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2016年09月21日

インダストリアルIoT(IIoT)とは何か?「製造業のビジネスモデル変革」をPwCが解説

世界中のメーカーや産業用機器を扱う企業は、製品や機器をインターネットに接続し、製品売りからサービスビジネスへの転換を図る「インダストリアルIoT(以下、IIoT)」に着手しはじめた。しかし一方で、利益の出るビジネスプランをなかなか描くことができず、躊躇している実情もある。製造業はどのようにすればサービスモデルへのビジネスモデル変革を進められるのか。また、今後日本企業にはどのような取り組みが必要となるのか。PwCがIoT市場の現状と動向を解説する。

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インダストリアルIoT(IIoT)とは何か?



IoTの市場規模は、2020年までに1.7兆ドルに成長

 IDCの調査によれば、IoTの市場規模は2020年までに1.7兆ドルに成長するという非常に大きな数字が出ている。PwCではこの市場を、ソフトウェア、コネクティビティ、ハードウェア、そしてサービスという4つの領域に分類している。

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IoT市場は2020年までに1.7兆ドルに成長、うち28%はサービスが占めると予想


 この中で特に注目すべきなのは、全体の28%を占めるまでに拡大すると予想されるサービスの領域だ。

「サービスには、コンサルティングやシステムインテグレーションといったものだけでなく、IoT関連のハードウェアやソフトウェアを統合してエコシステムとして提供されるものも含まれてくる。また、サービスとして提供されるコンテンツやサポートサービス(XaaS)も入ってくる。今後はこうした領域がさらに広がっていくだろう」(アフメド氏)

 PwC米国 パートナー IoT・エマージングテクノロジーリーダーのシャヒード・アフメド氏によれば、現在のIoT市場拡大を牽引している背景には6つの要素があるという。

 1つめが、ストレージやCPU、メモリなどITのコストが低下していることだ。これによって誰でもIoTのアプリケーションを短期間で開発することが可能となった。

 2つめが、ITとOT(=オペレーションテクノロジー)のコンバージェンスで、現在工場や原子力発電所、石油精製所などの領域にITのシステムが入ってきており、これがIoTを推進する1つの力になっている。

 3つめがビッグデータで、今やデータ分析のアーキテクチャがなければ、あるいはデータ分析の戦略がなければ、IoTのソリューションを作ることはできない。

 4つめが、デバイスの普及が加速していることで、多種多様なデバイスがインターネットを介して相互に繋がりつつある。これもIoT拡大の大きな助けとなっている。

 5つめがネットワークコストの低下で、1秒当たりのメガビットの価格はどんどん下がってきていること、そして6つめが、スタートアップ企業への資金や投資が増えていることだ。

「IoTの分野は投資家にとって大きなチャンスがある。ビッグデータ、人工知能、VR(仮想現実)などが挙げられるが、既に多くのソフトウェア企業がIoTに着手し始めている。IoTがどのように市場を変えるのか、IoTにどのような価値があるのかを十分に理解しているからだ。この6つの力によって、新たな市場であるIoTが牽引されている」(アフメド氏)

IoT市場は3段階のプロセスで拡大していく

 アフメド氏は、「経済的価値」と「産業を変化させる影響力の強さ」という2つの視点から、IoT市場が拡大していくプロセスを3段階に分けて説明する。

 まず起点となるのが現在のIoTで、ウェアラブル端末や家電製品などに取り付けられたセンサーから各種データを収集し、人の行動や環境変化の状況を把握するものだ。しかしこれは産業用というよりも消費者中心のもので、消費者の経験をベースとしたユースケースとなる。

 次が産業用制御システム(ICS)で、例えば原子力発電所や鉱山事業の現場などで使っている機械類をインターネットに接続し、稼働データを収集してメンテナンスなどに活用するものだ。

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IoT市場が拡大していくプロセス


IIoTは、産業界と市場を変えるのか

 こうした動きの先にあるのが、製品や機器のインターネット接続、すなわちIIoTだ。企業はサービスベースのビジネスモデルへと転換し、より付加価値のあるサービスを提供するようになる。

「産業用の機械や製品を作る企業は、単に製品を売る企業からサービスベースの企業へとシフトしていくということ。IIoTでは、高い経済価値を提供することができる」(アフメド氏)

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なぜ製造業はビジネスモデル変革が必要なのか


 例えばサーモスタッドメーカーのロードマップを考えてみると、まず単体の製品があり、そこに遠隔サポートによる修理サービスを加え、さらに家庭内の一酸化炭素レベルを監視するといった付加価値サービスを加えていく。そして究極的には、モニター付きインターフォンや洗濯機など他の自社製品や外部のスマートデバイスと連携することで、IoTプラットフォームとしてサービスを提供することが可能となる。

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IIoTは、企業の軸足を製品からサービスへ移行させ、顧客エンゲージメントと収益を拡大させる


「製品単体から次のプロセスに移行するごとに、顧客とのエンゲージメントが生まれていく。より顧客に近付くということで、ここがIoTの重要なポイントだ。一方的に顧客にコンタクトを取るのではなく、顧客からもフィードバックをもらうことで、企業は収益を上げることができる。顧客エンゲージメントの向上と収益拡大が、IoTで何かを行う際の基準になるということ」(アフメド氏)

【次ページ】究極のビジネスモデルは「アウトカムベース」

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