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2017年05月17日

ITACHIBA会議レポート

55歳以降の人生を生き抜くために、なぜ「複業」が必要になるのか

サラリーマンも50代に入ると、将来の収入計画やライフイベントなどを見直す機会が増えるだろう。年金だけでは老後を生きられない時代も到来しており、現在の会社をリタイアした後も元気なうちは働き続けなければならない。とはいえ、リタイア後の仕事で、会社員時代のスキルがそのまま通用するとは限らない。そこで重要になるのが、企業で働いているうちに、本業以外で何か手に職をつけることだ。

執筆:フリーライター 井上 猛雄

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立場や利害を超えて(異立場)、これからのITとのかかわり方を議論し、共有する「場」を提供することを目的に設立されたITACHIBA会議。今回のテーマは「55歳からの人生を生き抜くサバイバル術」だ。

元気なうちに手に職をつける!55歳前に備える複業のススメ

 先ごろ開催された異業種交流会の「第6回ITACHIBA会議」では、「55歳以降の人生を生き抜くサバイバル術」をテーマに、これからのサラリーマンの生き方について活発な議論が繰り広げられた。

 まずトップバッターとして登場したのは、サイボウズの野水克也氏だ。同氏は「70歳まで働く理由と、複業への取り組み」について、持論を展開した。複業とは、その名のとおり、複数の仕事を同時に行うことをいう。本業とは別の仕事を持つことを「副業」というが、本業と副業の主従関係がなくなった状態を指す。

 実はサイボウズは「自分のスキルを活用すべき」という立場で、社員の複業を許可している企業だ。

 変化の激しい現在の社会は、大手の一流企業でもちょっとしたきっかけで経営が傾くリスクもある。また少子高齢化の影響や社会保証費の増大などで、将来への不安はますます高まるばかりだ。サラリーマンの平均年収は、20年後には平均350万円まで下がる可能性もある。首都圏はまだ良いが、地方都市では、さらに収入が低くなるだろう。もはや年金も十分にもらえるかもわからない。

 「もう会社のいうとおりに仕事をしたからと言って、定年まで守ってもらえる時代ではありません。そこで、社員も何かあった場合に備え、キャリアの選択肢を複数持つべきです。そのための”副業”であり、”複業”です。」というのが、野水氏の考えだ。

 実際に、同氏は前職の経験を活かし、カメラマンの仕事もしているという。「私は34歳でIT業界に転身しました。前職のカメラを活かした複業をするために、錆び付いたスキルを磨き、撮影の仕事を再開しました。そして4年前から本格的に“副業”を行っています」(野水氏)。

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サイボウズ 社長室 フェロー 兼 カメラマン 野水克也氏


 とはいえ、会社勤めのサラリーマンは、なかなかスキルチェンジができないというの実情だろう。それでも同氏が複業を勧めるのは、いまの時代は若い頃に身につけたスキルが30年くらいしか使えないからだ。そして新たなスキルを身につけて、70歳ぐらいまでは仕事を続けなければならない。

「将来に備えて、いまから若い人も再学習してスキルを変える必要があると思います。特に男性は、残業にこだわらず、新たなスキルを獲得したほうがよいでしょう。忙しい方は育休などを使って、子育てと同時にスキルを磨けるかもしれません」(野水氏)。

サラリーマンが複業を実践するコツ

 ただし、サラリーマンが複業を実践するには、いくつかのコツも必要だ。同氏は「収入を中心に考えず、自分ができるスキルをベースにしたほうが良いと思います。お金が目的だと続きません。社会に還元する気持ちも重要でしょう」と強調する。

 そのうえで、ベストな複業の選び方は「自分の好きなことしかやらないこと」という。高齢になるほど、仕事を時間でカバーするのは大変になる。精神的に根気もなくなるし、やりたくないことだと、苦痛になってしまう。

「最終的に、複業は自分しかできないことを突き詰めるしかありません。最初は修行も必要ですが、軌道に乗れば、ある程度の単価で省力的なビジネスを狙えます」(野水氏)

 「複数のスキルを組み合わせることで、オンリーワンを目指すこと」も肝要だ。たとえば、農業とITを組み合わせた「IoT農業」や、ITと映像スキルを組み合わせた「ドローン動画撮影」、ITと経営知識を組み合わせた「IT経営コンサルタント」なども選択肢になるだろう。

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(クリックで拡大)

複業の選び方。長く続けてるためには、「好きなことをやる」「複数のスキルを組み合わせてオンリーワンを目指す」「本業へフィードバックする」というコツが求められる


「もうひとつ複業選びで重要な点は、本業へフィードバックできることです。複業は少しだけ本業と重なる領域とし、会社にも貢献できるようにします。複業で新規顧客を開拓できたり、協業を組めたり、自社を宣伝できるかもしれません。そうすれば自身も大手を振って、複業が行えるでしょう」(野水氏)

 いずれにせよ、このような複業は新規事業と同様に、本業が順調なときにスタートさせることが吉だ。「自立とは、ひとりで生きていくことでなく、いかに多くの依存先を増やすかということです」(野水氏)と語るように、これからの時代を生き抜くには、自立的な複業を視野に入れるべきだろう。

【次ページ】週4日勤務を試行した結果どうなったのか?

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