• 会員限定
  • 2024/02/15 掲載

「ヤバすぎる」動画生成AIの進化、RunwayやSynthesiaら激化する開発競争

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
ChatGPTが登場して間もないころ、動画生成AIの初期モデルがリリースされて注目を集めたが、クオリティの低さに落胆の声が相次いだ。しかし、約1年が経過しようとしている現在、動画生成AIは目覚ましい進化を見せ、マーケティングやデザイン分野などで実際に利用できる水準にまでクオリティは高まっている。現在、動画生成AIはどのような実力を持つのか、その現状を探ってみた。

執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

執筆:細谷 元、構成:ビジネス+IT編集部

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

photo
日本語に対応し、マーケティング、カスタマーサポート、トレーニング動画などに活用できるサービスも
(出典:SynthesiaのWebサイト

主要3社が先行する動画生成AI市場

 ChatGPTで画像生成できるようになったことで、テキストやコード生成に加え、画像生成技術もより身近な存在になった。このビジュアル領域におけるフロンティアとなっているのが動画生成AIモデルの開発だ。

 テキストから動画を生成するだけでなく、写真などの静止画を動画に変換したり、動画のスタイルを変更できる生成AIモデルの開発が加速、この1年ほどでアウトプットの精度は大きく改善している。

 この分野で一足早く取り組みを始めていたのがニューヨーク拠点のスタートアップRunwayだ。2023年6月、シリーズCの延長ラウンドでグーグル、NVIDIA、セールスフォースなどから1億4,100万ドルを調達するなど、動画生成AIスタートアップの中では特に注目される存在となっており、比較的豊富な資金を持っている。

 Runwayへの注目度が高まったのは、同社が動画生成AIモデル「Gen1」をリリースした2023年3月ごろ。当時、Stable DiffusionやMidjourneyなど、静止画向けの生成AIツールの人気が急騰していた中、動画生成の可能性を示すGen1が突如として登場したことで、多くの人々の関心を集めた。ただし精度は高いものとはいえず、動画マーケティングなどで実際に利用されたケースはほぼないと思われる。

 大きな変化をもたらしたのが2023年6月にリリースされたGen1の後継モデル「Gen2」だ。リリース当初は、厳しい評価を受けていたが、何度かアップデートを重ねたことで、動画のクオリティは大きく改善、特に2023年11月のアップデートでは、多くの動画制作者らがXで驚きの声をあげている。

Xに投稿されたRunway Gen2の動画
(出典:RunwayのXアカウント

 こうしたアップデートによる改善を受け、CanvaやGetty Imagesなどのクリエイティブ系の大型プラットフォームとの提携も進められており、今後利用者の増加が見込まれる。特にCanvaはグローバルで1億5000万人のユーザーを抱える巨大プラットフォーム。Canvaプラットフォームの動画機能であるMagic Mediaで、Gen2モデルによる動画生成が可能になる。

画像
動画生成AIで最初に注目を集めたのがRunwayだ
(出典:Runway

 先行するRunwayを追うのが、米Pika Labsと英Stability AIの2社。Pika Labsはスタンフォード大学の研究者らが立ち上げたスタートアップ。2023年11月末にシリーズAで3,500万ドルを調達、半年ほど前に設立されたばかりの企業だが、累計調達額は5,500万ドルに達する。

 Pika Labsの動画生成AIは同社が運営するPikaプラットフォームで利用することが可能だ。テキストプロンプトから動画を生成するモードと静止画を動画に変換するモードが利用できる。サンプル動画には、ドローン空撮のような映像やシネマティックな映像が披露されており、いずれも1年ほど前のRunway・Gen1と比べるとクオリティが上がっているのは明白だ。

 静止画生成の人気ツールの1つStable Diffusionで広く知られるStability AIも2023年11月に動画生成モデルをリリース。先行プレーヤーに匹敵するクオリティを実現しており、動画生成分野でも主力プレーヤーとして存在感を示している。

Stable Video Diffusionのデモ動画
(出典:Stability AIのYouTubeアカウント)
【次ページ】筆者が試してわかったRunway Gen2、Pika Labsの実力

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます