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2014年10月23日

アマゾンが語る「eコマースマーケティング」、日産がなぜアマゾン内に広告を出すのか

20年前の設立以来、eコマースの巨人となったアマゾン。実は今、グーグルのエリック・シュミット氏は「検索における最大のライバルはアマゾン」と公言してはばからない。何か商品を買おうとした場合、多くの人はグーグルではなく、アマゾンで検索するからだ。そしてそのアマゾン内の買い物客を対象に、ディスプレイ広告事業などを手がけているのが、Amazon Media Groupだ。同事業のリサ・ウッツシュナイダー副社長は「我々はテクノロジーをうまく使うことで、お客さまにインスピレーションを提供していきたい」と語る。その1つの形が、eコマースを広告メディアとして活用する「eコマースマーケティング」だ。日本国内では日産自動車も活用しはじめた。

ユーザーレビュー活用でショッピングカードへの追加が240%上昇

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Amazon Media Group
グローバル・アドバタイジング・セールス担当副社長
リサ・ウッツシュナイダー(Lisa Utzschneider)氏

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 この5年間でeコマース市場は大きく成長してきており、今年予測される売上規模は1.5兆ドルで、対前年比20%の伸びとなる見込みだ。売上のうち、33%は日本を含むアジアパシフィック地域が占めるという。

 「ad:tech tokyo 2014」で登壇したウッツシュナイダー氏は、「現在のeコマースはイコール、モバイルだ。2018年には全eコマースの30%はモバイルデバイス経由になると予想されており、同様のトレンドがアマゾンでも起こっている」と語り、現在アマゾンでは顧客の50%がモバイルフォンでショッピングをしており、1秒に5つのおもちゃが売れていると明かした。

 そうした中で、アマゾンが取り組むのが自社サイトや周辺サービスを活用した広告事業だ。ウッツシュナイダー氏は、アマゾンが顧客企業(広告主)とともに展開したeコマースにおける取り組み事例を、「Discovery(=発見、気付き)」「Buy(=購買)」「Deliver(=配送)」という3つの観点から紹介した。

 まずDiscoveryの事例については、ソニーが米国市場で初めて4Kテレビを販売した際の取り組みが挙げられる。従来、テレビの新商品を消費者に認知してもらうためにはテレビCMを打ったり、屋外広告を出したりするのが一般的だ。しかし、「アマゾンは家電の購入者はカスタマーレビューに注目していることを知っていた。特に4Kテレビのような高額商品を購入する場合、ユーザーはカスタマーレビューをじっくり調査する傾向にあり、実際に11本のレビューを読んで初めて購入を決定するというデータもあった」。

 ソニーとの取り組みには3つのマーケティングゴールがあったという。まずは新商品以前に“ソニー”というブランドの認知を上げること。次に4Kという最新技術をショールームのように体験できるコンテンツとして提供すること。そして最後に商品についてユーザー自身に口コミで熱く語ってもらうこと。

「その結果、クロススクリーンによる臨場感溢れる非常に素晴らしいユーザーエクスペリエンスを作ることに成功した」

 スマートフォンやタブレット端末、PCなどさまざまなデバイスの“スクリーン”上で商品情報を提供し、それを読んで、知識を得たユーザーにアマゾンで実際に購入してもらって、さらにレビュー記事を書いてもらった。そのカスタマーレビューを見た別のユーザーが4Kテレビを知って、このブランドの支援者になってもらうというレビューサイクルを構築した。

 実際にこの商品のメディアキャンペーンをいずれかのスクリーンで見た後、ユーザーが商品についてリサーチする可能性は従来の310%、さらに商品をアマゾンのショッピングカートに追加する可能性は240%に上昇し、その後の購入にも結び付いたという。

クロススクリーン展開で30日後に全商品の売上が30%上昇

 次にBuyについては、スキンケア製品の「ニベア」などを販売する独化粧品メーカーのバイヤスドルフが、フランスで行ったクロススクリーンの取り組みが挙げられる。

 同社はニベアの新商品発売に当たり、消費者にはオンライン上で初回購入をしてもらいたいと考えた。またデジタルメディアを販路として確立することも同時に目指した。それまで同社は独自のeコマースサイトを持っていなかったからだ。そこでアマゾンと連携したキャンペーンを実施した。

「アマゾン内にブランドストアを立ち上げ、自社サイトからのリンクを張った。レリバンシー(=関連性)の高いユーザーエクスペリエンスを顧客に提供するのが狙いだ。ユーザーはこのブランドストアに来て商品情報を読み、カスタマーレビューもチェックし、さらには使い方のビデオも見た後、このストアからすぐに商品を買うことができる」。

 また同社はWeb広告を作って、そのビジュアルの中にクーポンや“カートに追加”といったアマゾンの機能を埋め込み、広告から直接、商品を購入することができるようにもした。

「加えてバイヤスドルフは、我々のKindle Fireをフランスで初めて使ったパートナーでもある。フランスで同社は、PCでも、キンドルでも、顧客と繋がることができた。このクロススクリーンでの展開により、シングルスクリーンでキャンペーンを実施した場合と比べて、広告効果は平均して18%、高まった」。

 この結果、ユーザーがブランドストアで“新商品”をカートに追加する割合は11倍に、購入する割合も6倍に増えたという。

「さらに興味深かったのは、キャンペーンの“ハロー効果”が現れたことだ。キャンペーン終了の30日後、アマゾンでの“ニベア商品全体”の売上が、30%も上がった。ユーザーの印象に残るより高いショッピング体験を提供できたということ」

【次ページ】日産自動車はなぜアマゾン内に広告を出すのか?菅野部長が成果を公開

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