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2015年11月20日

白ヤギコーポレーション 渡辺賢智社長に聞く

キュレーション型ニュースアプリを支える「人工知能ビジネス」の可能性

SmartNewsやGunosy、antennaなど、自分に適したニュースを自動的に収集してくれる「キュレーション型ニュースアプリ」が人気だ。その中でも異彩を放つアプリが「カメリオ」だ。万人向けの他のアプリとは違い、非常に数多くあるテーマから好きなテーマを選ぶとそのテーマに合致したコンテンツが届く。その結果、1人だけしか追っていないテーマはなんと半分を占めるという。開発したのは、2013年5月創業の白ヤギコーポレーション。カメリオを支える人工知能技術やビジネスモデル、さらに将来展望について、代表取締役社長の渡辺賢智氏に話を聞いた。

(聞き手は編集部 松尾慎司)

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白ヤギコーポレーション
代表取締役社長
渡辺 賢智 氏

人工知能で「本当に欲しい情報」を集めるキュレーションアプリ

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──まずは、白ヤギコーポレーションのビジネスについて教えてください。

渡辺氏:当社は、iOS/Android用に「カメリオ」という情報収集アプリを開発・提供しています。キーワードを指定すると、人工知能を用いて関連記事を自動的に収集してくれるキュレーションアプリです。また、カメリオで利用している人工知能の技術をAPIとして企業に提供するビジネスも展開しています。

 技術面では、「機械学習」「自然言語処理」「ビッグデータ解析」の3つが当社の強みです。最近はディープラーニングも始めています。「機械学習」はWebサイトから収集した情報から本文や重要箇所を判別したり、検索の精度を高めるなど、アルゴリズムに何を正しいかを学習させています。

 「自然言語処理」は意味を理解する技術です。たとえば、「サッカー」とうキーワードを指定すると、通常は「サッカー」という言葉の含まれる記事が検索されますが、自然言語処理を使うと、「サッカー」という言葉が含まれていなくても、「本田圭佑」や「ゴールキーパー」など関連する言葉が含まれる記事も検索できます。「ビッグデータ解析」は、どの記事が何回読まれているか、誰が読んでいるかといった分析を行い、レコメンドやアプリ改善に利用しています。

──ニュースキュレーションアプリは他にもありますが、カメリオならではの特徴は何でしょうか。

渡辺氏:数多くのテーマから好きなものを選べば、人工知能がユーザーの“こだわり”を理解して最適な記事を収集できることです。たとえば、「マイナンバー法」というテーマを選ぶと、「マイナンバー」という言葉が入っていなくても、関連のあるコンテンツが収集されます。

 また、「ビジネススキル」といった曖昧なテーマで記事を集めることもできます。最初にある程度のボリュームの記事をコンピュータに読み込んで、「これは関係ある、これは関係ない」といった判断を人間が行います。すると、機械学習によってコンピュータが関係あると思われる記事を徐々に理解し、自動的に収集してくれるのです。

──人工知能技術をAPIで提供しているということですが、利用している企業は、どういう目的で活用しているのですか。

渡辺氏:記事をただ全文検索するだけなら、普通の検索エンジンで問題ありません。しかし、複数のメディアをまたいで、曖昧なテーマで記事を集めたい場合は、我々の技術が有利です。わざわざタグ付けをしなくても、関連記事を集めることができるからです。

法人で高まる人工知能を活用したデータ分析へのニーズ

──カメリオのビジネス面での現況をお聞かせください。

渡辺氏:現在のダウンロード数は数十万というところです。大きな特徴は、1セッションあたりの利用時間が約9分間と、他のキュレーションニュースアプリの倍近くあることです。さらに夜の時間帯に多く利用されています。つまり、自分に合ったテーマの記事を、じっくり読んでいるユーザーが多いのが特徴です。現在は、こうしたカメリオの特徴をいかして、「コンテンツアド」「レコメンドアド」「テーマアド」という3タイプの広告を展開しています。また、最近は、法人向けのビジネスが伸びていますので、今後はそちらにも注力していく予定です。

──企業側にはどのようなニーズがあるのでしょうか。また、それに対して、具体的に、どのようなサービスを提供する予定ですか。

渡辺氏:新しいサービスはいくつか考えています。1つは「法人向けカメリオ」です。たとえば弁護士や企業の法務担当のように、専門的な分野において特殊なソースとテーマで利用者が欲しいと思う記事を収集します。この例ですと省庁の最新法令や業界団体の最新ガイドライン、企業的時開示情報など、大量の公示情報を「ベンチャー関連」、「知財関連」といった利用者特有の切り口で整理して収集します。他にも製薬会社の営業向けに全国の病院のお知らせを集めて疾患領域や担当地域別、お知らせの内容別(人事異動、注意喚起など)に再整理するといったこともできます。

 もう1つはメディアモニタリングです。我々の自然言語処理技術を使うと、かなり面白いことができます。たとえば、ビール会社であれば、1年を通じてビールに関する記事がどう変化しているか、記事の論調は肯定的か否定的か、記事を読んでいるユーザーの年齢層はどうなっているかを調べることができます。

 さらに、たとえば花粉の季節になるとどういう記事が増えるのかといったトレンド分析的な処理も可能です。ダッシュボードのようなインターフェイスを開発することもできるのですが、まずは分析データを提供し、BIツールなどと組み合わせて使っていただくのがよいのではないかと考えています。

──なるほど。企業のマーケティングや広報部門にはニーズがありそうですね。

渡辺氏:いまは記事だけでなく、SNSやテレビ広告のデータも組み合わせて見る必要があるので、こうしたデータと我々が提供する分析データをお客さま側でインテグレートして活用いただくのがよいかと思っています。ただ、ある程度のパターンがわかってくれば、ダッシュボードのような形式で提供する可能性もあると思います。

【次ページ】カメリオが狙う「超ロングテール」の広告モデル

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