商品はネットで、主婦層向けの商品は通販で、とそれぞれのチャネルを顧客に合わせて使い分けていた。

 一方でオムニチャネルは、顧客を中心にすべてのチャネルを連携して考える。商品の認知から、検討、購買に至る一連の購買またマーケティングプロセスで横串を刺してチャネルを併用して顧客にアプローチしていく。

 当初このキーワードは小売業から生まれたため、「オムニチャネル・リテーリング」と呼ばれていたが、「小売以外の業種にも適用可能なことから、今はオムニチャネル・コマースと呼べる」(中村氏)という。

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マルチチャネルとオムニチャネルの違い

(出典:野村総合研究所)


 このキーワードが注目されたのは、米老舗百貨店、Macy'sのCEOであるテリー・ラングレン氏が決算発表会で「オムニチャネル企業を目指す」と発したことにある。

 米国では現在、ネット通販の比率が上がっており、さらにその専業事業者が非常に強い。そのため、現実の店舗で商品を見て、ネットで買うという店舗の「ショールーム化(ショールーミング)」が進行し、店舗側が高い危機感を抱いている。

「店舗を持っている強みをどう出すか。Macy'sは店舗とネットの同時併用を促進する方針を打ち出した。」

 その結果、同社の顧客は、店舗内のキオスク端末やスマートフォンで商品を検索できる。ネット側では、お気に入りの商品をお薦めする。実店舗ではモノを買う際に、衣料品などは色・サイズの違いによって在庫がないことも多い。そこで店頭からネット在庫を探し、ネットチャネル側から自宅へ無料配送する。このように店舗とネットを組み合わせるわけだ。

 スマートフォンの普及もトリガーになっている。日本では2012年の段階でスマートフォン人口は約20%(女性は50%超)。2015年には平均50%超へ向かうという予測もある。そうなると店舗からネットへの情報アクセスが圧倒的にスムーズになる。

「カメラ機能でバーコードやQRコードを読み取り、商品情報や店内ナビゲーションを行う利活用も広がるだろう。」(中村氏)

【次ページ】ウォルマートやコカ・コーラ、資生堂の取り組み事例

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