- 2008/02/27 掲載
ボーン・グローバル:フィンランドからグローバル・ベンチャー企業をつくる人々のビジネス+IT戦略(5)
1976年東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。フィンランド、ヘルシンキ経済大学にて経営学修士(MBA)を取得。ヘルシンキ経済大学在学中に、アメリカ、ワシントン州立大学に交換留学。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社後、ビジネスプロデュースを行うヴォヴィスに設立メンバーとして参加。
大学在学中からインターネットビジネスに携わり、数多くのインターネット、IT関連のビジネスに対してのコンサルティング活動に従事。戦略、オペレーション、デザイン、システムなどの幅広い知識を持ち、日本だけでなくフィンランドをはじめ欧州、そして、米国のIT業界にネットワークを持つ。
共著書に、格差なき社会とIT産業が支える強い国際競争力を同時に実現したフィンランドの社会・産業構造を解説した、「ザ・フィンランド・システム」がある。
過去2回取り上げた企業(ファースト ホップ社、レイキ社)は、どちらもB to B(企業向けを対象としたビジネス)型企業であった。この背景には、起業と同時にグローバル市場に進出するボーン・グローバル型起業は、よりニーズが特定しやすく、顧客の絶対数が少なく、一顧客あたりの売上も大きいため、マーケティングが行いやすいB to B型ビジネスが望ましい(このことは、第2回目の連載で詳しく解説した)。
今回は、ボーン・グローバルの最新事情を追うためにも、難しいとされるB to C型ボーン・グローバル企業の例として、ヘルシンキに本社を置くスラケ社を取り上げたい。なお、今回のスラケ社を含めて、前々回からご紹介しているボーン・グローバル企業には、2007年6月にフィンランドを訪問し、この連載のためにインタビューを実施している(データはそのときのものである)。
世界のほとんどの一般消費者型ビジネスは
アメリカから生まれている
ヘルシンキの中心街にあるスラケ社の本社ビル
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また、アメリカは国内マーケットも大きく、多種多様なライススタイルの人が生活することもあり、まさにグローバル展開を狙った消費者向けサービスを開発するのに最適な場所ともいえる。そのため、インターネット上で多国籍化した多くのサービス、アマゾンやイーベイは、アメリカから生まれてきた。
しかし、そういった企業群の中で例外ともいえるのが、スラケ社が展開するハボ ホテル (Habbo hotel)である。ハボ ホテルとは、ティーンエイジャーを対象としたオンラインコミュニティサイトである。
ハボ ホテルは、アメリカ、イギリス、ドイツ、ブラジル、日本を含む、約30か国で、同一ブランド名で展開されているグローバルサービスだ。グローバルスケールでティーンエイジャーに特化したインターネット・コミュニティを構築できた企業は、今のところスラケ社しかない。
ハボ ホテルの特徴は、以下の2つの言葉によって説明できる。
1.グローバル規模でティーンエイジャーに受け入れられている
2.ユーザー課金によって成り立っている
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