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  • 2021/06/15 掲載

Uber Eats 日本代表らが語るフードデリバリー市場、今から伸びる店舗は?

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新型コロナウイルス感染を避ける消費行動やテレワークの増加にともない、中食業界は2020年に約8兆円の市場へと成長した。今後、マーケットはどのように変化していくのか。Uber Eats 日本代表 武藤 友木子氏と、開業1年で160店舗を展開した「東京からあげ専門店 あげたて」のGlobridge代表取締役社長 大塚 誠氏が、フードデリバリーの現状や展望について議論を行った。
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(左から)USEN Media 代表取締役社長 成内 英介氏、Globridge 代表取締役社長 大塚 誠氏、Uber Eats 日本代表 武藤 友木子氏
※本記事は2021年5月に行われた「フードデリバリーの今と未来~デリバリーで収益を上げるには、今後のフードデリバリー展望~」(主催:USEN Media)の講演を基に再構成したものです。

デリバリー業界は前年比50%増、年間6000億円の市場へ

 はじめに講演で論じられたのは、マーケットの現状だ。感染拡大によって外食産業は大打撃を受け、2020年の業界売上は前年比84.9%を記録。業態別ではディナーレストランが64.3%、パブレストラン/居酒屋が50.5%と、2019年から売上げを大きく下げている。

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1990~2020年にかけて外食市場は縮小傾向に。特にこの2020年には感染拡大の影響を大きく受けた。一方、中食市場は徐々に右肩上がりに成長している

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テイクアウト・デリバリー市場は2016~2020年にかけて約2倍の成長を遂げた。業態別ではファーストフードやカフェの売上が順調に伸びている

 一方で、中食やデリバリーの売上は大きく伸びた。2019年から約1兆円市場規模が伸び、2020年は8兆円に届く勢いだ。デリバリー単体で見ても市場規模は4,183億円(2019年)から6,264億円(2020年)へと伸び、前年比+50%の成長率となっている。

 さらに、この成長はしばらく続くかもしれない。ヒトサラが1342件のユーザーに調査したアンケートでは、「デリバリーを使ったことがない」と応えた人は全体の5割強だった。これらのユーザーを開拓すれば、まだまだ市場規模は成長できるだろう。

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2021年5月に行われたヒトサラのユーザーアンケートでは「外食頻度が減った」と答えた人は全体の63%に、一方でテイクアウトや自炊をするユーザーが多数を占めた

駅前から住宅街へ。デリバリーが飲食業の商圏を変えていく

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Globridge 代表
大塚 誠 氏
 2020年は、飲食業界の当事者から見ると、どのような年だったのか? Globridge社代表として多数の飲食業店を経営する大塚氏は、この市場の変化の影響をダイレクトに受けていた。感染拡大以前は約70店舗の飲食店を経営していたが、コロナ禍により大ダメージを受け、多数の店舗を閉店。生き残りのためにデリバリーに参入したという。

 そんな中、新ブランド「東京からあげ専門店 あげたて」は約1年で全国160店舗の展開を果たす。現在はネット集客のノウハウを活かして他社デリバリーの集客支援も行ない、Globridge社全体で前年比+50%の売上を達成した。

 急成長の一因となったのが、住宅地への出店だ。これまで飲食店の店舗は集客を考え、駅前テナントが選ばれていた。しかし感染拡大後は駅前の人通りが減り、高い賃料に合った集客が望めなくなってしまった。そこで目をつけたのが、賃料が安く、デリバリー先にも近い住宅街だ。

 現在同社は住宅街のキッチン付きテナントを借り、調理を行っている。住宅街のテナントは空きも多く、デリバリー専門店のため内装費の削減が可能。イートインに比べてスピーディかつ低コストな出店ができる。

 大塚氏は「7ブランドを提供する店舗もあり、わずか15坪の店で月間約1000万円の売上を達成したこともある」と話した。

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Globridge社 東京板橋店舗の月間売上データ。からあげの「あげたて」をはじめ、海鮮や韓国チキンのブランドも好調だ

 一方で住宅街は商圏が小さく、坪あたりの売上も少なくなりがちだ。大塚氏は「この課題を解決するため、今後はデリバリーとイートインのハイブリッド型が模索されるかもしれない」と語った。まだ世に浸透しきっていない業態だけに、しばらく変化は続いていくのだろう。

【次ページ】Uber Eats 日本代表が語る、変化する消費動向とデリバリーの役割

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