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2014年07月03日

マーケティングオートメーション9社を比較 IBM・オラクル・セールスフォースが買収合戦

ここ2〜3年、急速に拡大を続けるデジタルマーケティング市場をめぐって、IBMやオラクル、アドビ、セールスフォース、SASなど、名だたる企業が新興企業の買収を繰り広げている。中でも、いま最も注目されているのが、「マーケティングオートメーション」の分野だ。本稿では、デジタルマーケティング分野全体を俯瞰しつつ、その中でも特にマーケティングオートメーションがなぜ期待を集めているのか、マーケティングオートメーションの本質とは何か、そしてその代表的な製品と特徴は何かをまとめて紹介したい。

※主要9社の製品は次のページに掲載

マーケティングオートメーションの背景にある「オムニチャネル」

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デジタルマーケティング市場の
海外主要ベンダー

 ここ数年「デジタルマーケティング」という言葉が注目を集めている。昔からWebマーケティングやネットマーケティングという言葉はあったが、「デジタルマーケティング」という言葉はここ数年で急速に浸透してきた。

 その背景について、同分野に詳しいアンダーワークスの田島学社長は「企業と消費者接点のデジタル化、いわゆる“デジタルシフト”が起きている」と説明する。

 デジタルシフトにおける最大の功労者はスマホだ。消費者が家電量販店で商品を見ながら、価格比較サイトで価格を調べてそのままネット上で購入する「ショールーミング」や、スマートフォンに搭載されたさまざまなセンサーを活用した「Beacon/iBeacon」、さらにはオンラインのキャンペーンから直接オフラインの店舗へと誘導する「O2O」といった新しい取り組みも、スマホの普及やデジタルシフトがもたらした恩恵と言える。

 そしてもう1つの大きな要因がソーシャルだ。企業にとって、消費者の「認知」の部分、つまり消費者が「こんなものが発売された」と最初に気づくポイントが、マス4媒体や交通広告、ネット広告だけではなくなった。「久しぶりに会話した同級生から口コミで聞くといったシーンが日常的に発生するようになり、これまでになかった経路で消費者が企業の商品やサービスを知り始めた」(田島氏)。

 こうした消費者接点の多様化をあらわした言葉が「オムニチャネル」である。定義はさまざまあるが、もともとはアマゾンなどの台頭に危機感を抱いた百貨店の経営者が、いかに店舗という顧客接点を有効に活用できるかという視点から生まれた。

 今やこの言葉は、小売業界で完全に“バズワード(流行り言葉)”となり、日本における小売の王者、セブン&アイイオンも使うまでになっている。

 かつての「Webマーケティング」や「ネットマーケティング」は、オンラインに限定した考え方だったが、今は消費者が自由にオンラインとオフラインを行き来し、さらに瞬時に切り替えて使い分ける。そうした顧客に最適な購買体験を提供するには、もはや手作業では限界に来ているのである。これが後から述べるマーケティングオートメーションが注目される一つのコンテクストになっている。

 また、サプライサイドの事情もある。それがクラウドをはじめとするテクノロジーの進化と企業文化の成熟だ。米セールスフォース・ドットコムをはじめとするクラウドサービスベンダーを日本郵政や大手企業が採用し、「顧客情報をクラウドに持っても大丈夫なのだと多くの企業が気づいた」(田島氏)。

 今では、顧客情報だけでなく、メール配信システムやWebサイトと顧客情報を紐付けてマイページを簡単に出すシステムが月額わずかな費用ですぐに使える環境が整っている。24時間365日、顧客にアプローチをしたり、コミュニケーションをとることができるようになった。

なぜ日本でマーケティングオートメーションに期待が集まるのか

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 しかし、ご存じのように日本ではマーケティングに対する経営者の理解が乏しい。アドビの調査によれば全調査対象項目でアジア平均を下回りIDC Japanの調査ではCMO(マーケティング責任者)の設置割合はわずか3.9%だった

 そのため、これまでにさまざまなデジタルマーケティングツールを提供してきた企業も、日本市場を攻めあぐねていたのが実情である。

 また、マーケティング担当者がいたとしても、「分析だけで終わってしまうことをとても嫌っているように感じる」(田島氏)状況にあった。たとえば、Google Analyticsなどの無料ツールでも、使いこなせばかなり詳細なWeb分析が可能になる。しかし、いくら分析をしても分析の担当者に業務を変革する権限が与えられておらず、その結果を有効活用しきれないため、同分野への投資があまりなされなかったのである。

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アンダーワークス
代表取締役社長
田島 学 氏

 それが「マーケティングオートメーションツールの登場で変わるかもしれない」(田島氏)。

 田島氏は「まだ機能的に十分ではないながらも」と前置きしたうえで、マーケティングオートメーションツールを使えば、「分析結果をある程度自動的に解析して、実際の施策まで打つことが可能になってきている」からだと説明する。たとえば、自社内で重要とフラグを立てている企業の人が、半年間にわたって何の接点もなかったのに、突然、自社のWebサイトをアクセスしてきて、3分間程度滞在したら、翌日、自動的に「ごぶさたしております」というメールが自動的に配信される、といったことが可能になる。

 すなわち、日本でマーケティングオートメーションがここにきて期待を集めているのは「営業活動の自動化」が期待できるからなのである。

 Webサイトが営業マンになるという話は15年くらい前からあるが、いまだにWebサイトもメールも静的なものにすぎない。ある程度同じようなメールを送って、全員が同じWebページを見ている。しかし、マーケティングオートメーションの世界では、一定の仮説をもとにしたシナリオをシステムに投げると、自動的に分析して、自動的にアクションをしてくれる。営業活動を肩代わりして売上に直接貢献できる、となれば、マーケティングにおよび腰の企業であっても取り組むハードルはぐっと下がる。

 さて、ここまでなぜマーケティングオートメーションが注目を集めているのかについて説明してきたが、実際のベンダーの動向はどうなのだろうか。次のページでは、日本市場でもいよいよ本格普及期にさしかかるマーケティングオートメーションツールを取り込んできたIBM、オラクル、SAS、アドビ、テラデータ、セールスフォース・ドットコムの主要プロダクトを見ていこう。

【次ページ】マーケティングオートメーション関連企業9社を比較

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