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2017年02月08日

クックパッドに転職した笹田氏に聞く、OSSのコミッターにとって転職する意味とは?

Rubyのコアコミッターである笹田耕一氏が、レシピ共有サービスなどを展開しているクックパッドへ入社しました。本記事では、笹田氏がクックパッドへの入社を決めた理由や、クックパッドが笹田氏に声を掛けた背景、そして笹田氏にとっての転職の意味などについて、笹田耕一氏と、クックパッドの執行役CTO成田一生氏に聞きました。

執筆:Publickey 新野淳一

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笹田耕一氏(左)、クックパッド執行役CTO 成田一生氏(右)。Cookpad TechConf 2017で


クックパッドへの転職に大きな可能性を感じた

──あらためてクックパッドが笹田さんに声をかけた背景を教えてください。

成田氏:クックパッドでは長年、Rubyを用いたサービス開発を行ってきました。

 Rubyはシンプルな記述で高度な処理を表現できるので、開発効率が高く、改善のサイクルを高速に回すのに適していると考えています。つまり、 Ruby が継続的に改善されていくことは私達の事業にとって重要です。

 大規模なRuby on Railsアプリケーションを開発運用しているクックパッドがRubyに対して貢献できることはなんだろうと考えた時に、実行速度の問題が思い浮かびました。

 Rubyは実行速度があまり速くないと言われてきましたが、バージョンアップのたびにどんどん改善されてきています。これまでもクックパッドはその速度改善の恩恵を大きく受けてきました。Rubyの実行速度の改善に貢献してきた笹田さんをクックパッドにお招きすることで、クックパッドという巨大なRuby製アプリケーションをベンチマークとして、より速度や機能の改善に取り組んでいただけたらと考えました。

──笹田さん。クックパッドへ転職を決めた理由について、教えてください。

笹田氏:今回、クックパッドへの転職に大きな可能性を感じたためです。その理由を2点あげます。

 まずは、Rubyの性能改善という仕事を行う上で、よい職場であるということです。クックパッドは、世界でも有数のRuby on Railsユーザーであり、Rubyユーザーです。Rubyの性能改善が直接運用のコストに影響をあたえるというのは、やり甲斐を感じます。また、実際に動いているアプリケーションを解析することで、どのように性能改善を行うか、大きなヒントになります。

 そしてその成果は、クックパッドに限らず、Rubyコミュニティにこれまで以上の貢献になるだろうと期待しています。このあたりは、先日Fastlyに転職された奥一穂さんが仰っていた転職理由と、同じ部分があるかと思います(新野注:奥氏はオープンソースのHTTP/2サーバ「H2O」の開発者)。

 二つ目は、Rubyインタプリタ開発コミュニティの促進です。Rubyインタプリタは複雑なソフトウェアですが、まだまだ改善しなければならない部分が数多くあります。そのためには、さらに多くの方に開発に参加してもらうことが重要と考えています。例えばクックパッドの技術力の底上げのために、言語処理系のようなシステムプログラミングの知見を伝えることができればと思っており、その中からインタプリタ開発にも興味を持ってくれる人が出てきてくれるといいなと思っています。

 少し大きな話になりますが、最近、プログラミング教育の義務教育化が話題になっています。そこでプログラミングやコンピューターに興味を持った人が、最終的には言語処理系のようなシステムソフトウェア開発者を目指す、そのようなことのお手伝いができればと思っています。クックパッドはそのような活動に対し、理解を示してくれました。これも、転職を決めた理由の一つです。

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「なくても会社の業績に直接影響は出ない」仕事なので、そもそも評価が難しい

──笹田さん。オープンソースのコミッタにとって、転職するというのはどのような意味を持つのでしょうか? というのも、会社が変わっても同様に基本的にOSSへのコミットが業務として期待されているとすれば、どのような思いで転職されるのでしょうか。

笹田氏:「オープンソースのコミッタ」と一口にいっても、様々な立場があるかと思いますので、私の考えを述べます。フルタイムでRubyを開発するという立場からは、転職はRubyコミュニティへの貢献の話と、個人的なキャリアプランの2つがあると思っています。

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