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2015年03月19日

マークラインズ 酒井誠 社長に聞く、なぜ自動車の生産数より販売数が重視されるのか?

自動車産業向けの情報ポータルサイトを運営するマークラインズ。世界の自動車産業に関するさまざまな情報を有料で提供するサービスを展開しており、現在の会員企業数は1700社、利用ユーザー数は14万5000人にのぼる。リーマンショック以降は5期連続の増収増益で、2014年12月にはJASDAQへの上場も果たした。同社のこれまでの歩みと事業の強み、今後の成長戦略について、マークラインズ 代表取締役社長の酒井誠氏に聞いた。

(聞き手は編集部 松尾慎司)

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マークラインズ 代表取締役社長 酒井 誠 氏

全部品一点一点に分類コードを付けて整理

──はじめに、マークラインズ設立の背景をお聞かせいただけますか。設立された2001年当時、B2Bの領域でネットビジネスを成立させているところはあまりなかったと思います。

酒井氏:私は日産自動車の調達部門で約14年間、部品調達業務に携わった後、ベンチャーキャピタルや米系自動車部品メーカーなどを経て、14年前にマークラインズを設立しました。

 当時は「系列」を解消していくという流れの中にあり、かつ自動車部品メーカーがグローバル化で海外に進出していくという局面で、最初は自動車産業に関する情報をベースにしたB2Bのブラットフォームが作れないかという発想でした。

 自動車メーカーは海外に進出した時、調達先が系列会社だけでは競争力が無かったり、生産のボリュームが十分に届かなかったりする場合があります。その際にはやはり現地の部品メーカーから購入する必要がありますが、当時は部品メーカーに関する情報が満足にありませんでした。

 そこで私たちは、各部品メーカーの製品一点一点が検索できるように、分類コードを付けて、整理していきました。たとえば「中国の」「華南地域の」「ピストンリングメーカー」を表示させるということが可能で、これが他にはない機能です。

 自動車メーカーは私たちのサイトを通して、部品メーカーとその製品情報を知ることができます。当時、製品情報を掲載していた部品メーカーは約1万2000社でしたが、今では4万社にまで増えました。

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マークラインズのサイト。自動車部品が非常に細かく分類されており、その中から必要なサプライヤを検索できる


 一方の部品メーカーも私たちが作成したレポートなどの情報を通して、自動車メーカーの動向、さらにはその先の市場全体の動向を知ることができます。

 2000年に、当時の米国のビッグ3、GM、フォード、クライスラーが主導して部品調達用のB2Bプラットフォームを提供するCovisintという企業を設立しました。端的に言えば、自分たちに部品を供給するために、部品メーカー側にオークションで競争してもらおうという発想で作られたものです。これに対してマークラインズは逆で、買う側が主導するのではなく、情報を核にして売る側が主導するプラットフォームを目指しました。マークラインズ(MarkLines)という会社名は自動車のB2Bの市場(Market)と企業を結ぶ線(Lines)という意味です。

──マークラインズでは「自動車業界向け」ではなく「自動車産業向け」と謳われています。現在のターゲットは、自動車メーカーと部品メーカーだけではないということでしょうか。

酒井氏:その通りです。当初のコンセプトは「自動車メーカーに対して、最適な部品情報をマッチングすること」でしたが、それに加えて、今では自動車メーカーと部品メーカーをともに自動車産業の中の買い手として位置付け、両者に対してさまざまな素材、機械・設備、ソリューション、電子パーツ、加工メーカーなどの会社が自社製品や技術の販促を行うという形に変化してきています。

 私たちが「自動車業界向け」ではなく、「自動車産業向け」と謳っているのも、自動車専業の会社だけでなく、素材、機械、商社、物流あるいは電機・電子、化学、通信など自動車への新規参入企業も含め、自動車の開発、生産に関わっているすべての業種の企業に利用してもらいたいという思いからです。

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(クリックで拡大)

自動車産業ポータルのビジネスモデル

(出典:マークラインズ提供資料)


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