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2013年12月05日

元佐賀県CIO 川島宏一氏が語る、オープンデータ活用で地域活性化をもたらす8つの類型

2012年7月に「電子政府オープンデータ戦略」が策定され、さらに今年の6月には、「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定され、世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて、オープンデータの活用の推進が掲げられた。今後のオープンデータを活用した地域活性や産業振興はどうあるべきか、長らく佐賀県CIOを務め、株式会社公共イノベーションを起業した川島宏一氏が、8つの類型をもとにその可能性を示唆した。

執筆:小山 健治

「課題がある状態」から「課題が解決された状態」へ

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公共イノベーション
代表取締役
川島 宏一 氏

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「行政において価値を創造することは、行政が持っているデータ・情報・知識を行政内部の縦割りを超えて、民間や国外の多様な主体が持っているさまざまなデータ・情報・知識と、異なるやり方で組み合わせることである。価値創造の過程は、この異なるデータ・情報・知識の新しい組み合わせを繰り返し試みることに他ならない」

 こうした社会変革のあるべき姿を説くのは、新たに起業した公共イノベーションの代表取締役を務める川島宏一氏だ。川島氏は、国土交通省、インドネシア住宅省、北九州市、世界銀行を経て、2006年から2011年まで佐賀県CIOを務め、現在は同県特別顧問および大阪市特別参与を務める。現在は、IT戦略本部・新戦略推進専門調査会電子行政分科会構成員、地域情報化アドバイザーなど複数の立場から、「IT×市民力」による社会課題の解決に取り組んでいる。

 JMAホールディングスが開催したオープンデータ推進シンポジウムにおいて「社会課題×オープンデータ=地域活性化」と題する講演を行った川島氏は、その冒頭で「現在社会は基本的にデジタル化しています。ならば、そこで扱われているデータをもはやオープンにしない理由がありません」と示唆し、次のように語った。

「日本の行政は大量のデータを持っており、日本はデータ資源大国です。これらの公共データが公開されていくのは自然の流れであり、それを実際にどう使っていくのかを考えることが重要。その意味からも、具体的なアクションプランへの落とし込みや、成功モデルの確立が急がれます」

 その上で川島氏は、「地域活性化とは、『課題がある状態』から『その課題が解決された状態』へ地域システムを移行させること」と強調するのである。

 例として挙げるのは、横浜市金沢区において始まった新しい子育て情報ポータルサイト「かなざわ育なび.net」の取り組みだ。同サイトは、スマートフォンやパソコンを使って、子育てに必要な情報を、子育てに忙しい養育者が、いつでもどこでも手軽に知ることができるというものである。

 川島氏は、郵便番号と子どもの生年月日を入力するだけで、より身近な子育て関連情報が提供されることに着眼。「まさにここがイノベーションのポイントです。現場の課題をわかっている人が、現場にどんなデータがあるかを知っていたからこそ、価値ある情報提供が可能となりました」と語る。

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(クリックで拡大)

「かなざわ育なび.net」のイノベーション・プロセス

(出典:川島宏一氏講演資料)


オープンデータによる価値創出の8類型

 広く世界に目を向けると、オープンデータからどんなサービスが生まれているのか。川島氏は、その先進国である英国における取り組みを中心に、オープンデータによる価値創出のあり方として、以下の8類型を示す。

  1. わかりやすい可視化型
  2. 対話型
  3. リアル・タイム型
  4. 悉皆型(しっかいがた)
  5. ハイブリッド型
  6. 地域パッケージング型
  7. 仲介型
  8. コンシエルジュ型
【次ページ】イノベーション創出の鍵は4つの情報非対称の壁を破ること

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