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2012年10月18日

A.T. カーニー 栗谷 仁氏/糸田 哲氏

「強い営業体制」はどう構築すればよいか?:企業成長をドライブする営業戦略(6)

第4回・5回にわたり、営業力強化に向けて「営業力の役割定義・活動の標準化」と「営業活動の効率化」について解説していただいた。今回はこれまでの論点を踏まえ、実際に強い組織を作りあげていくために、「営業体制の構築」と「営業活動のPDCA」について論じていただく。引き続き『最強の営業戦略』(東洋経済新報社)の執筆者であるA.T.カーニーパートナーの栗谷 仁 氏と、同社の糸田 哲 氏に解説していただこう。


全体最適の視点で営業のリソース配分を最適化する

──営業力強化に向け、営業体制の構築は課題の1つです。どう構築していくのがよいのでしょうか?

 糸田 哲氏(以下、糸田氏)■強い営業体制をどのように構築していけばよいか──この「体制」という言葉が意味するところには大きく2つの概念があります。1つは資源配分の概念で、もう1つはチーム・組織体制の概念です。これはお客様に対して、どういう組織体制で臨むかということですね。

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A.T. カーニー
パートナー
栗谷 仁 氏

 栗谷 仁氏(以下、栗谷氏)■まず重要なのは、資源配分をどうするかです。前回ご説明したように、営業の無駄な間接業務を圧縮し、付加価値活動に活用できる時間量を増やしたあと、どうやって資源配分を最適化するかがポイントになります。

 顧客セグメントごとに、訪問頻度と滞在内容・時間のガイドラインを作成し、エリアごとのお客様にどのくらいの時間を割り当てられるか、新規顧客と既存顧客の比率を含めて考える必要があります。その時間量の目安ができれば、首都圏、関東、地方など「どこに」対して「どのくらい」の割合で、営業担当者を配置しなければいけないのか、見えてくるでしょう。

 ここでも注意しなければいけない点があります。地方での人員配置に際しては、どうしてもエリアの割に顧客規模が小さくなってしまうことです。しかし、それでも手間は同じぐらいかかります。首都圏に比重をかけると、もっと顧客規模が大きなエリアに対して、営業担当者を投入できるようになるかもしれません。顧客規模の観点から全体で優先順位を付けを行い、人を配置し直すことでリソースの最適化を行うと、意外に効果が出くるものです。

 糸田氏■よく関東や関西のエリアというように、各地域でのリソース配分が行われますが、全体でのリソース配分ができていないことも問題です。逆に言うと、お客様の分析ができていないから、担当者の配分もうまくできないわけです。自社の強みが生きるマーケットはどこか、自社サービスをあまり受けない地域に対しても、同様に人を配置すると効率が下がってしまいます。

 たとえば図1のようなケースでは、全国ベースでエリア間を比較してみると、かなり違いがあって、バランスが悪い配置になっていることが分かります。首都圏エリアは大型顧客中心で、中堅の優良顧客については十分にカバーされているとは言えません。その一方で、地方の顧客については小規模までカバーされています。

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(クリックで拡大)

図1■各エリアの営業配置とターゲット顧客のカバー状況を調べてみると、あまりバランスが良くないことが分かる。地方の小規模カバー分の営業担当者を、首都圏側に再配置すると、バランスがよくなる例だ


 栗谷氏■エリアのリソース配分の話をもう一歩進めると、「テリトリー性をどうするか」ということに帰着します。たとえば東京地区に10人を配置したとき「東京地区では一人あたり200件の顧客を担当しなさい」というように、適当に均等に割るという話になることもあります。

 しかし、訪問先への距離の問題も考えなければなりません。企業によっては、明らかに訪問しきれないノルマを課しているところもあるようですが、これはまったく意味のないことで、逆に営業担当者のモチベーションさえ下げてしまうことになりかねません。やはり合理的な判断のもとで営業担当者の負荷を分析し、一人でも回れるテリトリーをつくってあげないと、負荷が大きすぎて結果的に取りこぼしが発生することになります。

 ですから営業プロジェクトでは、テリトリー分けも重要になります。そのために訪問頻度や時間分析が大切になるわけです。これでも、まだ日本の場合はよいほうなのですが、移動距離が長い米国などの海外では、こういうことを頭に入れておかないと大変なことになります。

【次ページ】クロスセルをうまく確立するにはどうすれば?

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