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2015年07月22日

ANA CIO 幸重孝典氏に聞く、グローバルで勝つデジタルマーケティング戦略とは

IT推進に携わる部門を「業務プロセス改革室」に名称変更し、基幹システムから従業員のクライアント環境まで、矢継ぎ早に改革を進める全日本空輸(ANA)。業務プロセス改革室長を務める幸重孝典氏は、「競争が激しい航空業界の中で勝ち残るためには、『やりながら学ぶ』『失敗から学ぶ』姿勢が大切だ」と力説する。後編ではWebマーケティングやモバイル活用など、ANAのデジタル戦略について話を聞いた。幸重氏は今、先進国ではなく、とある地域の航空会社のIT活用に注目しているのだという。

前編はこちら
(聞き手は編集部 松尾慎司)

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全日本空輸(ANA)
取締役 執行役員
業務プロセス改革室長
幸重 孝典 氏

(写真:伊藤孝一)

グローバルで勝ち残るにはデジタルマーケティングが必須

──ANAはデジタルマーケティングにも積極的ですね。

幸重氏:私の経歴をお話しますと、以前は営業部/マーケティングを担当していました。たとえば1998年に立ち上げた「ANAマイレージクラブ」は、営業側の責任者としてプロジェクトに携わりました。また、2000年にANAとJAL、JAS(当時)3社の共同出資で設立した国内航空券購入ポータルサイト「国内線ドットコム」を構築した際にも、ANAの代表として参画しました。

 前述したとおり、当社は早い段階からオンラインによる航空券の販売サービスを開始しています。現在は国内線の7割、国際線の2割がオンラインからの購入です。多くのお客さまがWebサイトやモバイルアプリを活用しているのですから、この分野のサービスはさらに充実させていきたい。特に、モバイルデバイスを活用したサービスの提供には注力していきます。

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(クリックで拡大)

ANA Apple Watch App

──「ANA SKY WEB」や「ANA SKY Mobile」ですね。近年は特にモバイルに注力されており、Apple Watch対応のアプリもいち早く提供を開始されました。

幸重氏:航空業界とモバイルデバイスの親和性は、とても高いと考えています。当社が提供したいのは“快適な移動体験”です。一方、多くのお客さまが移動中にもコミュニケーションできるモバイルデバイスをお持ちになっています。したがって、新たなビジネスモデルを展開できるチャンスが揃っているのです。モバイルデバイスとの親和性を考えれば、航空会社はモバイルを活用したサービスプロバイダーの「ファーストランナー」になれると考えています。

 ここで大切なことは、「やりながら学ぶ」「失敗したらそこから学ぶ」という姿勢です。モバイルデバイスで提供するサービス基盤/アプリ開発は、従来のシステム開発のようなプロセスで行っていては時間がかかりすぎて「完成した時には時代遅れ」になってしまいます。

 お客さま側のモバイル体験は常に進化しています。それを理解し、取り込んでいく努力をしないと、よいサービスは提供できません。「グローバルで勝ち残る」という観点からも重要性が増すでしょう。グローバル市場を分析/理解するうえで、Webやモバイルアプリから収集される、いわゆるビッグデータは重要であり、そこから導き出される「知見」や「情報」は財産です。そうした意味においても、デジタルマーケティングは重要な意味を持つのです。

──他のウエアラブルデバイスの活用などは視野に入れていますか。

幸重氏:興味ありますね。私は業務プロセス改革室のメンバーに「好奇心旺盛になりなさい。新しいモノが出たら、自分で買って使って自分で評価してみなさい」と伝えています。たとえば、メガネ型のウェアラブル・デバイスはプロトタイプがリリースされた時に試用してみました。しかし、耐久性の問題や運用サポートがないことを考えると、整備などでの実務利用は、現時点では難しいと判断しています。

 とはいえ、活用の可能性はたくさんあると感じています。現場の整備士が付けているウェアラブル・デバイスを通じ、遠隔地にいるベテランの整備士が作業のアドバイスをするなどが考えられます。また、スクリーン上にマニュアルを表示させることもできるので、作業効率も上がりますね。従来のように紙ベースのマニュアルを確認しながら整備するといった手間も省けます。

【次ページ】ANAとして、世界で勝ち残るために何をすべきか

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