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2016年12月19日

SAPやオラクルとのライセンス交渉、ガートナーがコスト削減する方法を伝授

業務アプリケーション(ERP/SCM/CRM/BI)分野の2大メガベンダー、SAPとオラクル。日本企業はこうしたグローバルなメガベンダーのアプリケーションを利用する場合、必ずライセンス交渉をしていかなければならない。もちろんコストを削減する方法を考える必要もあるだろうし、ライセンスが不足していたという事態を防ぐ必要もある。調達や維持コストの最適化、そしてコンプライアンス確保、さらにはSAPとオラクルそれぞれのライセンス形態で注意するべきポイントをガートナー リサーチ部門 リサーチ ディレクターの海老名 剛氏が解説する。

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ライセンス交渉を有利に進める方法とは


本記事は、2016年10月に開催された「Gartner Symposium/ITxpo 2016」の内容をもとにビジネス+IT編集部が再構成したものです。最新のライセンス内容とは異なっている場合がありますので注意してください

コスト削減のためには、まずベンダーが提供する契約条件を精査する

 ガートナーの推計では、国内における業務アプリケーション(ERP/SCM/CRM/BIの売上合計)のトップ2は、SAPの14.8%(世界17.8%)とオラクルの5.1%(世界10.8%)で、日本企業はこうしたグローバルなメガベンダーとライセンス交渉をしていかなければならない。

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(クリックで拡大)

対グローバルメガベンダーには、コスト/コンプライアンスの交渉が課題だ

(出典:ガートナー)


 こうした中でコストを引き下げるためには、大きく3つの方向性で考える必要がある。

 1つ目が、ベンダーが提示する条件をきちんと説明してもらい、その中からコスト削減の方法を探る方法だ。例えば、コスト削減に直結する一番大きな要素は何といってもライセンス料の割引だが、この点については取引額が大きくなればベンダー側もディスカウントの条件を提示しやすい。

 ここで一番分かりやすい方法は、複数の製品をまとめて購入する方法だ。アプリケーションだけでなく、ミドルウェアやデータベース、(特にオラクルは)インフラ機器までを含めて契約がまとめられるのであれば、ディカウントにつなげやすい。さらには日本だけでなく、海外拠点分のライセンスをまとめて購入したり、現在のユーザーだけでなく、将来の増加が予想されるユーザー分をまとめて購入するケースでも同じ効果が得られるだろう。

 またベンダーから詳しく説明してもらったほうがいい条件として、支払い形態がある。SAPにしてもオラクルにしても、主要製品については永続ライセンスだけでなく、利用期間を区切って、違う価格の有期ライセンスなどを設定している。クラウド型なら、サブスクリプションという形で購入することもできる。

 自分たちにはどんな選択肢があるのか。ベンダーにはそのすべてを詳しく説明してもらうことを心がけていただきたいと思う。

利用しなくなったライセンス「シェルフウェア」を活用する

 コスト削減の2つ目の考え方が、既存のソフトウェア資産の中で活用できるものがあるなら、それをうまく使っていくという方向性だ。

 ここで重要なキーワードとなるのが「Shelfware(シェルフウェア)」だ。文字通り、棚上げされたソフトウェアのことで、購入はしたが利用しなくなったライセンスのことである。

 シェルフウェアが発生するのは、自社のビジネスが大きく変わって使用するソフトウェアが抜本的に変わってしまったという場合もあるが、先に紹介した包括購買の3つのポイントを十分に押さえ切れていなかったことも、理由の1つとして挙げられる。

 このシェルフウェアに払っているサポート料を、これから買う製品のサポート料と交換してもらう方法がある。取引額や初回契約時からの期間など、一定の条件は付くものの(SAP「オンプレミスエクステンションなど」)、シェルフウェアがあるのなら、交換可能な条件をすぐにでも確認し、交渉を行ったほうがいいだろう。

 コスト削減の3つ目の考え方が、サポート契約を適正化していくという方向性だ。

 通常サポート料は、ライセンスの購入金額に一定の料率をかけることで計算される。一般的には20%前後で、ぞれが1年分のサポート料になるが、アプリケーションの利用期間が増えれば、それだけサポート料も増えていくので、総保有コストに対するサポート料の割合は高くなっていく。

 そこでサポート料の値引きを交渉しようと考えた時、まず料率自体の割引は、グローバルに見てもあまり例がない。ここを単純に値引かせるのは難しいと考えたほうがいい。

 それなら不要なサポート契約を解約するという方法はどうか。ただしここでも注意すべき点があり、通常サポート契約の解約は、購入したライセンス単位でしかできないのが一般的だ。例えば包括購買をしたライセンスの一部だけ、サポート契約を解約することはできない。

 このようにサポート料は、後からなかなか変更が行えない部分だ。ライセンスを購入する時の形態を考慮しながら、どんなサポート契約を結ぶのかを考える必要がある。なお、SAPでは料率の低いメニューの設定もあるので注意してほしい。

【次ページ】SAP、オラクルとの交渉で留意すべきポイント

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