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2016年12月27日
最高の顧客体験をもたらすB2Bセールスとは 元GEヘルスケア グローバルデジタルリーダー 飯室淳史が語るB2Bセールスの極意「顧客のゴールを知り、成果を売ること」

B2Bビジネスのマーケティングの世界にも、デジタル化の波が押し寄せている。こうした潮流に取り残されないためにも、マーケティングオートメーション(以下、MA)ツールやCRM、SFAなど、『新しい何か』の導入を検討しているかもしれない。しかしその一方で、新しいデジタルツールを導入しても、期待したほど効果が出ないという声も聞かれる。その原因はどこにあるのだろうか? 元GEヘルスケアにて長年にわたりデジタルマーケティングに携わってきた飯室 淳史氏に話をうかがった。


GEヘルスケアで数百名のグローバル・マーケティング部隊を率いる

 飯室氏は、GEヘルスケア・ジャパン 執行役員/ライフサイエンス統括本部長を経て、2015年に全世界のデジタルマーケティング戦略を「日本から」統括する、グローバルデジタルリーダーに就任した。これはマーケティング機能を本社に集中していたGEヘルスケアにとっては、異例中の異例の人事だったという。飯室氏は世界の主要メンバーを率い、デジタルマーケティングのビジョンや戦略、ロードマップを立案し、約330名のマーケティング組織全体にアプライしていった。

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元GEヘルスケア グローバル本社ライフサイエンス
チーフデジタルマーケティングエバンジェリスト・グローバルリーダー
飯室 淳史氏


 それと同時にデジタルマーケティング部門のカルチャーも変化させ、短期間に新たなマーケティングツールの導入を成功させた。その後、チーフデジタルマーケティングエバンジェリスト・グローバルリーダーに就任。2016年9月からビジネスファシリテーターとして独立し、現在に至っている。

 飯室氏は、アジアパシフィック・マーケティングディレクターを兼務していた2012年に、デジタル施策として「LiSA」(Life Sciences Academy)と呼ばれるサイバー大学を開設し、独自開発のMAツールを導入した。開発にはアジャイルの手法を採用し、わずか1か月という短期間でサイトとMAツールの運用をスタート。その後ユーザーのフィードバックによって、どんどん完成度を高めていったという。

新規顧客ばかりに目を向け、既存顧客をおろそかにしていないか?

 世界のグローバル企業のデジタルマーケティングのグローバルリーダーを務めていた飯室氏はB2Bのセールスをどのように見ているのだろうか?「そもそもB2Bビジネスでは、既存顧客が売上の大部分を占めています。それに比べ新規顧客を獲得するには、大変な労力とコストがかかります。彼らは自社に興味がなく、その価値も認めていないため、製品を買う動機もないのです」と指摘する。

「そこで我々は、まず生涯顧客価値の高い既存顧客の声を訊き、ニーズを満たすことから始めたのです。つまり、その顧客らに誘導され、自ら新規顧客になってくれるように仕向けたわけです。その際に大きな役割を果したのがサイバー大学と、それに連動したMAツールでした」(飯室氏)

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B2Bビジネスでは、既存顧客のリピート受注が売上の大部分を占める場合が多い。そこで、まず生涯顧客価値の高い顧客のニーズを満たし、そこから誘導されて、自ら新規顧客になってくれるような仕組みを考えたという


 さらにGEヘルスケアでは、単なる満足度調査ではなく、売上に直接に寄与してくれる「NPS」(Net Promoter Score)という指標を重視したという。NPSは、調査対象者の満足度だけでなく、「他人にも推薦する」と言ってもらえなければ、スコアは上がらないシビアな効果測定法だ。しかし既存顧客が製品やサービスを推薦するようになれば、その相手も新規顧客になる確率は非常に高い。信用する相手が推薦してくれるものなら、新しい顧客も「利用してみよう」という気持ちになれるからだ。

 このようにB2Bビジネスでは、まず安定した既存顧客がベースにあって、そのストックとフロ―が回ったうえで、新しい顧客に手を広げていくというアプローチを取ることが重要だ。しかし以前の飯室氏が率いたチームがそうだったように、現在の日本企業では、常に新規顧客を追い続けている。それが大きな間違いにつながっているという。

「もちろん新規顧客を取りにいく、売上を拡大するというゴールは我々も同じです。しかし営業やマーケティングに直接、『新規を取ってきなさい』とは言わず、『既存顧客に自信を持って推薦してもらえるくらい最高の顧客体験をコミットしなさい』と言います。戦略は同じでも、手段が異なるのです」(飯室氏)

B2B営業のポイントは、顧客のゴールを知り、成果を売ること

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