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2016年09月28日

#攻殻機動隊 × プロジェクト管理(3)

攻殻機動隊が描く「理想的なプロジェクトチーム」の姿とは

役割が縦割り的に分割され、硬直化した組織においてはプロジェクト型の業務はうまく進行しない。それを打破するあり方は、TVシリーズ版攻殻機動隊「STAND ALONE COMPLEX」が描く「プロジェクトメンバー間の、柔軟なポジションチェンジ」は参考になるように思われる。そこには、PDCAサイクルやカイゼンの概念に代表されるような、ルーチンワーク的世界観でのアプローチとは違う次元の発想が必要である。

執筆:人材・組織コラムニスト 後藤洋平

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攻殻機動隊が描く「理想的なプロジェクトチーム」の姿とは

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Copyright c 士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会




プロジェクトにおける困難と哀愁

 プロジェクトに限らず、我々があらゆる業務で行なっていることの本質とは、「前の工程においてアウトプットされた情報やリソースを受け取り、それを加工し、次の工程にアウトプットする」ということである。

 何がプロジェクトをプロジェクト足らしめるのか。「受け取るはずだと思っていたインプットがちゃんと届く」のがルーチンワークであり、対してプロジェクトは「受け取るはずだと思っていたインプットが、ほとんどの場合、想定と違う」というものである。

 TVシリーズ版攻殻機動隊「STAND ALONE COMPLEX」においてこの様子が顕著に描かれるのが、「バトー&トグサ」のコンビだ。本作においては、ベテランのバトーと、新人のトグサ、というわかりやすい図式が設定されていて、多くの場合はトグサのミスをバトーがカバーする、というくだりが定番となっている。

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肉体の大半を義体化しているサイボーグのバトー

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 作品世界では、制限時間のなかでテンポよく事件が解決されるので、視聴者としては程よいスリルと爽快感を得られるだろう。だが、現実的にこれを仕事とする人にとっては、さすがにそれは「夢物語に過ぎない」という感想を持ってしかるべきである。

 それぞれの工程が順調に進まないということは、その前後の工程に対して、人員と資材の配備スケジュールが狂うということを意味する。それは、予定していた業務の遂行自体を困難にするものであり、結果、後の工程に対してより大きな悪影響を及ぼしていくことになる。

 この被害を最小限に食い止めるべく、プロジェクトに進捗管理者と品質管理者を置く、という方法がとられるわけだが、この二人にこそ、「プロジェクトにおける困難と哀愁」が集約されることになるのであった。

 縦割り型組織でプロジェクトを進める場合、進捗管理者は最大の戦犯になりやすいポジションとなる。それは、具体的に進めている内容の詳細を把握することができず、意思決定者の温度感もわからなければ、作業実行者の温度感もわからない、という状況によって発症する。

 目の前の工程が遅れていることはわかっても、その影響がピンと来ない。そのため、単なる伝書鳩状態となり、情報伝達をただ遅滞させる存在となる。そうすると、意思決定者と作業実行者は彼をバイパスするという方法を取り始める。

 品質管理者のポジションは、さらに大きな困難を背負うことになる。アウトプットされたもののクオリティチェックは、当然必要なものであるが、そこには日程との戦いが厳然として存在するからである。

 また、あらかじめ策定されていた品質基準に従っていれば、それでいい、ということは、あまりない。指示された通りのチェックをしてOKを出したものの、次の工程にそれを回すと、全然使えないものであることが即座に明るみにでる、なんてこともある。

 こうしたことから、「ダメなプロジェクト」においては、進捗管理者と品質管理者は、いてもムダということになり、遺憾ながら、最終的には、空気のような存在となる。

【次ページ】計画に縛られているかぎり、計画通りにいかない

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