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2017年06月13日

三菱UFJ CIO、レコチョクCTOらが説く、AWSによるクラウド変革「6つのポイント」

世界中の企業で、スピーディにイノベーションを創出していくことが求められており、もはやクラウドを用いた「ITトランスフォーメーション」「デジタルトランスフォーメーション」の流れは不可逆なものとなった。日本におけるビジネス開始から11年、東京リージョン開設から6年が経過したAWS(Amazon Web Services)について、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄社長は「クラウドでデジタル変革とIT変革をますます加速させる」とアピール。三菱UFJフィナンシャル・グループやセイコーエプソン、レコチョクなどのキーパーソンらとともに、クラウドによる経営変革に必要な6つのポイントを説いた。

AWSは「IT業界のシェアリングエコノミー」

 AWSは日本でも10万以上のユーザーに利用され、AWS単体の直近の四半期の売上(グローバル)は日本円に換算して133億ドル(約1.47兆円)と、前年同期比約50%の急成長を続けている。「AWS Summit Tokyo」に登壇した長崎氏は、「日本でクラウドシフトが起きていることを実感するとともに、企業にとってのクラウドは、イノベーションプラットフォームになってきている」と語った。

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AWSの成長について説明するアマゾン ウェブ サービス ジャパン の長崎忠雄社長


 特に、エンタープライズ領域では、製造、流通、メディアなど数多くの業種で、さまざまなワークロードがAWS上で稼動している。長崎氏は、「アメリカの先端企業では、ITトランスフォーメーションと、デジタルトランスフォーメーションを、クラウドを使って実現しており、その流れは確実に日本にも到来する」と指摘する。

「ビジネスとデジタルが密結合し、スピーディなデータの分析結果から素早くアクションを起こす必要性が高まっている。一方で、多くの企業では、膨大な投資を行ってきたレガシーIT資産のモダナイゼーションという課題も抱えている」(長崎氏)

 ここで、壇上に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) 執行役専務グループCIOの村林 聡氏が招かれた。MUFGは基幹システムを含むITシステムのAWSへの移行を進めているが、村林氏によると、同社は数年前からICTによる「デジタル変革」を推進しており、「自前主義ではなかなか難しいイノベーション創出を、スタートアップベンチャーと一緒に進めるオープンイノベーションに取り組んでいる」という。

三菱UFJフィナンシャル・グループ、ICT分野の3つの成果とは

 村林氏によれば、同社のICT分野の成果は以下の3つのポイントに集約される。

(1)MUFG APIの提供

 オープンAPIを提供し、外部のパートナーと一緒にイノベーションを起こす。

(2)ブロックチェーンや次世代決済ネットワークへの参画

 さまざまなコンソーシアムに参加し、海外送金の効率化を実現する仮想通貨基盤の整備に取り組んでいる。5月1日からは、独自の仮想通貨「MUFGコイン」の実証実験を行員限定で開始した。

(3)AIの取り組み

 銀行業務がどの程度AIで取って代わられるかを分析・研究した結果、7年後には銀行の本部業務の約4割がAIに置き換わられるとの結果を得た。この結果に対し、さまざまなテックパートナーと協業していく。

 さらに、全体推進のために約2年前からハッカソンをはじめとする色んなイベントを実施しており、外部から広くアイデアを募集、サービス化を進めている。

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MUFGのICT戦略


 こうしたデジタル変革をスピーディに行うにはクラウドの活用が不可欠だ。村林氏は「AWSクラウドをコアプラットフォームの一つにし、AWSの成長をてこに、既存のシステムもコスト削減、スピードアップに活用していく」とその狙いを述べた。

 その結果、現在、MUFGでは、AWSの本格活用から約1年半で、「利用可能なサービスは10以上、本番稼働しているシステムが5つ、検討案件を含めると100以上のプロジェクトがある」とのことだ。

 村林氏は「今後も、自律的なインフラサービス、イノベーション促進、開発スピード向上とコスト削減を実現するプラットフォームとして、IT業界のシェアリングエコノミーとしてAWSをみんなで利用し、さらに進化させていきたい」と抱負を述べた。

「Amazon Lightsail」はスモールスタート時の基本構成に悩む企業向け

 再び壇上に戻った長崎氏は、企業がクラウド変革を推進する上で重要なポイントを6つ示した。

変革その(1):ビジネス基盤の強化

 ビジネスに必要なITインフラの俊敏性を手に入れることが重要だ。AWSは、必要なときに使える90以上のサービスと、2016年の1年間で1017の機能改善、新機能をリリースし、「ITリソースの調達時間を劇的に短縮する」ことに寄与するという。

 一方、企業がAWSを導入する際は「スモールスタート時の基本構成に悩む企業が多い」との課題もある。

 そこで「製品知識の習得」「環境設定の手間」「月額費用の算出が面倒」といった課題に応えるため、簡単なステップで仮想サーバが立ち上げられるVPS(Virtual Private Server)サービスである「Amazon Lightsail」を5月31日より東京リージョンで利用開始した。

 これは、SSDベースのストレージを備え、DNS管理、固定IPが事前設定された仮想マシンを起動できるもので、データ転送量込の定額(月額5ドル)で利用できるものだ。

変革その(2):持たざる戦略で身軽に戦う

 「初期投資が不要」「必要な分だけ利用可能」といったクラウドの長所を生かした実例として、セイコーエプソン IT推進本部 本部長の飯倉 一徳氏が登壇、同社のクラウドへの取り組みを紹介した。同社は、2013年から推進する「中期IT基盤戦略」の中で、「Cloud first & fast」を掲げている。

「これから世界のお客さまに向き合うときにクラウドは必須という信念を持っている。Cloud firstはクラウドを最初の選択肢にすること、そしてCloud fastは、スピードを重視してコストを圧縮することだ」(飯倉氏)

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セイコーエプソンの中期IT基盤戦略


 中期戦略に従い、同社は2014年から「ITトランスフォーメーション」としてデータセンターのクラウド移行を開始。移行完了後は、「環境構築は1週間以内に、リソース変更は1日以内に短縮できるようになり、ビジネスのスピードアップに寄与している」と飯倉氏は効果を述べる。

 さらに、「デジタルイノベーション」として、新しい製品・サービスで価値を創出するためのITインフラとして、「サーバレスアーキテクチャ採用し、アプリケーション開発スピード向上に取り組んでいる」という。

【次ページ】オラクルからクラウドへのDB移行を進める「Amazon Aurora」

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