- 2007/09/27 掲載
ボーン・グローバル:フィンランドからグローバル・ベンチャー企業をつくる人々のビジネス+IT戦略(3)
1976年東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。フィンランド、ヘルシンキ経済大学にて経営学修士(MBA)を取得。ヘルシンキ経済大学在学中に、アメリカ、ワシントン州立大学に交換留学。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社後、ビジネスプロデュースを行うヴォヴィスに設立メンバーとして参加。
大学在学中からインターネットビジネスに携わり、数多くのインターネット、IT関連のビジネスに対してのコンサルティング活動に従事。戦略、オペレーション、デザイン、システムなどの幅広い知識を持ち、日本だけでなくフィンランドをはじめ欧州、そして、米国のIT業界にネットワークを持つ。
共著書に、格差なき社会とIT産業が支える強い国際競争力を同時に実現したフィンランドの社会・産業構造を解説した、「ザ・フィンランド・システム」がある。
今回からの連載では、ボーン・グローバル企業の実態に迫りたい。初回は、ボーン・グローバル企業の好例とも言えるファーストホップ(First Hop)社をとりあげる。
なお、このファーストホップ社を含め今回からご紹介するボーン・グローバル企業は、2007年6月にフィンランドを訪問しこの連載のためにインタビューを実施した、現在、世界規模で急成長を遂げる注目企業ばかりである。
携帯電話の使われ方の変化
ファーストホップ社が入るヘルシンキ市内のオフィスビル
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この7、8年で、携帯電話の通話機能よりもメール機能を主に利用するという人が増えつづけている。また、メールだけではなく、音楽のダウンロードやニュースサイトの閲覧など、携帯電話は、 「電話」の域を超えてデータ通信ツールとして利用されるようになっている。
携帯電話はもうすでに「電話」ではなく、データコミュニケーションツールとしての使われ方のほうが主流になっているといっても過言ではない。音声(電話)からデータ(メールやデータサービス)へという動きは、5年以上前から進行している動きで、最近のトレンドではない。
しかし、その進行度は加速している。この背景には、ユーザーの3Gサービスへの移行によって、通信速度が向上し、さまざまな新しいサービスが実現可能となっているからだ。
このトレンドとは別に、携帯電話会社は価格競争に直面している。つまり、3Gによる新しいデータサービスを低価格で提供しなくてはならず、より価格競争力に強い携帯電話運営会社が求められている。
ここまでに記載した携帯電話運営会社を取り巻くトレンドは、日本特有のものではなく、世界レベルで起こっている共通の現象だ。つまり、グローバルで同時に起こっている新しい変化であるならば、ボーン・グローバル企業の商機も見出せるはずだ。
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