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2015年01月20日

ベトナム・バングラデシュ・ミャンマーのオフショア開発比較:委託先は印・中国からシフトへ

日本における開発リソース不足を解消するにあたって、海外におけるIT人材の活用は今後必要不可欠になる。そうしたなか2014年12月、日本におけるオフショア開発先の受け皿になるべく、ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーのオフショア開発会社3社の業務提携が発表された。同発表会に登壇したエボラブル アジア 吉村 英毅氏、BJIT 佐藤 一雅氏、サイバーミッションズ 有馬 治彦氏は、各国の経済状況や国民性、IT人材への育成について言及するとともに、オフショア開発、BPOの状況を紹介した。

日本のオフショア開発市場が拡大する3つの理由

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エボラブル アジア
代表取締役社長
吉村 英毅氏

 ベトナムオフショア開発会社のエボラブル アジアは2014年12月、バングラデシュ最大手のオフショア開発会社 BJIT、ミャンマーのオフショア開発会社 サイバーミッションズと3社での業務提携し、リソースの共有や営業協力を行う計画を発表した。

 具体的には、3カ国それぞれにいる開発エンジニアがクラウドを利用し、クロスボーダー(国際間)で1つの案件を共同開発を行うほか、エンジニア育成のためのプログラムとして、それぞれの国て行っている日本語や英語の学習や、システム開発のラーニングを3カ国間で共有し、エンジニアのスキルを向上させていく。

 エボラブル アジア 代表取締役社長の吉村 英毅氏は冒頭で「ビッグデータやスマートデバイス対応、2015年問題や2020年の東京五輪など、日本の開発のニーズは増大している一方で、システム開発のリソース不足が問題になっている。優秀なIT人材は固定化しており、労働市場に出てこないため、中堅中小企業では大手企業以上に開発リソースの確保が難しい」と、日本の課題を指摘した。

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ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーを「ASIA IT開発ベルト地帯」と呼ぶ吉村氏は、日本におけるオフショア開発比率が10倍前後までオフショア開発比率が伸びると予測


 こうした背景から吉村氏は、日本において海外の人材を活用するオフショア開発の普及は重要だとし、3つの理由からオフショア開発市場が拡大する可能性を秘めていると予測を述べた。

「1つ目の理由は前述の通り、日本の開発のニーズは増大していること。2つ目は、現在約1%程度の日本のオフショア開発比率が、欧米と同程度の約10%まで上昇するということ。3つ目は、人件費の高騰やカントリーリスクの問題から、現状インドや中国が8割を占めている委託先がシフトしていくことが挙げられる」(吉村氏)

 今回の業務提携は、水面下で起こっているオフショア開発先のシフトを受け、開発、営業リソースをそれぞれ活用していき、日本の企業がオフショアに発注範囲を拡げるだけでなく、発注のハードルを下げるねらいだ。

GDP成長率は6%、経済発展が目覚ましいバングラデシュ

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BJIT
代表取締役社長
佐藤 一雅氏

 カントリーリスクの問題や人件費高騰の問題から、インドや中国からアジア地域への委託先移行が進むというが、オフショア開発を検討しようとしている企業にとって気になるのは、各国の経済状況や政治的リスク、IT人材のレベルといった情報だろう。これらの点について、本発表会に登壇した3カ国のオフショア開発会社の代表は次のように説明した。

 ミャンマーとインドの間に位置するバングラデシュは、GDPは平均して毎年6%以上成長を10年継続するなど、経済発展が目覚ましい国だ。また同国では政府が「デジタルバングラデシュ」構想を掲げており、国策としてITを推進している。

 大学教育が英語であるため、ネイティブレベルの語学力をもつエンジニアも豊富だ。2013年1年間に世界で行われたTOEIC受験者のスコアを集計したところ、バングラデシュの平均点は895点で世界トップと、高い英語力を有している。ちなみに、日本の平均点は512点で40位である。

 バングラデシュでオフショア開発事業を行うBJIT代表取締役社長 佐藤 一雅氏によれば、バングラデシュのコンピュータサイエンス系大学の学生は、卒業後フェイスブックやグーグルをはじめとするグローバルカンパニーに就職する者も多いそうだ。「グローバルでは、ネクスト・インディアという言葉がすでに飛び交っている状態。西海岸で働くインドのエンジニアのコストは、すでにアメリカ人のコストを凌いでるとまでいわれる。ネクスト・インディアになれる国はどこだといえばやはりバングラデシュが一番手だろう」(佐藤氏)

 また佐藤氏は、インドのオフショア開発会社ウィプロの例を挙げ「小さな会社だったウィプロが、2000年問題を契機にしてここ10年で30万人弱のエンジニアを有する世界有数の企業に発展した。バングラデシュでのIT産業輸出額は100億円を超え、200億円になろうとしている。インドに匹敵するようなIT産業の国を目指したい」と野望を語った。

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サイバーミッションズ
代表取締役
有馬 治彦氏

 一方ミャンマーは、ベトナムやバングラデシュと比べてIT産業は発展しておらず、インフラの整備も不十分だ。サイバーミッションズがミャンマーに現地法人を立ち上げたのは2012年4月のこと。同社 代表取締役 有馬 治彦氏は「立ち上げ当時はインターネットも通じず、停電もかなり起きており開発をするのには大変な状況だったが、日に日に停電の数も少なくなっている」と状況を説明した。

 まだまだ発展途上のミャンマーだが、オフショア開発先最後のフロンティアと呼ばれているといい、人件費の安さと今後の経済の成長が見込める国だ。2014年に入ってからは多種多業の日本企業がミャンマーに参入しているそうだ。サイバーミッションズでは現在、日立、三菱、パナソニック、電通といた大手日系企業のオフショア開発をミャンマーで行っている。

 また今回の発表会では、ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーのエンジニアの給与水準や国民性、日本との相性などについても言及された。

【次ページ】ベトナム、バングラデシュ、ミャンマーIT技術者の給与水準を比較

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