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2014年12月12日

軽減対象より大切なインボイス方式とは?

岩谷誠治 会計士に聞く、軽減税率の意味と企業が知っておくべき2つの重大テーマ

12月14日の衆議院選が間近に迫ってきた。結果はまだわからないが、世論調査では自民党大勝の予想も多く、少なくとも過半数を割ることはない情勢だ。すなわち、平成29年4月(2017年4月)に消費税は10%となる公算が高い。そこでにわかに注目を集めているのが、その際に導入が検討されている「軽減税率」だ。これは、その名のとおり、特定の商品のみ税率を軽減する措置のこと。一般的に、どの商品が軽減の対象になるのか?という点に目が行きがちだが、岩谷誠治会計士は、企業にとっては、それ以上に重要な2つのテーマとして「インボイス方式」と「価格表示」の問題があると指摘する。

軽減税率が企業に与える影響とは

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岩谷誠治公認会計士事務所
公認会計士
システム監査技術者
税理士
岩谷 誠治 氏

 2014年11月21日、安倍首相は2015年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げを先送りし、衆議院を解散した。仮に自公が過半数をとれば、消費税率は1年半後に10%へ引き上げられる。

 その際に導入される新しい制度として注目されているのが「軽減税率」だ。軽減税率とは、その名のとおり、一部の商品だけ税率を低くすること。その意義を、ITと消費税制に詳しい岩谷誠治 会計士は「消費税には、低所得者ほど税負担が重くなる逆進性があります。この逆進性を緩和するため、生活必需品などの税率を低くすることです」と説明する。

 軽減税率は海外では一般的で、たとえばイギリスは日常の生活に必要とされるような食料品の消費税(付加価値税)はゼロになっている。

日本イギリスフランスドイツスウェーデン
消費税(付加価値税)率8%20%20%19%25%
食料品8%0%5.5%7%12%
医薬品8%0%2.1%19%0%
新聞・雑誌8%0%2.1%7%6%
(2014年1月現在、出典:財務省調査

 もちろん日本の軽減税率がどういう形になるかはまだわからないが、6月5日に与党税制協議会から発表された資料が、直近で確認できる公の最新資料となる。この資料では、軽減税率の対象として飲食料品のみが挙げられており、資料では以下の8つのパターンが示されている。

  1. 全ての飲食料品
  2. 全ての飲食料品 − 酒
  3. 全ての飲食料品 − 酒 − 外食
  4. 全ての飲食料品 − 酒 − 外食 − 菓子類
  5. 全ての飲食料品 − 酒 − 外食 − 菓子類 −飲料
  6. 全ての飲食料品 − 酒 − 外食 − 菓子類−飲料 − その他の加工食品 (= 生鮮食品)
  7. 米、みそ、しょうゆ
  8. 精米

 軽減税率の対象がどうなるのかは、一般消費者はもとより、食品や日用品を取り扱う業界には大切な問題だろう。また税収額に直結するため、財政に与える影響も大きい。しかし、その他の企業としての対応は「対象となる商品と税率が決まれば、システムをそれに合わせるだけ」(岩谷氏)という。

「ただし、軽減税率の線引きは非常に難しいので、その対象がなかなか決まらない可能性があります。議論が長引いてそれがどんどん後ろにずれ込むと、対象が確定するまで企業は対応できません」(岩谷氏)。

 もちろん軽減税率の線引きは重要なテーマだが、岩谷氏はそれ以上に重要な論点が看過されていることに警鐘を鳴らす。

「軽減税率と同時に検討されている区分経理の方法、特に導入が有力視されているインボイス方式は、すべての企業が影響を受ける非常に重要な論点です」(岩谷氏)。

【次ページ】すべての企業に影響を与えるインボイス方式とは?

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