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2016年08月30日

ユーザー企業調査で判明!クラウドを選ぶ理由は「初期コスト削減」ではない

通常、業務システムを共有して利用する場合はサーバを購入し、そこにパッケージを導入(インストール)するのが一般的だ。だが、昨今はクラウドによる「所有から利用へ」の変化が徐々に進みつつある。ITに費やす予算や人員が限られる企業こそ、こうした変化から生まれる新たな選択肢を理解し、賢く無駄のないIT活用に取り組むことが大切だ。そこで今回はクラウド時代に合わせた「広義のサーバ」という視点について解説していく。

執筆:ノークリサーチ 岩上由高

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サーバの調達方法は多様化している

業務システム構築/運用の形態を整理する

 冒頭に述べたように、現在では業務システムを構築/運用する形態にはさまざまなものがある。クラウドに該当するものも含めて、まずはそれらを整理してみよう。

 サーバを購入しない、いわゆる「所有から利用へ」に該当するものが『クラウド』だが、これに対して従来通りサーバを購入する形態は『オンプレミス』と呼ばれる。IT関連の情報収集で目にすることの多い用語なので、『クラウド』とペアで覚えておくと良いだろう。上記を踏まえた上で各種の形態を整理すると以下のようになる。

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広義のサーバを分類するとこうなる。図中では「ホスティング(共用サーバ)」「ホスティング(VPS)」「ホスティング(専用サーバ)」「IaaS(仮想サーバ)」をまとめて「IaaS/ホスティング」と表記している


【クラウド】に該当する形態(サーバを利用する形態)

■ホスティング(共用サーバ):
IT企業がデータセンターで提供するサーバを年額/月額で利用するというもの。1台のサーバを複数のユーザー企業が共有する。

ホスティング(VPS、Virtual Private Server):
ホスティング(共用サーバ)に似ているが、仮想化技術を用いて個々のユーザー企業が利用するシステム環境が分離されている。同じサーバ上であっても、A社のOSはWindows、B社のOSはLinuxといったことが原理的には可能となる。

■ホスティング(専用サーバ):
IT企業がデータセンター設備で提供するサーバを年額/月額で利用する。ただし、1台のサーバを1社で占有する。

■IaaS(仮想マシン):
上記3つがホスティング(VPS)と基本原理は同じだが、利用するサーバの性能を迅速/柔軟に変更することができる。たとえば、「来週は年度末で処理が多くなるので、普段よりも少し高い利用料を払ってメモリ容量を一時的に増やす」といったことが可能となる。

【オンプレミス】に該当する形態(サーバを購入する形態)

■自社の一般オフィスに設置:
ユーザー企業のオフィス内に専用の部屋や区画を設けずに、購入したサーバを設置し、ユーザー企業が自ら管理/運用する。

■自社のサーバルームに設置:
ユーザー企業のオフィス内に専用の部屋や区画を設け、そこに購入したサーバを設置して、ユーザー企業が自ら管理/運用する。

■ハウジングを利用:
サーバ自体はユーザー企業が購入するが、それをIT企業が提供するデータセンターなどの専用設備に設置し、ユーザー企業が遠隔で管理/運用するか、あるいは管理/運用をIT企業に任せる。

 『オンプレミス』とは英語の「on-premise」からきており、「premise」には「構内」という意味がある。したがって、辞書通りの意味では「業務システムを社内に設置する形態」となる。

 ハウジングは設置場所が社内ではないため、辞書通りの意味では『オンプレミス』には該当しない(プライベートクラウドなどと呼ばれる)。だが、分類軸がいくつも増えてしまうのはわかりにくいので、ここでは、「『クラウド』=サーバを購入しない」「『オンプレミス/ハウジング』=サーバを購入する」という観点で2つに大別して整理している。

 そのため、『クラウド』と『オンプレミス』に関する議論や情報に目を通す際には「ハウジングを含んでいるかどうか?」などの定義を確認することが大切だ。

 従来「サーバ」と言った場合には『オンプレミス』において自社で購入するモノを指していた。だが、昨今は上図が示すように『クラウド』も含めた広い視点で「サーバ」を理解する必要がある。これが「広義のサーバ」という捉え方だ。

今後1年以内に導入を予定している最も重要なサーバ

 では、「広義のサーバ」という視点から見た場合に、今後はどのような形態が増えていくのだろうか? 以下のグラフは従業員数300人未満の企業に対し、「今後一年以内に導入を予定している最も重要なサーバ」を尋ね、その結果を形態別に集計したものだ。

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今後1年以内に導入を予定している最も重要なサーバ


 「自社の一般オフィスに設置」(23.3%)、「自社のサーバルームに設置」(17.8%)といった従来型の形態が依然として多いものの、「ホスティング(共用サーバ)を利用」(23.3%)も同程度の高い回答割合を示している。さらに、クラウドに該当する形態(グラフ選択肢の1番目〜4番目の合計割合)が54.8%、オンプレミスに該当する形態(グラフ選択肢の5番目〜7番目の合計割合)が45.2%であることを踏まえると、今後はクラウドがオンプレミスをわずかに上回ることになる。

 この結果を見た時、「クラウドが増えつつあると言っても、バックアップ用途やテスト用途に限られているのでは?」と思われるかも知れない。詳細なデータはここでは割愛するが、「今後一年以内のサーバ導入でクラウドを選ぶ」と答えたユーザー企業にその用途を尋ねた結果では会計/販売/人事/給与などといった基幹系の業務システムも多く見られる。

 つまり、補助的な役割だけでなく、従来オンプレミスの形態が担っていた役割においてもクラウドの活用が進みつつあるわけだ。

【次ページ】業務システム基盤にクラウドが選ばれる理由

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